国際女性デーに「#BreakTheBias」を実践するには? インクルーシブな文化を作るための4つの実用的ヒント

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女性は男性よりも大きな打撃

ストレスに満ちたこの2年間、私は、仕事と家族を抱え、その両方の要求に応えようと綱渡りの生活を送る多くの女性たちを目にしました。労働市場から追い出された女性もいれば、家族が自分を必要としているからという理由でプロフェッショナルとしての夢をあきらめた女性もいました。同じような苦労をくぐり抜けてきた一人の人間として、これほど多くの女性たちが苦しんでいる姿を見るのは胸が張り裂ける思いでした。

COVID-19がパンデミックからエピデミックに移行し、身近な問題になればなるほど、COVID-19前の生活に戻るのは難しくなっていくでしょう。各国が制限を緩和し、国境を開放し始めていますが、世界規模の危機の余波はあらゆる地域の人々に及んでいます。特にこの2年間、女性は男性よりも大きな打撃を受けました。

 

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これまで以上の努力を

今年の国際女性デーに当たり、ビジネスリーダーや社会のリーダーは、女性たちがこのパンデミックによって失った勢いを取り戻せるよう、これまで以上に努力し、リソースを注がなければなりません。たとえば、働く女性の数はCOVID-19前までは増えていましたが、2020年には減少に転じています※1

今回のパンデミックにより、世界中の労働市場で女性の参加が減っただけでなく、女性労働者の 収入も数十億円規模で減少しました※2私たちはこの状況を速やかに改善するため、働く女性を支えなくてはなりません。女性の労働市場への参加を促すだけでなく、女性のプロフェッショナルとしての夢の実現や成長を阻む壁を取り除く努力が必要です。

今年の国際女性デーは「#BreakTheBias」(バイアスを打ち破る)をテーマに、女性たちの達成を祝い、バイアスへの注意を喚起し、ジェンダー平等の実現に向けて行動を起こすことを目指しています。職場やコミュニティにおけるバイアスを排除することにより、女性だけでなくすべての人々に職場での平等な機会と、自身のキャリアを自身でコントロールする力を与えることができます。

 

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世界危機により最も大きな打撃を受けたもの

この2年間に起きたことを見ていくと、現時点でこうした取り組みを倍にすることが非常に大切であることがわかります。 

最初に世界危機により最も大きな打撃を受けたのは、ホスピタリティ、旅行、小売など、特に女性労働者の割合が多い業界でした。そのため、多くの女性が仕事も収入も失うことになりました。さらに、さまざまな制限の結果としてオフィスだけでなく学校や保育園、その他多くの施設が閉鎖されたことにより、女性は家庭のプライマリケアプロバイダーとして新たな重荷を背負うことになりました。そして「Great Resignation(大量自主退職時代)」が到来すると、多くの女性が子どもや家族の面倒を見るために退職を余儀なくされたのです。家庭や職場での責任が増えたことでバーンアウト(燃え尽き症候群)に見舞われた女性もいました。CNBCの報道※3によると、女性の退職率は男性を上回っています。 

 

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模範を示すランスタッド

企業は女性のキャリアを妨げるバイアスを打ち砕くため、率先して模範を示す必要があります。そのためには、女性が仕事や昇進に際して男性と同じ機会を得られるようにし、追跡しやすい基準を使用してその変化を明らかにすることが大切です。ランスタッドはこうした原則に基づく実践を続けてきました。国連の「女性のエンパワーメント原則」に対する最高経営責任者(CEO)による支持声明書にも署名し、女性従業員の教育研修、能力開発および昇進を目的にしたさまざまな取り組みを進めています。

米国では、女性のキャリア構築を支援するビジネスリソースグループとして「Women in Randstad Empowering Development(WIRED)」プログラムを設立しました。今年の国際女性デーにはこの活動を米国以外に広げ、女性が社会とのつながりを作り、より多くの機会を得ることでプロフェッショナルとしての目標を達成できるよう支援するグループを立ち上げる計画です。

またランスタッドはシンガポールで、恵まれない女性のための機会創出と経済的自立の支援、さらにその家族の社会的流動性の向上に取り組む団体、Daughters of Tomorrow※4のパートナー企業になっています。ここでは多くの人たちが夢をかなえられるよう、一連の支援とトレーニングを提供しています。

ランスタッドの女性労働者支援の実践※5は、社内でのパリティ改善にもつながりました。たとえば2021年には、シニアマネジメント職に占める女性の割合を50%にすることができました。       

 

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壁を壊す4つの方法

女性が職場において能力を十分に発揮し、同時に自分らしくありたいと望んでも、実際にはそれを阻む壁が存在します。こうした壁を打ち破る努力は今も求められています。女性が前に進み続けるために、雇用主は何ができるのでしょうか。私は、すべての雇用主は以下の4領域に重点的に投資すべきだと考えています。

 

  • 女性に優れたキャリア・インサイトを提供する

まず、膨大なデータを女性労働者と雇用者のために活用しましょう。キャリアパスを細かく追跡し、昇進のためのスキル教育のニーズを特定し、適切な研修内容について助言します。しかしデータの使い道は女性のキャリア開発だけではありません。データを活用すれば、雇用プロセスにおけるバイアス、賃金の不平等、雇用の傾向を見つけることができます 



  • キャリアアップの機会を作るためスキル教育を強化する

機動性の高いマイクロラーニングにより、女性の研修や能力開発を加速させることができます。柔軟な時間の使い方が必要な女性にとって、小さい単位で、かつ自分のペースで学べることは、従来型のスキル教育に比べて大きなメリットがあります。企業は、女性が技術的スキルに加え、優秀なマネージャーや優れたリーダーになるために不可欠なソフトスキルを身に着けられるよう、重点的な支援を行わなければなりません。ランスタッドは、外国語コースからリーダーシップ開発ワークショップまでの多様な研修を提供し、女性がキャリアのあらゆる段階で学べるようにしています。


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  • すべての人が対等な立場で働ける職場を作る

最近では、雇用プロセスにおけるあからさまなバイアスや無意識のバイアスを最小化するためにAIを活用する企業が増えています。また業界も、最良の人材を選べるよう、AIテクノロジーの有効活用を模索しています。面接時の採点と自然言語処理の自動化により、候補者の性別や経歴など、スキルとは無関係の特性に惑わされずに人材を選ぶことが可能になります。ぜひ検討してみてください。


  • ツールを活用して女性の声を聴く

最後に、調査やエンゲージメントプラットフォームを利用し、女性に発言の機会を提供しましょう。ランスタッドにおいて特に効果的だったのは、定期的な調査を通じて従業員のエンゲージメントを確保し、満足度を高める方法でした。最も厳しいロックダウンが実施されていたとき、ランスタッドは毎週のように従業員アンケートを行い、リモートで働く人たちがランスタッドからのサポートを実感できるようにするとともに、リモートワークに必要なリソースを提供しました。そしてアンケートのフィードバックに基づいて支援プログラムを修正し、女性従業員から指摘された問題に取り組んだのです。従業員の福利厚生を定期的に評価することは、あらゆる企業にメリットを及ぼします。

 

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女性、特に子育てに忙しい女性ができることについては根強い固定観念があります。こうした固定観念を乗り越えることは、女性だけでなくすべての人にとって、これまでにも増して重要になっています。私は今年の国際女性デー、#BreaktheBiasに組織のリーダーとして、共に働く仲間たちの有能さや献身ぶりを、新たな視点から見直すことにします。そして、その人たちのプロフェッショナルとしてのコミットメントや目標に注目し、先入観によるイメージを捨てたく思います。また、自分の周囲のすべての人に、一緒に行動するよう呼び掛けていきます。

 

COVID-19により生活やキャリアを破壊された女性労働者を支援する方法は数多くあります。今年の国際女性デーには、こうした支援を始めてみましょう。ここで行動しなければ、私たちは共に働いてきた仲間を永遠に失ってしまうかもしれません。しかし今、行動を起こせば、女性たちがパンデミック前に着々と積み重ねてきたものを、再び取り戻すことができるでしょう。

 
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執筆者について

レベッカ・ヘンダーソン
ランスタッドグローバルビジネス担当 CEO兼取締役員
rebecca henderson
ceo, randstad global businesses and executive board member

※本記事は、ランスタッド本社配信の記事を再編集の上掲載しています

 

[参考]

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