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【創業期のエンプロイヤーブランディング】 働きやすさの根底にある他者へのリスペクト
育休が明けたばかりで、いかに短時間で付加価値を生み出すかが働き方のポイントとなっている桑野氏。ワークライフバランスをどう考え、エンプロイヤーブランドをどう感じているのでしょうか。
(株)ワークスアプリケーションズにて会計ERPパッケージソフトのフィールドセールスを経験後ブラックラインに参画し、現在はインサイドセールスを担当。ブラックラインでの育休取得第一号社員。 |
第1子が誕生し育休が明けたばかりという、インサイドセールス担当の桑野氏。在宅ワーク中は時折近くで子どもの泣き声が聞こえ、コロナ禍に入社して以来コミュニケーションはオンラインが中心という状況です。それでも桑野氏の言葉からは、ブラックラインへの熱い想いとメンバーへのリスペクトがにじみ出ています。
桑野氏はワークライフバランスをどう考え、エンプロイヤーブランドをどのように感じているのでしょうか。子育てをしながら結果を出し続けていくためには、いかに短時間で付加価値を生み出すかが働き方のポイントとなっているようです。
サポーティブでパワフルな“良い人”の組織
――ブラックラインはどんな会社ですか
入社してから全社員の方とコミュニケーションを取ってきて一番思うのは、本当に良い人が多い会社ということです。それでいて、非常にパワフルな方も多い。この良い人とパワフルの掛け合わせが、働きやすい環境の土壌になっているのだろうと思います。
一方で大人な雰囲気もあり、二律背反になりにくい。一生懸命やるから、良い仕事にコミットするから労働時間が長くなるということではなく、持続可能にするためにどうしたらいいかという議論になります。
――なぜ良い人でパワフルな人が集まっているのでしょう?
良い人だけ、もしくはパワフルだけというのは多いと思いますが、両方あるのはなぜかというのは私も考えていました。おそらく、シンプルにみんなBlackLineという製品が好きなのだと思います。同じゴール、指標があって、この製品を世界に広めたいというのが根底にある。だからパワフルに推し進めるし、自発的に色々助けてくれたり、一緒にコラボレートしましょうなど、ポジティブに接してくれたりするのだと思います。
社員のバックグラウンドがある程度似ているというのもあるかもしれません。営業やインサイドセールスを含め、メンバーは前職で会計システムを内包しているERPを扱っていたり、導入チームなどはよりプロフェッショナルで、もともと米国公認会計士であったり企業の経理部で働いていた方などです。皆さんが、「日本の経理の世界を変えていく」と本気で思っています。
BlackLineのソリューションは他に置き換えられる製品はないと思っています。今までエクセルなどの表計算ソフトや書類のやり取りで行っていた大変な決算業務を効率化し、洗練していきましょうという提案です。これから自分たちが世界を作っていく、市場を作っていくという今のフェーズだからこそのワクワク感がある。それもサポーティブでパワフルな理由かもしれません。
創業期特有の難しさと創業期でも働きやすい環境
――市場を作っていく段階での難しさはありますか
それは日々、感じております。私の仕事の役割としてのゴールは、お客様に商談の席に座っていただくこと。「BlackLineとはそもそも何なのか」というところからはじまりますので。
BlackLineの導入を検討していただける規模の企業は、日本の中で数千社です。そこで決定権を持つ数千人の経理部長にいかにして会い、「面白いね、詳しく話を聞かせて欲しい」と思ってもらえるかどうか。
このコンタクトの方法と、その後の魅力付けのコンテンツの2つの線を太くしないと、商売がはじまりません。そこの2つのHowの部分をどうしたらいいのかと、常に考えながら走っているという感じです。
――創業期は多忙な印象がありますが実際は?
代表の宮﨑が「ファミリーファースト」を強く言葉にしていますし、制度にも反映されているので、本当に働きやすい環境です。
リモートワークなので、社内ミーティング中に子どもがぐずりはじめたりして離席する必要があっても、全然嫌な雰囲気になりません。こういうのは風土として非常に強いと思います。
一方で、スタートアップなので、求められる成果レベルは高く、ボリュームは多く領域も幅広い。いかに効率を上げ、短い時間で一番付加価値を上げるかというところは、常にチームの中で議論しながら進めています。成果のために働きやすさを阻害しながらフルコミットするという雰囲気はないと感じます。
――仕事へのモチベーションはどのように維持していますか
自分は飽きやすい性格ですが、裏返すと新しいことをやる時にモチベーションが上がります。だからすごく意識しながら自分の部署以外の方々といろんな話をするよう心がけていて、それが新しい発見にもつながっています。
「あのお客様はそういう風におっしゃっていたんだ」「そんな紹介方法や機能導入方法があるんだ」というコミュニケーションから、「じゃあ、明日からこう伝えてみよう」というサイクルが回る。そこから、先ほどの「いかに数千人に届けるか」「何を届けるか」のヒントが生まれてきます。
それは社員数の多い企業では制約があるかもしれません。でも、日本法人は全社員30人ほどの規模で、他部署のマネージャーとも気軽に話せる関係性がある。そこはすごくありがたいですね。
――リモートでのコミュニケーションに課題は?
社内には部活もあり、私はゴルフ部とテニス部に入会しています。マネージャーのみなさんは、そういう場で気軽に話しかけられる雰囲気作りを意図してやってくださっている。普段からチャットでも「ちょっといいですか」というコミュニケーションを取りやすい環境です。
WEB会議では、例えば全社ミーティングで自分が発言していなくても、みんながビデオをオンにしている。本当にちょっとしたことですけど、それで相手の反応が見えたり、気軽に話しかけやすいような関係性も生まれているのではないかと思います。
根底にあるのは他者へのリスペクト
――はじめて育児休暇を取得した社員と伺いました
それまで育休を取得できるのは入社してから1年後という規定があり、私はその基準に達していませんでした。でもコーポレート関連業務を担っている竹中さんが「桑野さんは絶対取得するべき。弁護士に掛けあって規定を変えます」と動いてくださり、実際に規定を変更してくださったのです。慶弔見舞金の制度もなかったのですが、それも出産に間に合うように作っていただいて。本当に大変だったと思います。
はじめに宮﨑さんに「すみません、育休いただきます」と報告した時、宮崎さんには怒られました。「なぜ『すみません』と言うのか」と。大事なことだし、素晴らしいことだからと。宮﨑さんの子育ての話などもしていただいたりと、そんな温かい雰囲気でした。
――ブラックラインという会社の魅力は?
完全にゼロベースというほどのリスクはないけれど、ロールがきちんとしているザ・大企業よりも自由に働けてビジネスを大きくしていける。そういう中間地点にある“ちょうどいいとこ取り”がブラックラインではないかと私は思っています。
BlackLineはすでに海外で活用されていて、市場シェアを取っています。その一方で、日本市場でこれからどう事業を作っていこうかというベンチャー気質もある。この「両方の要素がある」ところにワクワクする人は多いのではないでしょうか。
――桑野さん自身がブラックラインに入社を決めた理由は?
他にもいくつか外資を受けていましたが、若干マウンティング気質な企業にも多く出会いました。でもブラックラインでは、代表の宮﨑さんや数名の本部長とWEB面談しましたが、皆さんのコミュニケーションの根底に、すごく他者へのリスペクトがあると感じたんです。私なんて彼らから見たら本当にヒヨッコなのに。
それは本当に格好いいし、これから自分もそういう大人になりたいと思い、ブラックラインに決めました。
――これから挑戦していきたいことはありますか
これからもっと大きくなって、「経理業務を改革するなら、まずBlackLine」という世界にしていくには、ここ1〜2年が肝だろうと思っています。そのためにも、さまざまなバックグラウンドを持つ方にブラックラインに入社していただけると、ビジネスはまた変わってくるのではないかと考えています。
パートナー企業と協業しながらネットワークを広げていき、それによって業界内で自ずと「BlackLine」という名前が広がっていき、お客様側から話を聞きに来てくれるようにする。そうなると成長拡大スピードが大きく違ってくるのではないかと思っています。
(肩書きは取材時のものです)