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人材派遣と正社員、人件費を比較して選ぶならどちら?
派遣社員と正社員のおおよその人件費を比較した場合、派遣社員の方がやや高めになる可能性があります。コスパだけではない派遣社員のメリットや費用を抑える方法などをご紹介します。
正社員にはどんな費用がかかる?
初期費用
まずは正社員を雇うためにかかる費用のうち、採用直後までの期間に発生する「初期費用」を見ていきましょう。はじめに募集広告や採用試験、面接などにかかる「採用費」があります。また、新卒や未経験者を採用する場合は、ビジネスマナーや自社の事業に関する知識、業務に必要な技術を習得させるための「教育費」も必要です。
さらに必要に応じて、業務を行うためのPCや社用スマートフォンといった一人ひとりに支給される備品・制服などを購入する「準備費」もかかってきます。
継続費用
続いて正社員を雇うためにかかる費用のうち、退職するまで発生し続ける「継続費用」を見ていきましょう。まずは給与、会社が負担する分の社会保険料、労働保険料、通勤交通費などが挙げられます。会社によってはこれに加えて、退職金などの福利厚生費、賞与、各種手当が発生することもあります。
人材派遣にはどんな費用がかかる?
初期費用
次は人材派遣会社を利用し、派遣社員を迎える場合の費用を見ていきましょう。「初期費用」は、必要に応じて、一人ひとりに支給される備品・制服などを購入する場合の「準備費」のみです。正社員を雇う場合に発生する「採用費」、「教育費」なども必要ありません。
継続費用
派遣社員の「継続費用」には、給与、社会保険料、労働保険料、有給休暇費用、派遣会社への諸経費、福利厚生費用、通勤交通費などが挙げられますが、これらは基本的にすべて派遣会社からの請求金額に含まれており、個別に支払う必要はありません。ただし、派遣社員が出張する場合の出張費は自社(派遣先)が支払う必要があります。
派遣社員と正社員の人件費を比較してみよう
ここでは、「東京都にある製造業の会社で月20時間勤務する一般事務職(25歳)」を例に、派遣社員と正社員の1ヵ月あたりの人件費を大まかに比較する方法をご紹介します。
※派遣社員の人件費算出に用いる資料は地域別・業種別、正社員の人件費算出に用いる資料は都道府県別・産業別でさらに年齢要素も加わるなど、両者の比較条件は正確に対応しているわけではありません。この方法による比較は、あくまで目安と考えてください。
【派遣社員】地域別・業種別の人材派遣費用の相場を確認する
まず勤務する地域と、自社の業種をもとに人材派遣費用の大まかな相場を算出してみましょう。厚生労働省発表の「地域別最低賃金の全国一覧」を参考に勤務する「地域の最低賃金」と「全国の加重平均額の最低賃金」を対比(割り算)し、厚生労働省発表の「労働者派遣事業報告書の集計結果」から確認できる「派遣料金」平均と、月の勤務日数をかけることで求められます。
【例】東京都にある製造業の会社で月20日勤務する一般事務職(25歳)の場合 ・1,163円(東京都の最低賃金/令和6年)÷1,004円(全国加重平均額/令和6年)×17,145円(一般事務従事者の派遣労働者平均/1日(8時間)あたり/令和4年)×20日(月の勤務日数)=397,203.884円 |
【正社員】都道府県別・産業別で正社員の賃金相場を確認する
続いて勤務する都道府県と、自社の産業をもとに正社員の賃金の大まかな相場を見てみましょう。都道府県別・産業別の正社員の平均賃金は、厚生労働省発表の「賃金構造基本統計調査 結果の概況」で確認できます。それぞれの賃金平均の“間”が、「その都道府県・産業で働く正社員のおおよその人件費」ということになります。
【例】東京都にある製造業の会社で月20日勤務する一般事務職(25歳)の場合
239,400円(産業別/令和5年)~368,500円(都道府県別/令和5年) ※中央値は303,950円
数字(人件費)だけでは比較しきれない面も
上記の方法で比較すると、1ヵ月あたりの人件費は派遣社員の方がやや高めになるケースが多いと考えられます。ただし採用に至るまでのコストがかからない点や、「必要な期間だけ契約できる」、「派遣社員の管理を派遣会社に任せられる」、「人件費ではなく外注費として計上できるので税金面で有利になりやすい」といった派遣社員ならではのメリットを加味すると、派遣社員のコストパフォーマンスが低いとは決して言い切れません。目の前の数字だけで安易に判断しないことも重要です。
人材派遣で人件費を抑える方法
正社員より人件費が高めになることも多い人材派遣ですが、ちょっとした工夫で費用を抑えることもできます。具体的な方法を見ていきましょう。
残業時間の管理
派遣社員が所定の時間を超えていわゆる「残業」をした場合、残業分は割増賃金で計上されます。派遣社員の残業が目立つ場合は、本来の依頼範囲や職掌を超えて業務を行い残業が発生していないか、他の人員と分担すれば定時内で対応できる業務ではないか、などを確認してみましょう。
アウトソーシングを活用する
派遣社員を雇うよりも、オフィスへ出社してもらう必要のない業務を絞り込み、アウトソーシングの会社へ業務委託する方がコストを抑えられるケースも少なくありません。「当該業務は人材派遣でなければカバーできないのか」というところから見直してみましょう。
相見積もりをとる
「IT分野の専門人材が揃っている」、「事務職の層が厚い」など、人材派遣会社はそれぞれ得意分野が異なります。派遣社員に任せたい業務内容がその得意分野とマッチしていない場合、派遣会社の手札が足りず費用が高額になることも考えられます。
希望条件の見直し
ハイスキルな人材であれば、それだけ費用がかかるものです。派遣社員に任せたい業務内容に対してオーバースペックの人材を望んでいないか、スキルレベルなどで譲れる点はないかなどを見直してみましょう。また派遣期間を延ばすことで時間単価を下げられるケースもありますので、「繁忙期だけでなく、その前から入って仕事に慣れてもらう」といった方法も検討するとよいでしょう。
「派遣社員or正社員」で考えず、両方を活かすことも視野に入れて
派遣社員と正社員どちらを採るかは、人件費の相場だけでは判断できない面もあります。焦ってどちらか一方だけを選ぼうとせず、例えば「欠けた人員を派遣社員でしのぎながらじっくりと正社員採用を行う」といった方法も考えるようにすると、効率よく人事を回すことにもつながるでしょう。
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