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「多様な人材に選ばれる組織」が、持続的なビジネス成長を創る。「インクルージョン&ビロンギングレポート2024」
誰もが帰属意識を感じ、潜在能力を最大限に発揮できる職場環境のヒントをつかむ
「人的資本経営」が叫ばれる今、多くの企業が従業員のエンゲージメント向上や人材定着に知恵を絞っています。この先も選ばれ続ける企業になるためには、既存の社員を満足させるだけではなく、さらに多様なバックグラウンドを持つ人材を惹きつけられるような魅力的な組織文化の醸成が不可欠です。
ランスタッドの「ワークモニター調査2025」によると、専門職の10人中8人は、勤務先を選ぶ際に「帰属意識とコミュニティ意識」を重要な要素として位置づけています。この通り、「すべての人が活躍できる包摂的な環境」を構築するための取り組みの重要性は増しています。
ランスタッドは、世界39カ国で展開したインクルージョン&ビロンギング(I&B)推進活動をまとめ、「インクルージョン&ビロンギング グローバルレポート2024」(日本語版)として公開しました。そこでは、各国のランスタッドがそれぞれの地域の課題に向き合い、外部団体とのパートナーシップを通じて、多種多様な新たなチャレンジを続けている実態をレポートしています。
このレポートの事例を通じて、誰もが帰属意識を感じ、潜在能力を最大限に発揮できるインクルーシブな職場環境を育むヒントを探ってみませんか。
ビジネスに不可欠な経営課題へ。ランスタッドがI&Bを推進する理由
ランスタッドは、インクルージョン&ビロンギング(I&B)を単なる人事施策ではなく、事業継続に必須の経営課題と位置づけています。ランスタッド代表取締役会長兼CEOのサンダー・ヴァント・ノールデンデも、「人材不足が続く市場で競争力を維持するためには、すべての人材の潜在能力を最大限に引き出す必要があり、公平性がその鍵である」と述べています。この「社員が真に自分らしくいられるときにこそ最高のパフォーマンスを発揮できる」という信念が、世界中の多様な取り組みの原動力となっているのです。
「インクルージョン&ビロンギングレポート2024」にみる各国の事例
各国のランスタッドはどのようにインクルージョンを阻む課題に向き合い、どのようなチャレンジを繰り広げたのでしょうか。ここでは各国のランスタッドで行われた取り組み事例の一部をピックアップしてご紹介します。
日本:社員の主体的なキャリア形成を支援する、多様な取り組みが活発化
社内の女性ロールモデルによる「kizukuキャリアセッション」を開催
社員が自分の強みや可能性を再発見し、能動的にキャリア形成を考える場として、女性社員を中心に、キャリアデザインやワークライフバランスなどの経験を共有するウェビナーを開催しました。2023年、社員を対象に行ったアンケート結果を参考に、関心の高かった「キャリアデザイン」「能力開発」「キャリアアップ」「ワークライフバランス」の4つをテーマとして取り上げ、自身のキャリアを主体的に考えるきっかけをつくりました。
このほか、手話ERG(Deaf Lounge)のオフライン交流会や、ニューロダイバーシティERGによる障がいを持つ個人への合理的配慮に関する認知度向上のためのウェビナーを開催するなど、社員主導の取り組みも活発に行われています。
インド:ジェンダー問題に向き合う場を設ける
男性のメンタルヘルスとウェルビーイングに焦点を当てたBRGによる社内イベントの開催
イベントでは「男性のインターセクショナルなアイデンティティ」をトピックに、社内外のスピーカーがセッションを行いました。多様な背景やアイデンティティを持つ男性、その視点と経験を理解することの重要性などが語られました。ジェンダーに関する課題は女性に焦点が当てられることが多い中、男性固有の課題を取り上げたことは、先進的な取り組みと言えるでしょう。
ベルギー:ニューロダイバーシティ人材など障がい者のインクルージョンに尽力
自閉症を持つ人々のエンパワーメントを支援する組織とのパートナーシップ
2024年1月、ベルギーでは自閉症を持つ人々のエンパワーメントを支援する組織「Autimatic」と提携。このパートナーシップを通じて、ICT部門で自閉症を持つ6人の人材の雇用に成功しました。採用された人材は、複雑な文書作成プロジェクトで重要な役割を果たし、期待を上回る仕事ぶりを見せました。これによりAutimaticとのパートナーシップも拡大しています。
また、2024年9月には、障がい者のインクルージョンに特化した専門のワーキンググループを設立。このグループは、労働市場における障がいを持つ就労者の現状を深く理解し、誰もが働きやすい職場環境を整備するための包括的なインクルージョン・マニュアルの作成を目指しています。
アメリカ:有罪判決を受けた個人や退役軍人など、より多様なテーマによる取り組みを推進
フェア・チャンスBRGによる、一貫したオンボーディングポリシーの確保
過去に有罪判決を受けた個人をエンパワーメントする活動を行う「フェア・チャンスBRG」。当事者や擁護者をフィーチャーしたスピーカー・シリーズの開催や、インクルーシブな採用慣行を促進するためのセールス・ツールキットの作成などを実施しています。
フォース・フォー・ビジネス(F4B)による、退役軍人や軍人の配偶者に対するリソース提供とコミュニティ形成支援
F4Bでは主要な祝日に関連情報を連絡する、「退役軍人の日」のイベント開催、「リース・アクロス・アメリカ」への参加などの活動を行っています。
これらの支援は、ダイバーシティ&インクルージョンがいかにその国の文化や歴史と密接に結びついているかを浮き彫りにします。私たち自身の社会における「見過ごされている声」に目を向けるきっかけを与えてくれる、示唆に富んだ事例と言えるでしょう。
「インクルージョン&ビロンギングレポート2024」で視野を広げる
日本の多くの企業では、インクルージョンといえばジェンダー、LGBTQI+に対する取り組みが中心になりがちです。その一方で、ランスタッド・ジャパンを含むグローバル企業では、より広い視野を持ってさまざまな取り組みを実施していることが、今回ピックアップした事例を見てもわかります。
レポートにはこのほかにも、フランスでのシニア社員の活躍支援や、オーストラリアの障がい者雇用の成功事例など、日本の人事担当者にとっても必見の事例が掲載されています。こうした取り組みについてより深く知り、視野を広げることが、インクルーシブな職場環境を育むヒントとなるはずです。ぜひ本レポートをご活用ください。