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技能協とUAゼンセンが調印 雇用維持・確保で「労使メッセージ」
コロナ禍においても派遣・有期労働者の雇用重視
国内唯一の製造請負・派遣の業界団体である日本生産技能労務協会(青木秀登会長・ランスタッド執行役員)=写真左=と、国民生活に関連する多様な労働者で構成する連合最大の産業別労働組合・UAゼンセン(松浦昭彦会長)=写真右=は12月2日、「コロナ禍においても派遣・有期雇用労働者のキャリアアップを通した雇用維持・確保を図る」ことを盛り込んだ「共同メッセージ」に調印しました。
これまでの相互の取り組みを再確認するとともに、雇用重視で今後の産業・業界の健全な発展を推し進める考えです。
「共同メッセージ」では、新型コロナウイルス感染症が経済活動と国民生活に大きな影響を与える中、双方がそれぞれの立場で加盟企業の事業継続や労働者・組合員の感染防止に努めていることなど、取り組みの方向が一致していることを確認。厳しいコロナ禍であっても、派遣・有期雇用労働者を組合員として組織するUAゼンセンと、製造系人材サービス事業者の業界団体である技能協が共通の目的に向かって活動していくことなどを記しました。
東京都内のゼンセン会館で開いた意見交換および調印には、技能協の青木会長ら6人、UAゼンセンは松浦会長ら5人が顔をそろえました。それぞれ、新型コロナ感染拡大以降の雇用維持・確保に向けた動きや感染防止対策の活動などを中心に報告した後、社会課題をテーマに活発に意見を交わしました。
今回の「共同メッセージ」の調印について青木会長は「このタイミングで雇用の維持・確保を労使で発信できたことは意義があり、働く人と経営者双方を勇気づける契機になればと思う」と力を込めました。松浦会長は「パート・派遣、契約を含むさまざまな雇用形態で働く組合員を有するUAゼンセンとして、コロナ禍において特に痛みを受けやすい人たちに焦点をあてて活動してきた。年の瀬を前に、技能協とのこれまでの交流を実らせて調印まで結び付けられたことは、今後の大きなステップになる」と述べました。
技能協は、過去3回にわたってナショナルセンターである連合(神津里季生会長)との「労使共同宣言」を締結していますが、産業別労働組合との調印は初めて。UAゼンセンも、業界団体との「労使メッセージ」の調印は初めてとなります。
雇調金の特例措置延長 来年2月末まで
厚生労働省は11月27日、雇用調整助成金(雇調金)の特例措置期限を12月末から2021年2月末まで延長することを決めました。新型コロナウイルスの感染拡大が沈静化せず、企業業績の落ち込みが続いて失業者の増加が懸念されるためで、田村憲久厚労相が閣議後の記者会見で明らかにしました。延長はこれで3回目ですが、来年3月以降については雇用情勢を踏まえながら、段階的に縮小を検討する考えです。
雇調金は、企業が社員に休業手当を支給して雇用を維持する場合の助成金。通常の助成率は中小企業で3分の2、1人あたり日額は8370円が上限ですが、特例では中小企業の助成率は最大100%、支給上限額は1万5000円に引き上げています。
今年4月以降、政府は段階的に雇調金の拡充を実施し、現在の特例内容になった後、6月末まで、9月末まで、12月までと延長を繰り返してきました。しかし、同様の内容での延長は今回が最後になる見通しです。
取材・文責
(株)アドバンスニュース