「新しい資本主義」による成長の加速化 2024年度の厚労省主要施策

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リスキリング、労働移動の円滑化の推進を掲げる

労働政策審議会(清家篤会長)の第52回会合が9月26日開かれ、事務局の厚生労働省が2024年度の予算概算要求と主要施策、各局所管の労政審分科会・部会の審議状況などを説明しました。労働者側と使用者側の両委員は「イノベーションや『新しい資本主義』による成長の加速化」を掲げる厚労省の方針に対して、実効性ある施策の推進を求めました。冒頭、労働担当の宮崎政久副大臣が顕在化する人手不足を念頭に「労働市場の整備を通じて、賃金上昇を伴う成長分野への円滑な労働移動がカギ」と述べました。 

厚労省は労働分野の概算要求で、(1)非正規雇用労働者の正規化促進と雇用形態に関わらない公正な待遇の確保(2)リスキリング、労働移動の円滑化の推進(3)多様な人材の活躍と魅力ある職場づくり――

の3点を推し進めます。具体的な項目として、「リスキリングによる能力向上支援」「個々の企業の実態に応じた職務給の導入」「フリーランスの就業環境の整備」「仕事と育児・介護の両立支援」「多様な人材の就労・社会参加の促進」―など労働市場改革の基盤となる10項目を挙げました。 

厚労省の施策説明は、労働基準局、職業安定局、雇用環境・均等局、人材開発統括官関係の順に行われました。これを受けて労働者側委員は、リスキリングについて「すべての雇用形態の労働者にとって有効だが、労働移動の手段として捉えられてしまうと企業の人材育成意欲が減退するので留意してほしい」などと指摘しました。

 一方、使用者側委員は三位一体の労働市場改革について「5年で1兆円規模の予算投下となっており、人への投資の施策は着実に実行することが重要だ。堅実に進める施策と意欲的に展開する施策に分けて推し進めてもらいたい」と求めました。 draw (1)-1

昨年は1人平均457.6万円 2年連続増、民間給与統計

国税庁が9月27日発表した2022年分「民間給与実態統計調査」によると、企業で働く人が22年の1年間に得た平均給与は457万6000円(前年比2.7%増)と2年連続で増えました。21年の同2.4%増より少し高い伸びとなりましたが、物価上昇には追い付いていないとみられ、生活水準は向上していない状況です。

 男女別では男性が563万3000円(同2.5%増)、女性が313万7000円(同3.9%増)。雇用形態別では正社員が523万3000円(同1.5%増)、パートやアルバイトを含む正社員以外が200万5000円(同2.8%増)となり、初めて200万円台に乗せました。

業種別では「電気、ガス、水道、熱供給」が最も高い約747万円で、「金融・保険」の約656万円、「情報通信」の約632万円などが続きます。最も低かったのは「宿泊、飲食サービス」の約268万円でした。

全体の給与所得者数は5966.7万人(同1.5%減)で2年ぶりに減りましたが、給与総額は231兆2640億円(同2.2%増)、源泉徴収された所得税額は12兆424億円(同7.0%増)といずれも2年連続で増えました。 

 

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