賃上げ予定企業は2年連続で8割超 「5%以上」は少数、東商リサーチ

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東京商工リサーチが21日発表した2023年度「賃上げに関する調査」によると、来年度に賃上げを実施予定の企業は8割を超えているものの、連合が目標にしている5%以上を予定している企業は4%に過ぎません。賃上げを予定している企業は81.6%(22年度比0.9ポイント減)で、予定していない企業は18.4%(同1.0ポイント増)となり、予定企業は2年連続で8割を超えました。

ただ、実施予定を企業規模別にみると、大企業の85.1%に対して中小企業は81.2%で、中小が3.9ポイント下回っています。実施予定企業のうち、上げ幅について最も多いのは「2~5%」の41.5%で、次いで「2%未満」の35.8%で、「5%以上」は4.2%に過ぎませんでした。賃上げ内容(複数回答)は「定期昇給」が最多の79.8%で、「ベースアップ」の39.0%、「賞与増額」の36.9%などが続いています。

 これについて同社は「物価高に対応するため、賃上げの必要は切実な一方、人材確保と業績改善の板挟みで悩む中小企業が多い」と分析しています。調査は3~12日に実施、4433社の有効回答を集計。資本金1億円以上を大企業、同1億円未満を中小企業に分類しています。

 

来年春闘、“高額”要求相次ぐ、物価上昇で労組側


 来年の春闘をめぐり、労働組合側の"高額"要求が相次いでいます。世界的なインフレに伴う物価高と実質賃金の低下に対して、危機感を覚える労働者側が声を上げ始めたものです。政府や経済界も理解を示していることから、長年にわたって停滞していた春闘が久しぶりに活性化する兆しにもみえ、経営側がどう応えるかが大きな焦点になっています。

 連合は12月1日の中央委員会で、定期昇給分の2%にベースアップ(ベア)の3%分を加えた「5%程度」の統一要求目標を正式決定しました。昨年までは4%要求を続けてきましたが、「家計と企業が急性インフレに対応するため」、ベア要求を1%上乗せした格好です。「官製春闘」が始まった2014年以降では過去最大の要求水準となります。

 大幅アップの要求のきっかけは、ロシアのウクライナ侵攻に端を発したエネルギー価格などの急騰による世界的なインフレのため。日本でも原油価格の上昇によって電気・ガソリン価格が上昇し、それが加工食品など幅広い分野に波及していることから、国民の生活防衛意識は急速に高まっています。

 総務省の消費者物価指数(生鮮品を除く)はデフレ景気によって20、21年と2年連続のマイナスでしたが、22年に入ると上昇。1%以下だった上昇率が4月に2%台に乗せ、9月には3%台に。直近の10月は3.6%まで上昇しています。これを反映して厚生労働省の毎月勤労統計も、月額賃金から物価上昇分を差し引いた実質賃金が4月のマイナス1.7%から10月の同2.6%(速報)まで7カ月連続のマイナスが続いています。

 

取材・文責 アドバンスニュース

 

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