- 総合人材サービス ランスタッドTOP
- 法人向けHRブログ workforce Biz
- 人材定着(リテンション)のカギは「働き手が譲れること、譲れないこと」にあり 最新調査で見えた働き手の本音
人材定着(リテンション)のカギは「働き手が譲れること、譲れないこと」にあり 最新調査で見えた働き手の本音
「リモートワークを導入したのにエンゲージメントが上がらない」、「給料は平均以上なのに人が定着しない」といった、人材に対する課題を抱えていないでしょうか。その答えがランスタッドの最新調査で見えてきました。
人材定着のために働き手が求める要素のすべてを雇用者が用意するのは、なかなか難しいことです。
しかしながら「今、注力するべき要素」が分かれば、それを経営に反映させ人材定着につなげることができます。ぜひ最新調査で働き手が「重視していること」そして「比較的に妥協できること」をご確認ください。
リモートワークや面白い仕事よりも働き手が優先するものとは?
「働き手が譲れること、譲れないこと」を探り、人材定着を後押しするデータ
ランスタッドは「ワークモニター2025 パルス調査」を7月2日に公開しました。
これは、日本を含む世界7カ国の労働者5,250名(18~67歳)を対象に実施した調査で、「働き手がキャリアにおいて何を優先し、何を譲歩できるのか」を分析したものです。つまり「今、雇用者が注力するべき要素」を探るのにうってつけのデータなのです。注力すべき要素を見つけ、人材定着へつなげるためにぜひレポートをダウンロードしてみてください。
ランスタッド「ワークモニター2025 パルス調査~働き手が譲れること、譲れないこと~人材定着を促すギブアンドテイク」の注目ポイント
新たな重要キーワード、エンプロイアビリティとは?
|
「ワークモニター2025 パルス調査」によると、働き手は「リモートワーク」や「面白い仕事」よりも「エンプロイアビリティの維持」を優先するという結果が出ています。
エンプロイアビリティとは、個人が雇用されるために必要な能力や、雇用され続けるために必要な能力のこと。企業が働き手に求める能力、つまり「雇われる力」を指し、転職やキャリアアップを目指す上で重要な概念でもあります。
具体的には、専門知識やスキル、コミュニケーション能力、問題解決能力、チームワーク、柔軟性など、幅広い能力がエンプロイアビリティに含まれています。つまりこの調査結果は「仕事ができる自分であり続ける」ことが重視されていることを示しています。
こうした傾向から、従業員一人ひとりの市場価値を高める取り組みが、結果として企業の魅力や競争力向上にもつながることが見えてきます。
なお、日本の働き手の66%が「エンプロイアビリティの維持」を「エキサイティングな仕事」よりも重視しており、これは他国と比べても高い水準です。この結果からも、日本では長期的な雇用の安定やスキルの持続的な向上に対する意識が特に強いことがうかがえます。
このような傾向を踏まえると、企業に求められているのは「自社の仕事のやり方を教える」教育だけでなく、どこへ行っても通用するスキルの開発やキャリア支援なのです。
「どこでも通用するスキルを与えたら、他社へ行ってしまうのでは」と人材流出を恐れてしまうかもしれません。しかし、働き手は自分自身の成長を支えてくれる環境がある企業にこそ価値を見出し、長く働きたいと考える傾向にあることが、調査によって示唆されています。むしろ積極的にこうした支援に取り組むことが、人材定着へとつながっていくでしょう。
働き手は「給与」と「ストレスの軽さ」どちらを選ぶ?
|
同調査では、働き手が「給料」よりも「ストレス軽減」や「時間的な自由」、「休日の多さ」を選ぶという結果も出ています。
生活コストが比較的低いと見られる若い世代に顕著な傾向ではあるものの、子育て世代と言われるX世代や、親の介護などを担っていると見られる団塊世代でも30%を超えていて、ひと昔前に多かった「家族を養うため懸命に働く」といったケースが、もはや圧倒的な多数派ではなくなってきている様子が窺えます。
制限事項が多すぎるリモートワークなど「会社のやり方に従業員を従わせる」考え方をリセットし、ワークライフバランスに配慮した休暇制度や、より柔軟な勤務形態などを取り入れることが、課題解決の糸口になるかもしれません。
働き手に「この会社であと5年は働きたい」と思ってもらうには?
![]() |
同調査では、働き手が「現在の職務に今後5年間留まる可能性を高める主な要因」として、「年次昇給」に迫る勢いで「管理職のサポート」や「組織との価値観の一致」を重視していることが分かります。
管理職のサポートや価値観の一致は、先に挙げられたエンプロイアビリティ維持やストレス軽減などの「優先したいこと」を叶えるために重要な要素でもあります。
単に「○○だったらいいな」といった目先の選択に留まらず、働き方やキャリアコースについて系統立てて考えられている様子が窺えます。もちろん企業側にも、こうした考え方に応えるための管理職研修や、企業ビジョンの浸透といった施策が求められるでしょう。
より具体的に「働き手が譲れること、譲れないこと」をつかむために
ダウンロード資料にはほかにも、フルタイムでのオフィス復帰への交換条件や、国別・世代別のデータなど、今知っておきたい働き手についての情報が収録されています。働き手がキャリアにおいて何を優先し、何を譲歩できるのか。雇用者と働き手との密な連携と対話の重要性を、この調査結果が示しているのです。
ぜひレポートをダウンロードして、自社にとっての「今、最も注力するべき要素」を探り、人材定着へつなげてください。