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フィードバックとは 人材育成や業績アップにつなげる話し方のポイント【前編】
人事考課・評価でも用いられるフィードバック。効果的に行うために知っておきたいフィードバックの目的と効果、ポジティブフィードバック・ネガティブフィードバックの使い分けをご紹介します。
人事評価におけるフィードバックとは?
フィードバックとは目標までの進捗度合い、改善点や課題、勤務態度、スキルなどを、人事担当者と従業員、あるいは、上司と部下の間で具体的に共有しあうことを指します。人事考課・評価や面談、面接、プロジェクトの振り返りなど、さまざまな場面で行われます。
近年では、リモートワークの普及によるコミュニケーション機会の減少、働き方改革や多様性の尊重による年齢・性別・国籍の多様化などを受け、評価者の適切で客観性のあるフィードバック手法の習得が求められています。
適切なフィードバックは、相手のモチベーション向上や自律的な行動を促し、業務効率化や業績アップにつなげることが可能です。ただし、内容や伝え方を誤ると、やる気を削いだり、ハラスメントと受け取られたりといったリスクも。フィードバックの目的や効果を理解して、具体的な手法に落とし込んでいきましょう。
フィードバックを行う主な目的と効果
フィードバックを行う主な目的と効果には、主に次のようなものがあります。順番にみていきましょう。
<1>人材育成・スキルアップ
<2>エンゲージメント・モチベーションの向上
<3>組織の目標達成・業務効率化
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<1>人材育成・スキルアップ
フィードバックによって被評価者(従業員や部下)の課題や進捗度合いを共有し、ノウハウの継承・習得などの人材育成・スキルアップにつなげていきます。
定期的にフィードバックを行うことで、被評価者に改善や目標達成に向けた行動を促す効果があります。
また、評価者(人事・上司側)も相手がいま抱えている課題や業務量をタイムリーに把握でき、マネジメントに役立てることが可能です。
<2>信頼関係の構築、エンゲージメント・モチベーションの向上
定期的なフィードバックはコミュニケーション不足を解消し、良好な信頼関係の構築に役立ちます。課題や問題点ばかりフィードバックせず、良い点や成果も意識的に伝えることで、従業員・部下の自己効力感が高まります。
相手への伝え方については、後述する「ポジティブフィードバック」や「ネガティブフィードバック」、また、後編で解説する「フィードバックの3つの型(フレーム)」も参考にしてみてください。
良好な信頼関係がベースにあると人事評価に納得感がもたらされるほか、やりがいや働きやすさにつながります。ひいては従業員・部下のエンゲージメント向上の一助となることが期待できるでしょう。
<3>組織の目標達成・業務効率化
フィードバックは、PDCAサイクルを回す手段のひとつとしても活用されます。PDCAサイクルとは、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)を繰り返すことで、業務の継続的な改善を目指す手法です。
フィードバックを通じて課題や進捗度合いを共有し、目指す方向の再確認と軌道修正、PDCAの精度向上とスピードアップを図ります。また、定期的にフィードバックを行うことで、改善に取り組む姿勢の維持や、業務効率化、従業員・部下のアウトプット力の向上につながります。
「ポジティブフィードバック」と「ネガティブフィードバック」、使い分けのポイント
効果的なフィードバックを行うためには「ポジティブフィードバック」と「ネガティブフィードバック」を、相手や状況に応じて使い分けることが大切です。ここでは、それぞれの違いや使い分けのポイントを解説します。
ポジティブフィードバックのポイント
ポジティブフィードバックとは、被評価者(従業員・部下)の行動や成果について、前向きな表現を用いてフィードバックする手法です。良い行動や上手くいった成果を労いたいシーンに用いるほか、否定的な表現を控えて相手の自己肯定感・意欲・自発性を高めることも可能です。
成長・育成を促す際には、基本的にポジティブフィードバックを用います。効果的なポジティブフィードバックにするには、褒めただけで終わらないことが大切です。目標や課題に対してのアドバイスも伝え、次の成長につなげていきましょう。
ポジティブフィードバックの具体例:
Aさんの新規顧客の獲得目標は、月10件のところ先月は8件となりました。しかし、入社1年目であることを考えると順調といえ、粘り強く取り組んでいたと感じています。今後の目標として、顧客との信頼関係を構築することを意識してみてください。先輩にアドバイスを求めるのも良いと思います。Aさんなりに営業手法を磨いていきましょう。
ネガティブフィードバックのポイント
ネガティブフィードバックとは、被評価者(従業員・部下)の行動や成果について、否定的・批判的な表現を用いてフィードバックする手法です。あえてネガティブな表現を使うことによって、相手の意欲向上や改善を促したり、現状を打破したりすることを目的としています。
先述のポジティブフィードバックは相手をあまり選ばず広く活用できるのに対し、ネガティブフィードバックはリーダー候補などの主体性が求められる人材へ限定的に用いられます。相手にストレスがかかりやすい手法ですから、自信やモチベーションを失うきっかけにならないよう、話し方や言葉選びに注意が必要です。
また、ネガティブフィードバックが効果を発揮するか否かは、相手とどのような信頼関係が築かれているかでも変わってきます。良い関係が構築されていれば、評価者もネガティブフィードバックをしやすくなり、相手も素直に受け入れやすいでしょう。
ネガティブフィードバックの具体例:
Aさんの新規顧客の獲得目標は、月10件のところ先月は8件と未達で終わりました。入社1年目で不慣れなことも多いですが、契約に結びつかない理由を分析できていますか?営業成績の良い先輩にアドバイスを求めるなど、積極的に学ぶことを意識してほしいと思います。
(まとめ)フィードバックは企業成長のカギのひとつ
フィードバックは、従業員や部下のモチベーションを上げ成長を促すのに有効な手段です。人事施策にフィードバックの手法や考え方を導入する企業も増えており、その有用性が認知されてきています。
その一方で、コミュニケーション不足などが原因で信頼関係が構築されていない状態でのフィードバックは、混乱を招いたり、負の感情だけが残ったりと、逆効果となる可能性もはらんでいます。定期的にフィードバックを行うほか、日ごろからコミュニケーションをとることも大切です。
後編では、フィードバックの3つの型である「サンドイッチ型」「SBI型」「ペンドルトン型」を解説します。これらの型を意識してフィードバックすることで、お互いに目的を捉えやすく、効果も上がりやすくなります。ぜひご一読ください。
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