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ハイブリッドな職場環境を作るための注意点
COVID-19の影響が落ち着き始めた今、雇用主も従業員も、パンデミック後の市場での仕事という新たな変化に備えています。多くの企業は、パンデミック時のリモートワークモデルを継続するか、すべての従業員をフルタイムの出社型に戻すか、あるいはリモートワークと出社型の両方の選択肢を提供する新しいハイブリッド勤務モデルを開発するかという判断に悩んでいます。
ランスタッドの調査によると、従業員はフルタイムのリモートワークに終止符を打ちたいと考えているようです。ランスタッド・ワークモニター調査によると、世界の労働者の78%※1が少なくともパートタイムで職場に戻る準備ができています。しかし、これらの従業員の中には、フルタイムで復帰する準備ができていない人もいます。実際、3人に1人の従業員は、ハイブリッドワークモデル※2が最も理想的な勤務形態であると考えており、約4人に1人はフレキシブルな勤務時間を望んでいます。
これらの統計を考慮すると、マイクロソフト、グーグル、ランスタッド・グローバル、フォード・モーターズなどの大手企業がすでにハイブリッド・ワークに投資していることは驚くべきことではありません。
ハイブリッド・ワークモデルとは何か、そしてそれはあなたの会社でも通用するのか。ハイブリッド・ワークモデルについての詳しい情報と、生産性の高いハイブリッド・ワークプレイスを作るためのヒントをご紹介します。
ハイブリッド・ワークモデルとは?
ハイブリッドワークモデルとは、出社勤務とリモートワークの両方の要素を取り入れた出勤形態です。その方法は2つあります。最も一般的な方法は、従業員が自宅で仕事をする日と、オフィスで仕事をする日があることを認める方法です。2つ目のハイブリッド・ワークモデルは、一部の従業員がリモートで働き、他の従業員は出社での勤務を維持しなければならないというものです。
ハイブリッド・ワークモデルを導入すると、以下のような大きなメリットがあります。
- 生産性の向上:当社の調査によると、34%の雇用主がリモートワーカーの生産性※3が向上したことを認めています。
- 従業員満足度の向上:追加調査によると、調査対象となった従業員の35%が、ハイブリッド・ワークモデル※4を理想的と考えています。
- 優秀な人材の確保:週に数日しかオフィスに出勤しないことで、仕事に柔軟性を求める人材や、毎日の通勤を嫌う人材を惹きつけることができます。
- 備えの強化:COVID-19の影響は収まりつつありますが、将来はまだ不透明です。ハイブリッドなワークモデルを維持することで、従業員は将来の職場の混乱に備えることができます。
ハイブリッド・ワークで「やるべきこと」と「やってはいけないこと」
ハイブリッドモデルの導入を検討している場合、最初から計画を立てておくことが重要です。そのために、ハイブリッドワークプレイスのベストプラクティスに関する「やるべきこと」と「やってはいけないこと」のリストを作成しました。
やるべきこと
やるべきこと① 従業員のニーズを理解する
世界中の従業員は、パンデミックを乗り越えるために、十分な努力を行っています。徐々に平常に戻りつつあるとはいえ、従業員の仕事や私生活に余計なストレスを与えているものも少なくありません。確かに、すべての従業員のニーズを満たす勤務形態を作ることはできませんが、従業員が直面している主な課題を把握することはできます。
従業員が抱えている課題を把握し、生産性と従業員の士気を高め、従業員が健康的なワークライフバランスを維持できるようなハイブリッドモデルを構築することは可能です。また、新しいワークモデルの成功と弱点を把握するために、従業員と頻繁に連絡を取り合い、必要に応じて調整することも重要です。
やるべきこと② 明確な期待値を設定する
調査によると、従業員はハイブリッドな働き方について、より詳細な説明を求めています。基本的に、彼らは自分たちに何が期待されているのかを知りたがっています。ランスタッド・ワークモニター※4の調査によると、27%の社員は勤務時間に関するより詳細なルールの提示を求め、24%はリモートワークと出社勤務の両方に関わる社内ルールの提示を求めています。
ハイブリッドワークのための新しいルールを策定する際に、常に明確で簡潔でなければなりません。従業員は自宅でもオフィスでも自分の責任(勤務時間、コミュニケーションの義務など)を理解する必要があります。また従業員はパフォーマンスがどのように評価されるのか、様々な問題が発生した場合に誰に連絡すればいいのかを正確に把握しておく必要があります。
やるべきこと③ コミュニケーションツールに投資する
コミュニケーションは、ハイブリッドワークモデルの最大の課題のひとつです。しかし、出社勤務者とリモートワーカーの両方が最新の情報を得て、同じ見解を持っていることを確認することは不可欠です。そうしないと、ミスコミュニケーションによる企業の評判低下のリスクがあります。
パンデミック以降、従業員が遠隔地にいる場合はすでに複数のコミュニケーション問題に直面していることでしょう。幸いなことに、近年のテクノロジーの進歩により、膨大な数のコミュニケーションツールが開発されています。そこで、自社のコミュニケーションの問題点を洗い出し、その問題点を解決するための代替手段を模索します。そして、その問題を解決するために、代替となるコミュニケーション手段を探しましょう。
やるべきこと④ オフィス環境の再構築
新しいワークモデルには新しい働き方が伴い、それに伴って新しい職場環境が必要になる場合があります。社員が自宅とオフィスでどのように働くかを考えてみましょう。出社勤務での仕事の日はチームビルディング、コラボレーション、ミーティング、ブレインストーミングセッション、トレーニングなどに重点を置くべきです。このようなタイプのミーティングを行うためのスペースを確保することは、会社がハイブリッドモデルに移行する際に非常に重要になります。
これは高額な投資をして改築したり、新しい場所に移転する必要があるということではありません。ただ、ワークプレイスを再構築する必要があるということです。例えば、従業員の勤務日が異なる場合は、共有オフィスを作り、他のオフィスをミーティングルームに変更することができるかもしれません。
やるべきこと⑤ 安全を優先する
社員は職場に戻る準備ができているかもしれませんが、不安がないわけではありません。職場復帰に不安を感じている人のうち、45%がCOVID-19※5の安全性への懸念を主な原因としています。雇用主は、パンデミック後の安全な職場を作るための対策を講じることで、この不安を解消することができます。
マスクや手指消毒剤などの安全ツールの提供、COVID-19検査の実施、社会的な距離の取り方の促進、柔軟なスケジュール管理などは、従業員が職場で安心して働けるようにするのに役立ちます。
やってはいけないこと
やってはいけないこと① すべての意思決定を従業員に委ねる
自宅で仕事をしたい日と職場に行きたい日を、それぞれの社員に決めてもらうのは理想的なモデルのように思えるかもしれません。しかし、そのような社員が同僚と独立して仕事をしているのでなければ、このような配置はいくつかの問題※6を引き起こす可能性があります。
まず、ほとんどの社員は月曜と金曜に自宅で仕事をすることを選択します。そのため、1日に職場にいる人数を減らすことを目標としている場合、これは大きな課題となります。第二に、もしチームメンバーが別の日に休みをとっていたら、イノベーションや創造性、チームビルディングを高めるために職場を利用することはできません。
より良いハイブリッドワークモデルはチームリーダーと社員が一緒にリモートワークのルールに乗っ取った指針を設定することです。時間にある程度の柔軟性を持たせることはできますが、リモートモデルはチーム、部門、会社レベルでスケジュールを設定するのが最も効果的です。
やってはいけないこと② 永続的な意思決定を急がない
ハイブリッドワークモデルの構築には時間がかかることを最初から理解しておくことが重要です。今日導入したポリシーは、数週間から数ヶ月の間に変更しなければならない可能性が高くなります。実際、あなたの会社にとって理想的なハイブリッド・ワーク環境を構築するには、最終的に数年かかるかもしれません。新しいビジネスプロセスを導入する際には、このような変化が起こるものです。
この新しい業務調整が永久的なものであると約束してしまうことは避けてください。その代わりに、ハイブリッドモデルの調整は進行中であり、会社は定期的にその効果を評価し、必要に応じて変更を加えることを従業員に伝えてください。
やってはいけないこと③ 「我々vs彼ら」の構図になる事
ハイブリッド型のワークモデルですぐに起こりうるもう一つの問題は、「我々対彼ら」という考え方が生まれてしまうことです。この問題は、ある社員が出社勤務でフルタイムで働き、他の社員がリモートで働く、あるいはハイブリッドで働く場合に特に問題となります。多くの従業員は出社して働くことに慣れているため、リモートの同僚がすべての会話を聞いていたり、職場で起こっている出来事を知っていたりするわけではないことを忘れてしまうことがあります。
すべての従業員が常に最新の情報を入手し、必要なときに必要な資料にアクセスできるようにするためには、施策を講じることが不可欠です。例えば、現場のチームリーダーは、その日の重要な情報をまとめた「終業メモ」を毎日作成することができます。このように情報の伝達に責任を持てば、現場の従業員はすべての関連情報を共有するように努力します。
やってはいけないこと④ デジタル過多にならない
デジタルバーンアウトは、生産性に影響を与える可能性があります。マイクロソフトが最近行った調査によると、チームミーティングの数は2020年から2021年にかけて倍増し、ミーティングの長さも2020年のわずか10分から2021年には平均35~45分と3倍以上になっています。また、毎日送信されるチャットメッセージや電子メールの数も急増しています。
リモートワークが効果的な現実となるためには、雇用主はこの課題に正面から向き合う必要があります。ストレスを軽減するための戦術としては、以下のようなものがあります。
- 必要な人だけが会議に参加できるように、会議の前にアジェンダを送ることをリーダーに勧める
- 気を散らさずに仕事ができるように、仕事をしてはいけない時間帯を設ける
- 誰に、何のためにメールを送るのか、より慎重になるよう従業員に促す
やってはいけないこと④ 仕事ばかりになる
「よく学びよく遊べ」といいますが、これには多くの真実が含まれています。研究によると、1日のうちに休憩を取らないと、思考停止※6に陥り、イノベーションの妨げになるそうです。他の研究では、休憩を取っている労働者は取っていない労働者よりも生産性が高い傾向にあることが明らかになっています。
さらに、27%の従業員が、リモートワークの主な課題は孤独感※7であると答えています。出社勤務とリモートワーカーの両方のために自由に意見を書き込める掲示板などを設置することで、この孤独感を和らげ、同時に創造性を引き出すことができます。またオンラインでのバーチャルコーヒーブレイク、ランチタイムのトリビアゲーム、さらには時間外のバーチャルハッピーアワーなど、休憩時間を設けることを検討してみてはいかがでしょうか。
まとめ
- 世界の労働人口の78%が、少なくともパートタイムで職場に戻る※8準備ができている
- 3人に1人以上の社員がハイブリッド※9な働き方を望んでいる
- 調査対象となった従業員の54%※10は、すでにハイブリッド・ワーク・スケジュールを認められている
- 従業員の24%※11が、出社勤務・リモートワークに関するより厳格なポリシーを求めている
- コラボレーションとCOVIDセーフティーを促進する新しい職場環境の構築が必要
- デジタルタッチポイントを制限した有意義な職場環境を構築することで、デジタルバーンアウトを防ぐことができる。
ハイブリッドワーク環境における従業員のエンゲージメントを向上させるため、ぜひランスタッドへご相談ください。