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【最新版】月200時間は適正?残業45時間の「上限」を正しく算出する方法
※本記事は2024年8月30日公開の内容に、2026年1月時点の最新情報を加えてアップデートしたものです。
労働時間には法律上の上限があり、それを超えると労働基準監督署の指導対象となります。特に「残業を含めて月200時間」という数字は一つの目安になりますが、これが常に「適正」とは限りません。本記事では、複雑な労働時間の計算方法と、最新の是正勧告事例を交えた注意点を解説します。
1. 労働時間の基本:用語の定義を正しく整理
まずは、計算の基礎となる用語を正しく理解しましょう。
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所定労働時間:会社が就業規則等で定めた、始業から終業までの時間から休憩を除いた時間。
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勤務時間:始業から終業までの拘束時間(休憩を含む)。
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法定労働時間:労働基準法が定める上限。原則「1日8時間・週40時間」です。
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実労働時間:実際に業務に従事した時間。この実労働時間が「法定労働時間」を超えた分が、いわゆる「残業(時間外労働)」となります。
法定労働時間を超えて働かせるには、労働基準法第36条に基づく労使協定、いわゆる「36(サブロク)協定」の締結と届出が不可欠です。
2. 「月平均所定労働時間」の算出
残業代単価(1時間あたりの賃金)を算出するために必要な指標です。月によって営業日数が異なるため、1年間を通じた平均値を用います。
| 【計算式】 月平均所定労働時間 =(365日 - 年間休日)× 1日の所定労働時間 ÷ 12カ月 |
(例:年間休日120日、1日8時間労働の場合、月平均は163.3時間となります。)
3. 「月200時間」が目安とされる理由と落とし穴
なぜ「月200時間」という数字が適正範囲の目安とされるのでしょうか。
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算出の根拠:月の法定労働時間は、概算で「週40時間 × 約4.34週 ≒ 約173時間(※365日の場合)」です。
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残業の上限:36協定で延長できる時間は、原則として月45時間(年360時間)です。
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合計:160〜170時間(法定) + 45時間(残業) ≒ 約205〜215時間。これが、一般的な「上限規制」の枠内とされる理由です。
【注意!】「毎月45時間」は認められません
年間の残業上限は360時間です。そのため、月45時間の残業ができるのは年間で最大6カ月まで(※特別条項がない場合)です。常に月200時間を超えるペースで働かせていると、年度の途中で残業ができなくなる「360時間の壁」に突き当たる恐れがあります。
4. 【2025年最新データ】長時間労働の是正指導の実態
厚生労働省が2025年に公表した「令和6年度の監督指導結果」によると、長時間労働が疑われる事業場において、依然として深刻な実態が明らかになっています。
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指導の実績:監督指導が行われた事業場の約4割以上で違法な時間外労働を確認。
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考えられる要因:「人手不足による業務過多」や「勤怠管理の不備(自己申告制の悪用など)」が目立ちます。
【是正勧告の事例と指導内容】 ある事業場(卸売業)の立入調査では、36協定の上限や法令の上限を超え、最長で月127時間の違法な時間外・休日労働が認められました。この事例では、単なる労働時間の短縮だけでなく、以下の具体的な是正指導が行われています。
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労働時間の適正な把握:自己申告の残業時間とICカードの打刻記録との乖離(1日3時間程度)を放置せず、適正に把握するための具体策を検討・実施すること。
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実態調査と割増賃金の支払い:過去に遡って実態調査を行い、不足している割増賃金がある場合は追加で支払うこと。
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時間外労働の抑制:時間外・休日労働時間を月80時間以内とするための具体策を検討・実施すること。
これを受け、当該企業では社長による適正管理の徹底表明、36協定の上限時間(月75時間)を超えるおそれがある場合における人事部署による残業中止の通告運用の開始、および実態に基づいた割増賃金の遡及払いを実施しています。
5. まとめ:リスクを回避し、持続可能な労働環境へ
「月200時間」は計算上の目安に過ぎず、法的な上限(月45時間・年360時間)を遵守するには、以下の管理が重要です。
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リアルタイムな把握:月の途中で「45時間」に近づいている従業員を早期に検知し、アラートを出す体制を整える。
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業務の平準化:特定の個人や時期に負荷が偏らないよう、配置転換や業務プロセスの効率化を検討する。
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正しい知識の周知:管理職だけでなく全従業員が「上限ルールの正解」を理解し、長時間労働を前提としない文化を作る。
労働時間の上限を守ることは、単なるコンプライアンスの遵守ではありません。従業員の心身の健康を守り、離職を防ぎ、結果として企業の生産性を高めるための必須条件です。今一度、自社の算出方法と管理体制が最新の法令・指針に適合しているか、再確認することをお勧めします。
「うっかり労働時間超過」を防ぐ具体的な施策を
労働時間の計算は複雑なうえ、1人ひとり細かく行わなければならず、労使双方が意識しないうちに「うっかり法定労働時間を超えてしまった」ということも珍しくありません。
まずは人事担当者がルールを把握したうえで、リアルタイムで合計労働時間が把握できる勤怠管理システムの導入など、ミスを抑える施策を採っていきたいところです。

