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派遣社員は“定着しない・高コスト”は都市伝説?人事担当者によくある誤解と定着率改善の方法
経済活動が再び活発化しはじめた今、業績の立て直しと生き残りを賭け、事業を加速させようという企業が増えています。先を見据えた企業の動きにより人材市場も活況を取り戻し、すでに人材は奪い合いの様相を呈している状況です。とはいえ予測不可能なこの時代、人手不足を認識しながらも正規雇用をためらっている企業が多くあることも事実です。
そんな中で注目が高まっているのが、パートタイム社員や派遣社員。過不足なく、必要十分なコストで人的リソースを確保できる雇用形態ということが、その理由です。一方で、「パートタイマーは定着率が低い」「派遣社員はすぐ辞める」「派遣はコストがかかる」といったイメージを抱いている人事担当者も少なくありません。しかしそれは、誤解や思い込みによる部分も少なからずあるようです。
なぜ「派遣社員は離職率・コストが高い」という都市伝説が生まれたのでしょうか。それは、多くの人事担当者が直面する課題とその背景に理由があるようです。実際にランスタッドにご依頼いただき定着率が改善した企業の実例から、その真相と派遣社員を定着させる方法を解説します。
事例1:自社採用パートタイマーにこだわる有名メーカーでの連続離職
採用数を増やしても3年以内に7割が離職
女性をターゲットとした商品を手掛けるあるメーカーでは、パートタイム社員の離職率の高さに頭を抱えていました。実に7割のパートタイマーが3年以内に離職してしまうという状況。採用を増やすために人事担当者の労働時間も増加し、現場は疲弊していたのです。
このメーカーでは、かつて人材サービス会社を利用していたものの、うまくいかずに自社採用に切り替えていたという過去がありました。人材サービス会社への不満としてあったのが、「自社の希望に合う人材を紹介してもらえなかった」という点。さらに、複数の人材サービス会社を並行して利用していたため、管理が煩雑になり負担が大きくなってしまったという理由もありました。
華やかな業界イメージ先行で生じた入職前後のイメージギャップ
ランスタッドのコンサルタントにご相談いただき、定着しない理由はどこにあるのかを探ります。すると原因は、入社前後のイメージギャップにあると行き当たりました。
このメーカーはCMなどで名の知れた有名企業。華やかなブランドイメージを先行した採用活動を展開することで、募集時に人を集めることができていました。しかし実際に仕事をはじめると、その業務内容は華やかなブランドイメージとは異なる地道な作業を行うポジションでした。そのギャップが定着を妨げていたのです。
第三者によるフラットな事前説明でミスマッチを防ぐ
企業の人事担当者による採用活動では、自社のネガティブ要素を十分に伝えられていないケースが往々にしてあります。しかしそれで採用することができても、入社後に「思っていたのと違う」と早期離職につながってしまうのです。
企業の良い面・悪い面も含めてフラットに求職者に説明するためには、企業と求職者の間に第三者である人材サービス会社が入るという方法が有効です。求職者側にとっても、企業の採用担当者には直接聞きづらいことでも、第三者である人材サービス会社のコンサルタントには率直に質問できるということもあります。
実際にこちらのメーカーでは、自社採用のパートタイマーをランスタッドの派遣社員に切り替えたことで、入職前後のイメージギャップを生じさせることなく定着率の改善に成功しました。
事例2:「できる人材が集まらない」「採用してもすぐ辞める」悪循環
期待の人材が早期離職する理由は?
ある企業では、経験者の中途採用と早期離職を繰り返していました。そもそも現場が期待するスキルレベルを持つ人材は、募集をかけてもなかなか集まりません。しかもやっと採用するに至っても、なぜか定着につながらず、すぐに辞めるという悪循環に陥っていたのです。
現場が求める人材と人事担当者の認識ギャップ
この企業では「人材サービス会社はコストが高い」というイメージを持たれていましたが、悪循環を断ち切るためにランスタッドにご相談いただきました。現実として、スタッフの自社採用・離職を何度も繰り返すよりも、派遣社員を採用して長期的に定着させた方が、コストを低く抑えることができます。
コンサルタントがヒアリングをしたところ、即戦力を求める現場は採用期待値が高く、人事担当者の認識とのズレが生じていることが分かりました。採用活動が難航する原因は、現場と人事の認識ギャップにあったのです。
人材市場のリアルと現場の認識合わせ
ランスタッドのコンサルタントが現場担当者と人事担当者の間に入ることで、人材市場の現状踏まえた相場感や労働条件を現場に説明。育成担当者も交えてヒアリングし、求める理想の人材像に対する現場と人事担当者のギャップを解消していきました。
現実的な相場感と釣り合わない現場のリクエストや人事との感覚・認識を調整していくことで、地に足の着いた採用活動となり、採用難の状況を脱することができるケースがあります。また、採用される側としても、入社後にスキルミスマッチや過度な期待を感じることなく働くことができ、早期に辞めるのを防いで定着率を向上させることができるのです。
事例3:パートタイマーの離職と採用難が招くコスト増
派遣会社と派遣社員に対する先入観
ある企業の人事担当者は、“派遣”に対してネガティブなイメージを抱いていました。それは「必要な時すぐに採用できない」「採用しても定着せずにすぐ辞める」「パート採用よりも費用がかかる」といったもの。そういった先入観から、それまで派遣社員を活用したことがなかったそうです。
しかし、自社でパートタイマーを採用しても定着せず、近年は募集をかけても応募自体が少なく採用が難航するという状況。そこでランスタッドにご相談いただきました。
早期離職の繰り返しで重くのしかかる採用コスト
コンサルタントがパートタイマーの早期離職の原因を探ると、入職後に「自分に合わない」「職場に馴染めない」とミスマッチを感じて辞めるケースが多々ありました。
また、離職率が高く採用しても定着しないため、採用コストを回収できずに費用負担が大きくなっていることも分かりました。
ギャップを感じさせない・離職させないフォロー体制
派遣社員のフォローに定評があるランスタッド。入職前後でギャップが生じないよう、候補者には職場の雰囲気や業務を事前に丁寧に説明。実際に働きはじめてからも、こまめな声かけや定期的な面談、サーベイやヒアリングなどでフォローし、派遣社員の不安・不満の芽を積んでいます。
また、派遣社員の採用コストに関しては誤解が多くありますが、募集広告の掲載費は無料。採用が決まるまで費用が発生せず、経験値のあるコンサルタントが募集の掲載内容についても客観的にアドバイスいたします。総合的かつ長期的な観点で試算すると、自社採用よりもコストが抑えられるケースが多くあるのです。
派遣にまつわる都市伝説の実際
一般労働者とパートタイム労働者の離職率
厚生労働省が発表したデータによると、令和2年の派遣社員を含む「一般労働者」の離職率は10.7%。一方、「パートタイム労働者」の離職率は23.3%。一概に派遣社員の離職率が高いとは言えない数字です。
それでも派遣社員は定着しない、すぐ辞める、と思われている理由は、そもそも派遣社員は有期雇用契約が多いということもありそうです。そして残念ながら、事実として定着率の悪い派遣会社が存在している点も影響しているかもしれません。
企業に紹介する派遣社員の選抜や入職後のフォロー体制は、派遣会社により大きく差があります。登録スタッフと企業・業務の相性やスキルが合っているかどうかをしっかりと検討せずに入職させたり、入職後にスタッフが困っている・悩んでいることがある場合にサポートする体制がなかったり。
過去にそういった派遣会社を利用してしまったがために、人材サービス会社全体に対して良くない心象を抱いている人事担当者もいるようです。
派遣社員は本当にコストがかかるのか?
「派遣社員は高コスト」「派遣会社のマージンは高い」と感じている方も多いようです。おそらく自社採用の従業員に支払っている給与と派遣会社に支払う派遣料金を比較し、そう感じてしまうのでしょう。しかしそのイメージは実態とずれがあります。
一般社団法人日本人材派遣協会によると、派遣料金のうち派遣会社の営業利益となっているのはわずか1.2%。派遣会社や職種により割合は多少異なるものの、その大部分を派遣社員自身の賃金・社会保険料・有給休暇費用が占めています。
自社採用でかかるコストまでもインクルードされていることを考えると、派遣社員だから高コストという訳ではないのです。人事採用担当者が担っている採用活動や事務作業などの手間を派遣会社に任せられると考えれば、むしろコストメリットが大きいとさえ言えるでしょう。
派遣社員の実情と派遣会社の実力
派遣社員を採用したことがないまま、あるいは過去に利用した派遣会社で期待に沿わない成果しかなかったことから「派遣社員は定着率が悪い・高コストである」という印象を抱いていませんでしたか。それらは先入観や誤解による部分もあるかもしれません。
もし派遣社員の採用を選択肢として検討するなら、一度ランスタッドにご相談ください。ランスタッドは、工場や物流、製造や在宅まで、幅広い業種の人材派遣サービスを全国各地で行う世界最大の人材サービス会社。幅広い派遣形態や柔軟な対応で、それぞれの会社ごとに最適な人材プランをご提案いたします。
また、派遣社員にとどまらず、人材についての多様なお悩みごと・課題も是非ランスタッドへ。人材紹介やアウトソーシング、人事サービスなど、あらゆるソリューションを駆使し、真摯な対応で課題解決へと導きます。