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従業員を定着させるために人材サービス会社を上手く利用する効果的方法
従業員の定着に悩む人事担当者は多く、日々試行錯誤が繰り返されています。離職を防いで長期的な雇用につなげるために、有効な手法とは一体どういったものでしょう。
「従業員の定着に効果的な人材戦略」の記事では、企業文化をより良い方向へと変えるために効果的な下記3つの方法をご紹介いたしました。
- フレックスタイム制を導入する
- 教育研修制度を強化する
- 人材サービス会社のサポートを得る
今回の記事では、3つ目「人材サービス会社のサポートを得る」について掘り下げていきます。人材サービス会社を人材確保に限定して利用しているのであれば、十分に活用できているとは言えないかもしれません。人材サービス会社が何をどこまで支援してくれるのか、どこまでを任せられるのかをご紹介します。
【募集】入職後のミスマッチを避けるために人材会社に明確な情報を共有する
スキルのある人材や教育・研修を施した人材の流出を止めることが、人事コストを抑え生産性を向上させることは明らかです。
ではなぜ、人材が定着せずに退職しまうのでしょうか。その理由の一つに、「採用ミスマッチ」があります。採用時のミスマッチを防ぎ、定着につながる人材を確保するために必要なのは、人材サービス会社との以下のような連携です。
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詳細な業務内容と職場環境の情報共有
業務内容や求められるスキルはもちろんのこと、有期雇用の場合は長期なのか短期なのか、どのような職場環境・マネジメント方法でどういった仕事の進め方をしているのか、どんな人が向いているのかも共有します。求めている期待値は、できる限り数値などで明確に伝えるとよいでしょう。
例えば製造がメイン担当の場合、製造部品をセットして、どのタイミングまでにどれくらいの達成度が必要かなどを確認。「このくらいの期間で何個」といった具体的な目標値を、あらかじめ人材会社に共有し候補者に伝えてもらうように依頼しておきます。
実際にその現場で働いている従業員のスタッフインタビューなどを通じ、職場環境をアピールしたり、写真や動画を撮影して作業をイメージできるようにしたりすると、募集時の安心材料につながります。機械や器具を使う業務であれば、採用前に実際に触ってもらうのもよいでしょう。
また、匂いや音など、職場環境で考慮しなければいけない点があれば、事前に伝えておくこともミスマッチを減らすポイントとなります。
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理想の条件と最低ラインを伝えておく
新規採用にあたり、「あると嬉しい」理想の条件と「ここだけは妥協できない」という最低ラインは、明確に人材サービス会社に伝えましょう。履歴書上で優秀に見える人材でも、いざ採用するとパフォーマンスが伴わないというケースは多くあります。経験豊富な人材サービス会社のコンサルタントであれば、膨大な求職者リストの中からマッチする人材を提案してくれることでしょう。
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入社後の教育体制を伝える
優秀な人材ほど、困った時に聞ける人がいるか、教育体制がしっかりしているか、キャリアアップの機会があるかという情報に敏感です。入社後の教育体制やオンボーディングについて、求職者が安心・信頼できる情報を人材サービス会社に共有しましょう。
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離職理由を共有し戦略的に離職率を下げる
なぜ従業員が離職するのか、その理由を人材サービス会社と共有し、どうすれば離職率を下げられるのか、協力して戦略的に取り組んでいきます。本当の離職理由は何か、継続の障壁となっている課題はどこにあるのか。それらを明確にして課題を乗り越えることが、従業員の定着へとつながります。
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デジタルツールを活用して、自社のイメージを掴んでもらう
人材会社から求職者への情報提供をより充実させ、仕事の雰囲気や、具体的な仕事内容をよりイメージしやすくするために、例えば360°VRを使用して会社案内のような動画を準備して人材会社に提供しておくことで、求職者の視覚に触れ、職場の雰囲気をバーチャルに体験でき、求職者自身は働くイメージがより掴みやすくなります。
【入社後のフォロー】人材サービス会社に定期的なスタッフのフォローを依頼
従業員を定着させるためには、入社後のフォローが非常に重要です。採用決定後・入社後のフォローが手薄な人材サービス会社と付き合いたい企業はいないでしょう。入社後も、人材サービス会社のコンサルタントを上手に活用して長期雇用につなげていきましょう。
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入社後の定期的なフォローで離職の芽を摘む
定期的な面談やフォローにより、従業員が困っていることや抱えている不安・不満などを早めに顕在化できれば、話し合いや改善で離職の芽を摘むことができます。上司には直接言いづらいことも、第三者である人材サービス会社のコンサルタントには話しやすい場合も。派遣社員であれば入社後にどの程度のフォローをしてもらえるのか、面談は1カ月に1回なのか2週間に1回なのか。人材サービス会社を選ぶ際には、入社後のサポート体制について確認しておきましょう。
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従業員サーベイやフィードバックで定着率向上を目指す
職場の働き方に関する満足度調査や従業員サーベイを実施し、その結果や面談でのヒアリングから改善点を洗い出します。客観的な職場の満足度評価を設け、働きやすさの指標を持つことにより自社の現状を見える化。どのように課題解決をしていくのかを人材サービス会社と共に検討し、協力して定着率向上を目指していきましょう。
企業と従業員ともに口頭だけのやり取りではなく、数値化してフィードバックしたり、職場改善に向けた取り組みを行ったりすることは非常に効果的です。派遣スタッフにスキルギャップやマイナスの評価がある場合は、第三者である人材サービス会社を介してフィードバックしてもらい、フォローしてもらいましょう。
【入社後の教育】教育体制を整えキャリアアップの機会を設ける
定着につながるトレーニングを入社後に提供している人材サービス会社もあります。
それと同時に社内の教育体制を整え、不慣れな従業員を孤独にさせないサポート体制を構築。客観的かつ透明性の高い評価制度を作成して周知しキャリアアップを促すことも、優秀な人材のモチベーション向上と定着につながります。
現状の課題に合わせて、どの様な教育体制を整えていくべきかを人材会社と共に検討し、教育内容を提案をしてもらうことも可能です。
【中長期的な定着への取り組み】中長期的な人材戦略を人材サービス会社と共に立案する
従業員の採用・定着に成功している企業には、人材サービス会社と共に立案・実行した中長期的な人材戦略が功を奏している事例が多く見受けられます。人材サービス会社を上手に利用するためには、次の3つのポイントを押さえるとよいでしょう。
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年間計画と人員構成の最適化
繁忙期のスポット的な増員など、年間の採用計画を事前に人材サービス会社に共有することで、募集・採用をスムーズに行うことができます。人材サービス会社はその採用計画に合わせた採用戦略・広告戦略が立てやすくなり、人員確保のための投資が円滑かつ効果的に。派遣社員の構成割合が多い職場や、繁忙期に大幅増員が必要となる職場では、特に大きな効果が期待できるでしょう。
また、長期派遣・短期派遣・スポット派遣(日雇い)といった雇用期間に応じて、業務ポジションを最適化することも重要です。長期間にわたり習熟していく必要のある業務を長期派遣に、シーズナル業務・やや習熟が難しい業務を短期派遣に、習熟度が生産性にあまり影響を与えない業務をスポット派遣に。
このように最適化して割り振ることで、従業員の大部分が派遣社員だったとしても、効率的に人材を活用することが可能となります。計画が完全に決定していない場合でも予定を共有しておくと準備を進めておいてもらえるかもしれません。
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定着支援のための取り組み
長期的に働き続ける従業員を採用するためには、企業と人材サービス会社とが定着率向上のために協力して取り組むことが欠かせません。多様化する働き方にどう対応するのか、働きやすい職場環境をどのように整えるのか。定例会議などで定期的に現場の課題を共有し、共通目標を設定して実施可能な施策を検討していきます。
職場によっては、リーダー人材を含めたユニット派遣も有効です。従業員を個別に採用するのではなく、はじめから派遣社員で構成されたチームを採用するユニット派遣。ユニットが組織として機能することで、課題の早期発見・解決がしやすくなります。
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コンプライアンスへの対応
労働法制は近年頻繁に修正がなされ、派遣法は3年ごとの改正が条文に記載されています。法令を遵守した現場運営の難易度は年々上昇し、管理は複雑化。企業と人材サービス会社双方において、法務部・管理部の存在感が増しています。
コンプライアンスに対して高い意識があるのか、法改正にスピーディーに対応しているのかも、「中長期的なパートナー」として人材サービス会社を選定する際の大切な指標となるでしょう。
定着のための人材サービス会社活用法・まとめ
募集時と入社後のそれぞれのフェーズにおいて、従業員の定着率改善のために人材サービス会社を上手く活用する方法をご紹介いたしました。人材サービス会社とは、中長期的なパートナーとして信頼関係を構築できるかどうかが、採用・定着を成功させる大きなポイントとなります。当事者として共に考え、共に取り組むことができる人材サービス会社を見極め、相談してみるのがよいでしょう。