テンプレ通りの書き方では人が来ない? 会社の魅力が伝わる求人票作りのコツ

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応募者との最初の出会いになることも!「求人票」とは

求人票とは、人材を求めている企業が採用された場合の労働条件を示した書類のこと。ハローワークで求人申し込みの手続きを行うことで発行される求人票や、人材紹介会社で求人申し込みの手続きを行う際に作成する求人票などが一般的です。求人票は採用側の都合で自由に書いてもよいというわけではなく、厚生労働省が最低限明記しなければならない項目を次の通り定めています。

 

業務内容/契約期間/試用期間/就業場所/就業時間/休憩時間/休日/時間外労働/賃金/加入保険/募集者の氏名又は名称(派遣の場合、雇用形態も明記)

 

求人票はハローワークや人材紹介会社で公開されるのに加え、採用を希望する企業が教育機関の就職課などへ送付し、そこで学生向けに公開されることもあります。

 

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求人票の書き方次第で応募状況も大きく変わる

求人票は企業の「採用における第一印象」のようなもの

求職者にとって求人票は、それまで知らなかった企業自体を知るきっかけになることはもちろん、すでに知っている企業であっても「採用への取り組み方」まで踏み込んで知る最初の機会となることが少なくありません。

「募集条件が魅力的」、「職場環境がよさそう」、「将来性が見込める」など、求人票の内容が求職者に響けば、それだけで応募のきっかけとなることも十分考えられます。

一方、「募集条件が合わない」、「職場の様子や、今後の展望が見えてこない」など、その応募者にとって魅力的でない内容であれば応募にはつながりにくくなります。最悪の場合、好感を持っていた企業であっても、求人票の内容にがっかりして応募意欲を削がれてしまうといったことも考えられます。

求人情報は条件の良し悪しで判断されると考えてしまいがちですが、たとえ同じ条件でも求人票の書き方次第で求職者の印象は異なるものです。人事担当者としてはぜひ求人票の書き方を工夫して、自社についてより詳しくかつ魅力的に伝えられるようにしたいものです。

 

求人票において重要な項目とは?

求人票において重要な項目、つまり求職者が特に重視する項目とはどのようなものなのでしょうか。ランスタッドでは、世界32の国と地域の20万名以上の回答者を対象とした独自調査「ランスタッド・エンプロイヤーブランドリサーチ(REBR」を毎年実施しています。2022年に発表した「」によると、日本の求職者が勤務先を選ぶ際に求めるもののトップ5は以下です。

求職者が勤務先を選ぶ際に求めるもののトップ5

1位.給与水準の高さ、福利厚生の充実度
2位.快適な職場環境
3位.ワークライフバランス
4位.雇用の安定
5位.就業場所
 

 

「求職者が勤務先を選ぶ際に求めるもの」ですから、求人票を確認する際も、求職者はこれらの項目について「自分に合う内容か」をじっくり見ているはずです。

とはいえ、実態とかけ離れた美辞麗句を並べると、採用することはできても早期離職につながりかねません。会社をよく見せようと飾り立てるのではなく、できるだけ情報量を多く、しかもただ羅列するのではなく整理して載せることで、会社の誠実さを示したいものです。

 

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応募者が増える!求人票の書き方のコツ

残念な求人票にありがちな「惜しいポイント」

[惜しい 1]給与体系や福利厚生の書き方が雑
月給や休日、有休制度など最低限のことは書かれていても、昇給制度に触れない、休日制度を一部しか載せないといった雑な書き方をしていると「制度が整備されていないのでは」、「有名無実なので隠しておきたいのでは」などと勘繰られてしまいます。

[惜しい 2]業務や職場の雰囲気に関する内容が定型文的で、情報量が少ない
「事務作業の補助」、「アットホームな職場です」など、どこかで見たような書き方ばかりでは、大まかなイメージはできても具体性に欠けます。

[惜しい 3]時間外労働について詳しく書かれていない
「サービス残業が横行しているなど、求人票に載せられないような実態なのではないか」と疑われてしまいます。制度だけでなく、平均残業時間も掲載したいところです。

[惜しい 4]記載内容が条件面に偏っていて、求めている人物像が見えてこない
給与や休日、就業場所など条件ばかりが羅列されている求人票では「早期離職率が高くて人手が足りず、応募すればどんな人材でも採用する職場ではないか」と怪しまれかねません。実際はしっかり選考を行っている場合でも「応募する前に選考基準を知りたかった」と不満が残るでしょう。

 

求職者に刺さる求人票の「上手いポイント」

[上手い 1]必要な項目について最低限ではなく、より詳しく書かれている
情報量の少ない求人票には「言いたくないこと、隠したい実態がある」という疑いの目がついて回ります。アピールにつながる条件はもちろんのこと、今現在は見劣りのする条件でも、改善の計画を進めていることなどを書き添えれば印象は変わるものです。

[上手い 2]具体的な業務内容や入社後の流れなどが、イメージしやすく書かれている
試用期間があるとはいえ、「具体的な就業イメージがつかめない職場へ飛び込む」のは求職者にとって不安が伴うものです。あらかじめきちんと説明をして、求職者の不安に配慮できる会社が評価されることは言うまでもありません。

[上手い 3]社内の体制やどのような先輩、上司がいるかなどもイメージしやすく書かれている
ランスタッドが2020年9月に実施した「新型コロナウイルス発生後 働き手が求める意識調査」の中で、「転職を考える理由」(複数選択回答)として選ばれたもののうち、「社内で大切に扱われていない・評価/感謝されていない」は22.6%、「上司との関係がよくない」は15.6%といずれも比較的高めの結果になっています。求職者にとって、入社後のポジションや人間関係がある程度見通せていることも、重要なポイントなのです。

[上手い 4]会社のビジョンや入社後のキャリアプランも示され、求めている人物像が明確
「誰でもいいから働いてほしい」と言われるのと、「会社が将来こうなるために、あなたのような人を迎えたい」としっかり説明されるのでは納得の度合いがまったく違います。特に、期限を定めず働く正社員であれば「会社の将来性」と「そこに自分(求職者)がいる必然性」は重要なポイントです。

 

では、これらのポイントを踏まえて、実際の求人票(一部)の記入例を見てみましょう。

業務内容
「惜しい」記入例
営業スタッフの業務をサポートしていただきます
「上手い」記入例
訪問やオンライン面談などお客様と接する業務が多い営業スタッフを、不在中のメール・電話対応や社内システムを使った商品の受発注・納期・在庫管理、営業資料作成などといったデスクワークを中心にサポートしていただきます。
基本は内勤ですが、訪問同行や展示会スタッフなどといった形で社外へ出向くこともあります。

 

事業内容・会社情報
「惜しい」記入例
・クラウドソリューション事業
クラウド商品の販売・運用代行など
「上手い」記入例
クラウド会計ソフト「○○」、クラウド労務ソフト「△△」をはじめ、自社開発によるクラウドソリューションの販売・導入支援・運用代行をしています。

クラウド導入によるDX推進をお考えの企業様や、他社クラウド製品からの乗り換えを検討中の企業様に、それぞれの環境に合ったプランのご提案を行い、導入から運用、メンテナンスまで継続的にサポートしています。

 

会社の特徴
「惜しい」記入例
幅広い年代の社員が活躍しています
「上手い」記入例
クラウドという比較的新しい商材を主としていることもあり、先進技術に関心の高い若手社員が活躍しています。
 
一方、サポートデスクは技術者出身のベテラン社員が務め、豊富な経験と知識を活かして親身に対応。バックオフィス業務には子育て中の時短勤務社員も多く、多様性に富んだ職場です。

 

求人に関する特記事項
「惜しい」記入例
メンター制度あり
営業職へのキャリアチェンジ可
「上手い」記入例
入社後は約2週間、商品知識や自社システムなどに関する研修を受けていただきます。配属後は半年間OJTで仕事を覚えていただいた後、お客様を担当します。

独り立ちまでの半年間は営業アシスタントの先輩社員がメンターとなってあなたをサポートします。
概ね3年以上の経験を積めば、希望や適性に応じて営業職へのキャリアチェンジも可能です。

 

人材のプロの手を借りる方法も検討したい

残念な求人票のポイントとして「業務や職場に関する内容が定型文的」と挙げたように、求人票の書き方は突き詰めればケースバイケース。ここで紹介したような基本的なポイントはあるものの、これを押さえるだけで「自社にとってベストな内容の求人票」になるかは判断が難しい面もあります。募集をかけるたびに、ああでもない、こうでもないと求人票作成に苦心してスタッフのリソースを奪われるより、人材のプロフェッショナルに一任して自社に合う人材を探してもらう方が、結果としてコストをかけずに優秀な人材を得られるかもしれません。

ランスタッドでは、人材のプロフェッショナルが企業様のニーズを的確に把握し、マッチする人材をご紹介しています

詳しくはランスタッドの人材サービスをご覧ください。

870_プロフェッショナル派遣を活用して多様化する働き方に対応する方法-1

 

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