コールセンターの離職率はどう下げる?4つのリテンションポイント

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多くのコールセンターが、オペレーターの離職率の高さに頭を悩ませています。高い離職率はサービス品質や顧客満足度の低下、生産性の低下、採用・新人教育コストの上昇を招き、経営に深刻な影響を与えかねません。

ストレスの大きな役割を担うコールセンターでは、「体調不良」が退職理由のトップ。続いて「家庭の事情」「結婚・出産・育児」が挙げられますが、その裏には隠れた“真の退職理由”があることが調査により明らかになっています。

コールセンターのオペレーターが辞める本当の理由

やむを得ない理由で退職するケースはもちろんあります。しかし、産休・育休や介護休暇の利用、シフト調整などができれば離職せずに働き続けられるケースも多くありそうです。それでも退職を選ぶのは、背景に下記のような理由があるからです。

  • 管理職(マネージャー、SV)に対する不満
    無理難題を強いられる、指導が厳しく毎日注意される、方針やルールがあいまい 等

  • 就業条件(内容、時間、時給)に対する不満
    向いていない仕事だと思った、覚えることが多すぎる、毎日同じことの繰り返しでストレスが溜まる、苦情・クレーム対応がつらい、時給が上がらない、休日出勤・残業を強いられる 等
  • 社内の対人関係
    上司が嫌い、なじめない、個人的な人間関係トラブルに巻き込まれた、陰湿ないじめがある、宗教普及活動やマルチ商法をしている人がいる 等
 


オペレーターの定着につながる3つの育成ポイント

どの業界でも人材不足が深刻な問題となっている近年、優秀な人材を新たに採用するのは決して簡単なことではありません。今在籍しているオペレーターを正しく育成し、定着してもらえるようサポートしていく必要があります。育成において大切になるポイント3つをご紹介します。

ビジョンやポリシーを明確にする

帰属意識やCS意識の醸成に注力して足場を固めることが、ロイヤリティへとつながり「心の揺れ」を防ぎます。そのためには、入社時から会社の方向性やビジョン、センターの方針やポリシーをしっかりと示すことが肝要です。

初期研修で自信をつける

初期の導入研修で自信を失い、モチベーションが下がってしまうケースが多くあります。一方的な詰め込み型研修は避け、バリエーション豊かなスモールステップのカリキュラムを組む必要があります。

中長期的なフォローアップ

体系化したフォローアップ研修を年間プランで組み、クレーム対応については研修でその意味を理解させることで心を強くします。公正明快な評価制度やキャリアパス制度を構築することも重要です。

 

離職率の抑制につながる4つのリテンションポイント

オペレーターのストレスを軽減し、モチベーションを維持するための支援体制も欠かせません。組織心理学に基づいた4つのリテンションポイントで、離職率の低いコールセンターを目指します。

育成

ワーキングメモリー機能を向上させる教え方をすれば、必要に応じて必要な情報を想起しやすくなります。さらにクレーム対応力を育成し対応時間が短縮できれば、ストレスも軽減。クレーム対応時間が2時間から40分に短縮されたという実績もあります。

情緒

技術を教えるだけでなく、日常的な声かけで心をサポートすることも重要です。感情や思考の整理を促し、ストレスやトラウマへの心理的ケアをしていきましょう。

健康

健康はオペレーターが個々に管理するものではあるものの、コールセンター全体で健康志向型組織を構築していきます。オペレーターがストレスを感じている時には気持ちを吐き出させ、脳に疲労を蓄積させないことが大切です。

組織改革

多くのコールセンターで派遣社員が活躍していますが、離職率を低減させるためには会社・派遣会社・オペレーターが一緒になって改革に取り組む必要があります。問題発生時に即対応できるアジャイル型組織を目指し、OODAループで運営していきます。
※OODA:Observe(観察)、Orient(方向付け)、Decide(判断)、Action(行動)の頭文字

 

コールセンターの離職率を下げる運営改善

ランスタッドでは、「コールセンターの運営改善」をテーマにしたウェビナーを開催いたします。第1回目はランスタッドの組織開発ディレクターでもある川西由美子が講師を務め、“オペレーターを辞めさせないための組織”を作る方法をレクチャーします。

 

ウェビナーのお申込みはこちらから

 
 
 

[講師プロフィール]

川西 由美子 (かわにし ゆみこ)
ランスタッド株式会社 クライアントソリューション 組織開発ディレクター
 
original

フィンランドのLyhytterapiainstituuttiにてヨーロッパを中心に世界25か国に広まりを見せる組織活性化技法の指導者資格を取得。現在はオランダに本社のある世界最大級の人材会社ランスタッド株式会社のクライアントソリューション 組織開発ディレクターとして国家機関、地方自治体、企業、病院などで産業競争力を高める人材育成や組織改革の技法を広めている。

 

[著書]
    • 「産業組織心理学によるこれからのリーダーシップ ドイツ流リーダーシップ論ニューオーソリティ」 (日科技連出版より 2020年10月31日 監訳出版)
    • 「チームを改善したいリーダー・推進者のための心の好循環サイクル 仲間を支え個を活かす力」 (日科技連出版社・ベトナム社会主義共和国 情報通信省 情報通信出版局より翻訳出版)
    • 「Reteaming:12 STEPS TO A HAPPY WORKPLACE」 (インドネシアGramedia社・出版協力)
    • 「職場のメンタルヘルス対策の実務」 (民事法研究会・編・著)
    • 「強いチームをつくる技術」 (ダイヤモンド社・出版協力)
    • 「ココロを癒せば会社は伸びる」 (ダイヤモンド社・著書)
    • 「ココロノマド」 (朝日新聞社・著書)

     
     

     ランスタッド  クライアントソリューション 組織開発は、「産業組織心理学や臨床心理学」の専門的なアプローチで、オリジナルの研修やアドバイスを行いながら、従業員の方々のパワーアップと組織活性化で、産業競争力を高めます。お客様の課題に合わせてオーダーメイドの研修や様々なアドバイスを行いながら、ランスタッドが提供する様々なサービスを提供いたします。

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