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企業におけるジェンダーダイバーシティと女性の活躍推進や女性の能力開花、そのエンパワーメント
多くの企業がジェンダーダイバーシティの推進に前向きに取り組んできた一方で、積極的な手だてを講じる余地は今なお残っています。フォーチュン500企業のうち女性がトップを務める企業はわずか41社(※1)、ビジネス界における真の平等の実現がまだまだ先の話であることを意味します。
その一方で、人材のダイバーシティ&インクルージョンの推進にぜひとも乗り出したいが、どう取り組んでよいかわからない、あるいはなぜそれほど重要視すべきなのかわからない、結局のところ、パフォーマンスはジェンダーではなくその人の問題では?というのが多くの企業の実状です。
それならば、組織の女性比率を高めた場合にどうなるかを中心に、これからこの2つの問題についてご説明し、女性スタッフのエンパワーメント(能力開花)が組織と従業員全体にとって有益な選択肢になり得ることを証明します。
職場における女性のエンパワーメント(能力開花)はなぜ必要?
大半の人はパフォーマンスの点で男女は平等であり、どちらかの性別を除外することは人材プールを狭めるだけという意見に異議はないはずです。職場における女性のエンパワーメント(能力開花)は実際のところ、企業全体のパフォーマンス、魅力、士気、評判を高める優れた方法であり、どれが高まっても明らかなメリットがあります。
まず、ジェンダーダイバーシティが進んだ企業の方が、業績が高い傾向にあることが調査によって疑いの余地なく実証されています。マッキンゼー(※2)によると、ジェンダーダイバーシティが上位25%の企業は、業績が業界平均を上回る可能性が15%高く、反対に下位25%は競合他社に後れを取る割合が増えます。
この相関関係は人材全体に当てはまりますが、経営陣に至っては特に大きなインパクトがあります。英国では、経営陣のジェンダーダイバーシティが10%高まるごとにEBIT(利払前・税引前利益)が3.5%上昇するというデータが示されています。
ではなぜ女性のエンパワーメント(能力開花)が業績アップ(※3)につながるのでしょうか。
これにはさまざまな説があり、その一つは、女性は一般に非言語シグナルをキャッチするのが得意であるため、男性よりコミュニケーションが上手だからという考え方です。多様性のあるチームは多くの場合、それぞれの人生経験も多様であり、何かのプロジェクトに対して視点の幅が広がります。
女性のエンパワーメントにどう取り組むか
多様な人員構成が男性一辺倒よりも明らかに優れているとすれば、FTSE 100構成企業全体の経営層に占める女性の割合が3分の1に止まっている(※4)理由は何でしょうか? その一つに偏見があります。そうは言っても多くの採用マネージャーが、女性を一定数採用する″クオータ制″はフェアではないとして、釈然としない思いを抱いています。
これに対して、ある研究(※5)にトップから始める代替案が示されています。女性取締役がいる企業は幹部職の女性比率も高い傾向があり、さらにその下に将来の女性幹部候補者が採用される可能性が高まります。
これは女性が男性に反感を抱いているから、特別な意図をもって女性採用を優先しているからではありません。むしろ視点が多様化した結果と言えます。全員男性の採用チームは多様性のあるチームと同様には女性の強みに気付けないかもしれません。男性は一般に若干違うポイントを重要視するからです。
男性は自信や強い外見といった積極果敢な特性を型どおりに評価する一方で、女性は多くの場合、共感やコミュニケーションといったいわゆる「ソフトスキル」を重視します。一方のアプローチが他方より優れているということではなく、ですが多様性のある人材は幅広い強みがあり、弱点が少なくなると言うことができます。
経営陣を中心に、組織の女性活用を目指しましょう。これが企業の業績全体に寄与し、よってWin-Winの解決策であることは研究が証明しています。
※2 https://www.mckinsey.com/business-functions/organization/our-insights/why-diversity-matters