「特定技能」在留外国人13万人 受け入れ上限34万人に届かぬ公算

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分野別で最多は「飲食料品製造業」、国籍はベトナム

2022年12月末現在で13万915人――。就労目的の外国人材の受け入れ拡大を狙い、2019年4月に新設された在留資格「特定技能」がこの春、スタートから丸4年を迎えようとしています。

政府は23年度までの創設5年の受け入れ上限を最大34万5000人と想定していましたが、大きな変化がなければ最終的に上限到達は難しい公算です。

政府内で制度の存廃・再編の議論が進む「技能実習」と密接な関係にある「特定技能」について、現状や特性、今後の展開などを分析します。

「特定技能」の在留資格には「1号」と「2号」があります。「1号」は「相当程度の知識または経験を要する技能」を持つ外国人に与えられ、在留期限は最長で5年。

「2号」は「熟練した技能」を有する外国人に付与され、条件を満たせば長期の滞在や家族の同伴が可能です。運用は「1号」を軸にスタートし、出入国在留管理庁によると、22年12月末の「2号」は建設分野のわずか8人で、13万915人はすべて「1号」を指しています。

コロナ禍に見舞われてスタートから足踏みが続いていたものの、20年12月末あたりから急速に伸びています。当初の受け入れ業種は、▽厚生労働省=介護業、ビルクリーニング業▽農林水産省=農業、漁業、飲食料品製造業、外食業▽国土交通省=建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空業、宿泊業▽経済産業省=素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業――の14分野。22年5月に経済産業省管轄の3つの分野を統合した結果、現在は12分野に整理されました。

 

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「飲食料品製造業」の受け入れが最多

分野別で最も多いのは、「飲食料品製造業」の4万
2505人(全体に占める割合は32.5%)。従来から技能実習生や留学生によるアルバイトが目立ち、全国各地に製造工場が存在するほか、比較的作業が複雑でなく性別に関係なく従事できることから外国人労働者に人気があります。

次いで、一本化された「素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業」が2万7725人(同21.2%)。「農業」と「介護」は、それぞれ1万6459人(同12.6%)と1万6081人(同12.3%)で拮抗しています。今年の流れとしては、事実上のウィズ・コロナ社会の本格化で、「宿泊」「外食業」などが拡大していく見込みです。

国別にみると、最多はベトナムの7万7135人(同58.9%)で、同じ傾向にある「技能実習」からの移行組が多いので必然の結果といえます。「移行組」の多くは、「技能実習生」が通常3年(最大5年)の実習期間を終えた後に「特定技能」に移行します(技能実習生ルート)。

この仕組みが約8割にのぼります。「特定技能」の資格を取得して外国人が日本で働くためには本来、「産業分類ごとの技能試験」と「日本語試験」に合格しなければなりません(試験ルート)。「技能実習」3年を終えた外国人の場合は、特別にこの試験のパスが可能。「技能試験」が適切な頻度で実施されていない分野もあるので、それらは「技能実習ルート」がメインになっています。

取材・文責
(株)アドバンスニュース

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