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カスハラ防止策を企業の義務に 改正法成立、女性管理職比率公表も
カスハラから従業員を守るための防止措置
顧客による迷惑行為である「カスタマーハラスメント(カスハラ)」対策を企業に義務付けた改正労働施策総合推進法などが6月4日、参院本会議で可決、成立しました。
2026年中の施行を目指します。企業はカスハラから従業員を守るための防止措置を義務付けられ、相談窓口の設置などが必要になります。これまで、パワハラやセクハラについては防止義務がありましたが、カスハラの場合はありませんでした。また、男女雇用機会均等法も改正され、就職活動中の学生に対するセクハラ防止を企業に義務付けました。
企業は学生との面談時のルール策定などが必要になります。一方、26年3月で期限を迎える女性活躍推進法は10年間延長し、4月から施行。従業員101人以上の企業に対し、女性の管理職比率や男女の賃金差異について公表を義務化します。現行は301人以上の企業が対象でしたが、企業規模を拡大しました。
7割の中小企業が賃上げ実施 正社員は4.03%
日本商工会議所と東京商工会議所が6月4日発表した「中小企業の賃金改定に関する調査」によると、今年、賃上げを実施(予定を含む)した中小企業は69.6%(前年比4.7ポイント減)で、そのうち従業員20人以下の小規模企業は57.7%(同5.6ポイント減)となり、いずれも昨年を下回りました。
賃上げを実施した企業の場合、正社員の平均賃上げ額は1万1074円、賃上げ率は4.03%(同0.41ポイント増)、うち20人以下企業では各9568円、3.54%(同0.20ポイント増)といずれも昨年の伸び率を上回りましたが、小規模企業の伸びは鈍くなっています。
日本商議所は、賃上げ企業が約7割の「高水準」だったとしながらも、「現時点では未定」が23.5%(同3.1ポイント増)に増えた点について、「価格転嫁の遅れや米国関税措置などによる先行き不透明感を懸念する企業が増えている」と分析しています。
調査は4~5月に実施。全国商議所傘下の3042社の回答を集計した。うち、従業員20人以下は1612社。金額、率とも従業員数による加重平均です。
実質賃金、4カ月連続のマイナス 春闘効果表れず
厚生労働省が6月5日発表した毎月勤労統計調査の4月速報値(従業員5人以上)によると、労働者1人あたり現金給与総額は30万2453円(前年同月比2.3%増)で40カ月連続のプラスとなりました。
しかし、物価上昇分を差し引いた実質賃金指数(20年=100、持ち家の帰属家賃を除く)は83.7(同1.8%減)と4カ月連続のマイナスで、コメや光熱費など物価高騰に賃金が追い付かない状況が続いており、今春闘の賃上げ効果もまだ出ていません。
給与額のうち、基本給などの所定内給与は26万9325円(同2.2%増)に増えました。雇用形態別の総額は、正社員が中心の一般労働者は38万8583円(同2.6%増)、パートタイム労働者は11万1291円(同2.2%増)でした。産業別で大きく伸びたのは、3月と同様に「鉱業、採石業等」の38万4603円(同30.7%増)です。