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[世界の女性活躍推進]人材におけるダイバーシティ&インクルージョン – 多彩な人材を活かすために
雇用主は職場のダイバーシティを考える必要性に迫られています。優秀な人材を集めるのはもちろん、現在の人材を失わないためにも重要な検討事項です。
女性人材の活用は、世界中のどの企業にとっても今なお難題です。調査によると、企業の3分の2で職階が上がるにつれ女性比率が下がっていきます(※1)。世界全体で見た場合、女性の賃金は男性より24%低く(※2)、失業率が高く、不安定な雇用形態に直面するリスクが高くなります。低賃金、低生産性、社会的保護のない非正規労働です。
こうした数字は残念であると同時に皮肉でもあります。クレディ・スイスが6年にわたって行った調査によると、取締役会に女性がいる企業はまったくいない企業よりも業績が26%高く、経営陣に女性が加わっていることがその組織にとって明確なメリットであることが実証されています。別の調査でも、ダイバーシティ&インクルージョンの視点が組織文化に組み込まれた(※3)企業は同質な組織よりも成長の可能性が45%高く、従業員が一層の働きをし、組織に定着する傾向があることがわかっています。
残念なことに、人材のジェンダーダイバーシティを実現(※4)することは数字ゲームのように簡単な話ではありません。義務にしろ、善意にしろ、クオータ制の導入には、実績ではなく性別によって採用、起用されたという印象を与えることによって平等を阻害するかもしれない懸念があります。また、これは女性に限った問題ではありません。高齢者、マイノリティ、若年者、障がい者、長期的失業者など、これまでレッテルを貼られていた集団はこのほかにもいます。
ではインクルーシブな成長を可能にするレシピとはどのようなものでしょうか。私たちは3つの要素を突き止めました。
雇用創出
今ある仕事を雇用に結び付けるための仕組みとして、派遣労働がよく用いられています。企業を対象にしたある調査によると、62%が派遣労働の選択肢がなければ新しい雇用創出は難しいと回答しています。多くが社内で解決策を見つけることになりますが、おそらくは多くの弱い立場の集団が雇用機会を得ることなく忘れ去られたままになります。
雇用の平等
国際労働機関(ILO)(※5)の報告書によると、労働者の60%以上が正式な雇用契約を結ぶことなく働いています。いわゆるシャドーエコノミーです。こうした人々を保障、平等、適正賃金、さらに重要な社会保障、教育研修、雇用の権利を特徴とするより良い雇用形態へと転換させる課題が残っています。
インクルージョン
派遣労働は、従来の無期契約を補う多様な雇用契約を提供することによって弱い立場の人々、特に家庭の用事を中心に仕事をする女性たちの労働参加を促します。例えばオランダでは派遣労働者の38%は弱者集団に属し、フィンランドでは66%が女性です。
派遣労働だけでダイバーシティ&インクルージョンの問題のすべてを解決できるとは誰も考えていません。ですが解決の一助にはなるはずです。ダイバーシティの実現によってシャドーエコノミーから労働者を助け出し、組織を支え、収益アップを目指しましょう。
参考