活用進む労働局の「紛争解決援助制度」 相談件数、15年連続で100万件超

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賃金、時間外労働、年次有給休暇、解雇、雇い止めなど

職場のトラブル解決を労働局が支援する「紛争解決援助制度」の利用者が増えています。7種類ある紛争解決援助制度のうち、厚生労働省は6月末、個別労働関係紛争解決促進法に基づき2022年度の施行状況を公表。相談は124万8368件(前年度比0.5%増)、1日平均約5200件にも上る。労働局は、相談内容によって事業主に助言・指導を行うこともあり、企業にとっては大きなリスクとなります。紛争解決援助制度の利用状況を把握し、労務トラブルの未然防止につなげることが必要です。 

労働局による紛争解決援助は、①個別労働関係紛争解決促進法②男女雇用機会均等法③労働施策総合推進法④パートタイム・有期雇用労働法⑤育児・介護休業法⑥労働者派遣法⑦障害者雇用促進法――の7法を踏まえ、それぞれ制度化されています。どの制度も、労働者だけでなく企業からの相談にも対応し、無料で利用できます。

 7種類のうち最も利用されているのが、①の個別労働関係紛争解決促進法に基づく制度で、②~⑦の各法に関する以外のトラブル全般について全国379か所の「総合労働相談コーナー」で応じています。2~3時間かけてじっくり話を聴くケースもあるそうで、労働トラブルの身近な駆け込み寺となっています。相談件数は、15年連続で100万件超。22年度の相談件数124万8368件の内訳(重複計上あり)は、「法制度の問い合わせ」86万1096件、「労働基準法など法違反の疑い」18万8515件、「民事上の個別労働紛争」27万2185件でした。

 「法制度の問い合わせ」の中には、法令についての単純な問い合わせもありますが、関東地方の総合労働相談コーナーの相談員は、「賃金、時間外労働、年次有給休暇、解雇、雇い止めなどについて、勤務先の対応に不満を持つ労働者が法令の細かい点について質問してくるケースが多い」と話しています。「労働基準法など法違反の疑い」は賃金未払い、最低賃金違反、違法な時間外労働などで、総合労働相談コーナーから労働基準監督署へ取り次ぎが行われます。悪質な法令違反があれば、上司などが刑事罰を科される事態にもなりかねません。

 「民事上の個別労働紛争」については、内容別の内訳が公表されています。22年度は、「いじめ・嫌がらせ」が6万9932件、「自己都合退職」4万2694件、「解雇」3万1872件、「労働条件の引き下げ」2万8287件、「退職勧奨」2万4178件などとなっています。まさに、労使トラブルのタネの宝庫であり、企業が労務管理上注意すべきポイントと言えるでしょう。 

「民事上の個別労働紛争」は、労働局長による助言・指導や、労働局の紛争調整委員会によるあっせんに発展する場合があります。22年度は、助言・指導が7979件、あっせんが3428件でした。助言・指導の例として、同僚からいじめや嫌がらせを受けた正社員のケースでは、事業主に対して労働者の安全に配慮する義務や、パワーハラスメント防止措置義務が企業に課されていることを説明し、話し合いによる解決を図るよう助言しています。

 

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