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雇調金特例の11月末延長妥当 職業安定分科会が「意見」付き答申
原資となっている雇用保険財政がひっ迫
労働政策審議会の職業安定分科会は9月14日、雇用調整助成金(雇調金)などの特例期間を9月末から11月末に延長する厚生労働省の省令改正案を「おおむね妥当」と答申。ただ、雇調金の原資となっている雇用保険財政がひっ迫していることから、「意見」を付ける異例の答申となりました。意見は(1)特例措置の扱いは、収入確保と同時に議論する必要があり、一般財源の投入強化など具体化に取り組むべし(2)雇調金特例措置や休業支援金のあり方や、緊急事態が今後も生じることを念頭に置いた保険財政のあり方などを議論し、法改正につなげるべき――の2点です。
これを前提に延長を「妥当」と答申しました。雇調金の原則は1人あたり上限額を1日1万3500円、助成率を大企業は最大4分の3、中小企業は同10分の9としています。特例では、コロナ禍で売り上げが大きく落ち込んだ企業を対象に、各1万5000円、最大10分の10に引き上げています。休業手当を受けられない労働者に支払う休業支援金も1人あたり9900円、上限8割の原則を1万1000円に引き上げています。
しかし、コロナ禍の長期化によって対象も拡大。雇調金の支給決定件数は9月初め時点で累計約441万件、支給決定額は同約4兆3481億円に上り、雇用保険の財源だけでは賄えない状況になりつつあります。このため、厚労省は雇用保険の料率引き上げなどを軸に、労政審で制度改正も含めた議論を始めることにしています。
雇調金は昨春以降、数回にわたって対象内容の拡大と適用延長を繰り返していますが、これらは雇用維持のための短期的な救済措置です。専門家からは「長期化すれば経済全体の停滞を招く恐れがあり、低迷産業から新産業への労働移動も進まない」との指摘が出ています。
居酒屋の9割が減収、7割が赤字
東京商工リサーチは9月10日、コロナ禍の直撃を受けている「居酒屋(酒場、ビアホール)」317社の2020年度決算を集計しました。それによると、売上高は3903億7400万円(前年度比45.6%減)、最終利益は1110億2700万円の赤字(同103億6500万円の赤字)となっています。
度重なる緊急事態宣言で休業・時短営業を余儀なくされ、会食の自粛などによる利用客の大幅減が響いています。減収企業は9割を超える292社に上り、赤字企業は7割の220社と前年の2.5倍に増えました。
同社によると、20年の居酒屋の倒産は過去最多の174件で、21年(1~8月)は100件となっています。
不要のトップは「対面での会議」
求人情報提供会社が9月9日発表した「コロナ禍でわかった、無くてよかったもの」の650社を対象にした調査によると、「対面での会議」がトップになりました。会議の功罪は長年賛否が分かれていましたが、コロナ禍をきっかけにしたオンライン会議の普及により不要論に拍車がかかりそうです。
昨年1年間、コロナ対応で働き方や社内制度の変更などを実施した企業は86%にのぼり、具体的には「社員が大勢集まる会議・イベントの禁止」(78%)、「テレワーク・在宅勤務の導入」(72%)、「オンライン会議の導入」(62%)など(複数回答)。
これらの対応の結果、なくてもよかったものとしては「対面での会議」が45%で最も多く、「社内イベント」の25%、「定時勤務」の23%、「押印(ハンコ文化)」の21%などが続きました(複数回答)。「対面会議」を不要と回答した理由は「オンラインなら宿泊を伴う出張や長時間の移動が不要」「紙の資料をオンラインの画面表示に置き換えても支障はない」などが挙がりました。調査は4月14日~5月11日に実施しました。
取材・文責
(株)アドバンスニュース