人材育成に取り入れたい「コーチング」とは?

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今さら聞けない!コーチングとは?

「コーチング」は、1950年代に当時ハーバード大学助教授だったマイルズ・メイス氏が自身の著書で「マネジメントにおける重要なスキルである」と解説したのをきっかけに、1990年代にかけて教育現場やビジネス界での人材育成などにも広く用いられるようになった指導方法です。

指導相手に質問を投げかけて、自主的に考え、選択し、行動するよう促すことで、潜在能力や問題の解決策を引き出し、人材開発を進めていきます。

米国の主な企業ではすでにコーチングがマネジメントに欠かせないスキルとして定着しており、管理職の多くに対して、部下の業績向上のためにコーチング技術を習得することが求められています。

 

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コンサルティング、ティーチングとコーチングの違いは?

指導といえば、コンサルティング、ティーチングなどの用語も思い浮かびます。こうした指導法と、コーチングはどこに違いがあるのでしょうか。

コンサルティングとは?

コンサルティングとは、専門家の立場から相談に乗ったり指導したりすることを言います。また、コンサルティングの一環として、指導相手の業務をサポートすることもあります。

コンサルティングを職業とする「コンサルタント」の場合、指導相手はクライアント、つまりお客様です。上司と部下、先生と生徒のような上下関係にはならないところが特徴的です。

ティーチングとは?

ティーチングとは、先生(ティーチャー)から指導相手へ、先生の持つ知識やスキル、ノウハウを教え授ける指導方法です。先生からはごく具体的で有用な情報が渡される一方で、指導相手側からのアクションが求められることはなく、ある意味一方的なコミュニケーションとも言えます。

 

コーチングならではの特徴でありメリットは「相手から能力を引き出す」こと

コーチングは、相手の中に既に答えがあるか、ない場合でも「答えまでたどり着ける能力」がある前提に立った指導方法です。コンサルティングやティーチングが「こうすればいいんだよ」と、すぐ実践できるように教える指導法であるのに対して、コーチングではまず「どうすればいいと思う?」と質問し、指導相手自身で考えた結果として「こうすればいい」という答えへ導きます。

つまりコーチングは、目の前の課題をクリアするだけでなく、それによって指導相手の考える力や、自発的な行動力を高めることができる指導法なのです。その一方で、手間も時間もかかる方法ですから、知識や技術をそのまま習得すればよいケースや、緊急で身につけなければならないケース、1人の指導者に対して多人数の指導相手がいるケースなどには不向きな側面もあります。

 

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コーチングの基本スキル

コーチングは、指導法であると同時にコミュニケーション術としての側面もあります。ここでは、コーチングの基本とされる3つのスキルについて見ていきましょう。

そのままの指導相手を理解する「傾聴」

コーチングには、指導相手を深く理解することが欠かせません。「傾聴」と言っても、ただ指導相手の話を真面目に聞けばいいというだけではありません。話し方や表情など指導相手の様子に注意を払い、言葉以外のメッセージも聞き取りましょう。また指導相手をありのまま受容し、共感することで、建前のない信頼関係を作っていくことも重要です。

 

指導相手の気づきを引き出す「質問」

単なる事実をイエス/ノーで答えさせたり、こちらが欲しい答えをチラつかせるような質問をして建前で答えさせたりするのは、指導相手の気づきを引き出す質問にはなりません。

「目標は達成できそうか?」とただ聞くのではなく「目標達成のためにこれから何をすればいいと思う?」と自由回答できる質問をしてみましょう。また、「どうして目標を達成できなかったんだ?」と詰問するのではなく、「目標を達成できなかった原因はどこにあると思う?」と、冷静な分析を促す方向で聞いてみましょう。

 

指導相手の自発的な行動を促す「承認」

小さなことでも指導相手の長所を見出し、わかりやすく言葉や態度に出して伝えてあげましょう。これは、単に指導相手をおだてて動かすためではありません。どこを長所だと感じているか明確に伝えることで「自分は指導者や仲間に何を期待されているのか」を理解させるのです。人間には「期待に応えたい」という気持ちがどこかしらにあるもの。何を期待されているか明確になることで、自発的な行動につながります。

 

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コーチングの具体的な進め方

現状を振り返り、目的・ゴールを定める

まずは指導者と指導相手で現状を振り返り、指導相手が仕事に抱いている課題感や、成長を目指すポイントを両者で共有します。自信のなさから自虐ばかりになったり、上司受けを狙って建前発言ばかりになったりしないよう、話しやすくラフな雰囲気を作ることが重要です。

次に、共有した内容を踏まえて、コーチングの目的・ゴールを定めていきましょう。目的達成のための具体的な目標も洗い出していくと、「題目ばかりで進まない」といった失敗も防げます。

 

目標達成のための計画を立てさせ、実践へ

先ほどの具体的な目標を達成するための計画を指導相手に立てさせ、さっそく実践していきましょう。若手の指導相手などはすぐに結果を求めて焦ることもあるかもしれませんが、そもそもコーチングは時間がかかる手法であることを共有し、小さな行動の積み重ねを意識するようサポートしましょう。指導者側は世話を焼き過ぎず、「見守る」姿勢を心がけます。ただ、逆に放置してしまうのも禁物。定期的に声をかけましょう。そう、「目標は達成できそうか?」ではなく、「目標達成のためにこれから何をすればいいと思う?」です。

 

成長を促すためにも1人ひとりにあったコーチングを

指導相手に「自発的に考える力」がつくなど、メリットが多いコーチング。とはいえ、対象者1人ひとりに指導者をつけてコーチングを実践するのは人事担当者だけでは難しいこともあります。ランスタッド「ライズスマート」では、経験豊富なプロによるキャリアコーチングを提供しています。プロの仕事を間近で見ることは、マネジメント層がコーチングを学ぶ機会にもなるはずです。

ライズスマート-1https://services.randstad.co.jp/lineup/risesmart

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