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【インタビュー】ASMLが語る「勤労感謝ウィーク」挑戦の歴史が生んだ「Care」の文化と感謝の好循環
なぜ今、「感謝を伝え合う文化」が組織に必要なのか?
リモートワークの普及や働き方の多様化により、従業員同士のコミュニケーションは大きく変化しました。オフィスでの何気ない雑談が減り、以前よりも組織の一体感が希薄になったと感じる企業も少なくないのではないでしょうか。このような時代だからこそ、従業員エンゲージメントの重要性があらためて見直されています。
実際に、ランスタッド「エンプロイヤーブランドリサーチ 2025日本版」の結果でも、「1年前と比較してモチベーション/エンゲージメントが向上した要因」として、約24%の働き手が「職務に対する十分な評価と感謝」を挙げており、その重要性が伺えます。
毎年11月23日は「勤労感謝の日」。この国民の祝日を、従業員同士、そして経営者から従業員へ、日頃の想いを伝える特別な機会として活用してみませんか?感謝の気持ちを伝え合う貴重な機会として、これまでも多くの企業に勤労感謝ウィークに賛同いただきました。
今回は、半導体露光装置メーカーASMLが参画した2024年の取り組みや具体的な効果、成功の秘訣をご紹介します。
2025年 勤労感謝ウィークへの参画はこちらから
なぜASMLは「Care」を大切にするのか?――企業のDNAに刻まれたチャレンジとコラボレートの歴史
ASMLの勤労感謝ウィークへの取り組みの根底には、同社のコアバリューである「3C(Challenge/Collaborate/Care)」が存在します 。なぜこの哲学が生まれたのか。広報部長の木下様は、その背景にはASMLの歩んできた歴史そのものが反映されていると語ります。
【お話を伺った方】 ASMLジャパン株式会社
広報部長
木下 潤一 様
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ー ASMLについて教えてください。
ASMLは、最先端のEUV(極端紫外線)装置をはじめ、半導体製造に欠かせない露光装置とその技術を専門的に扱う企業です。半導体露光装置は、スマートフォン、AIデータセンター、医療機器はじめ、多くの電子機器に使われている半導体チップを製造するために使われています。本社はランスタッドと同じオランダにあり、昨年で40周年を迎えました。
日本法人では社員の大半がカスタマーサポートエンジニアです。お客様がいらっしゃる拠点のそばにオフィスを構え、装置の導入・立ち上げからメンテナンスや性能最適化のサポートなどを行っています。
ー 勤労感謝ウィーク参画のきっかけはどのようなことだったのですか。
コンセプトに、当社の考え方と通じるものがあったことですね。私たちは「3C(Challenge/Collaborate/Care)」をコアバリューとしています。
原点は「Challenge」の歴史
ASMLは40年前、フィリップス社から独立した数十人のエンジニアで始まった小さなメーカーでした。当時の半導体露光装置分野は、日本の競合企業が市場を寡占していたため後発には厳しい状況で、まさに挑戦の連続がASMLの歴史そのものだったのです。
成長の鍵は「Collaborate」
当時、露光装置の開発に欠かせないレンズの高度な製造技術や知見を持っていなかったASMLは、ドイツのカールツァイス社と提携して共同開発を進めてきました。ほかにも膨大な数の社外パートナーと協業を重ね、巨大な装置を創り上げました 。成功にはCollaborateが不可欠だったのです。
行き着いた哲学「Care」
ChallengeとCollaborateを成し遂げ、さらにはASML として成長していくためには、他者に対するケアが欠かせません。今や半導体の技術はスマートフォンや医療機器などを通じて社会に貢献しています。自分たちがケアやリスペクトを心がけることが社会のためになるという意識も、この文化を支えています。
勤労感謝ウィークは、3Cの中でも「Care」をまさに体現するイベントとして捉えています。
ー 勤労感謝ウィークで開催されたイベントについて教えてください。
2023年~2024年は「社会」への感謝を形にしたチャリティ企画を実施しました。オランダ出身の画家フィンセント・ファン・ゴッホの作品を中心に展示しているゴッホ美術館とコラボしたタンブラーなどを、従業員向けにチャリティ販売するというものです 。その収益金と同額を会社も負担し、集まった金額をNPO 法人に寄付しました。
タンブラーがオフィスへ届いた際には、各オフィスで飲み物と食べ物を用意してちょっとしたお茶会のようなイベントを実施し、社内コミュニケーションの活性化にもつなげました。
ー 2025年はどのような取り組みを考えていますか。
2025年は趣向を変え、11月に名古屋と広島の2カ所で開催予定のカンパニーパーティーで、より「従業員」への感謝を体現する企画を用意しています。
カンパニーパーティーでは先ほどの3Cの考え方を確認し合い、皆さんに対する感謝、日頃の頑張りに対する感謝の気持ちをお互いに示し合っています。
そして今回の企画の目玉は、従業員によるバンド演奏です。仲間と練習を重ねて本番に「Challenge」し、共に音楽を奏でる「Collaborate」を通じて、お互いの頑張りに感謝し合うことで「Care」するという、まさに「3C」を体現する企画となっています。
感謝の気持ちを交わすだけでなく、自分たちもエンジョイしながら、みんなでバンド演奏するというのがASMLらしいところだと感じています。2024年までの社会全体という広い対象への感謝から、今年は肌で感じ合うコミュニケーションを通じた従業員同士の感謝を重視したいと考えているところです。
「感謝」は日常に宿る。ASMLのカルチャーを育むさまざまな仕掛け
ー 勤労感謝ウィーク以外にも、社員のエンゲージメントを高めるための取り組みはありますか。
全社で集う機会
年4回、ASMLジャパンとしてのAll Employee Meetingを実施しています。全国各地に拠点があり1カ所に集まるのは難しいので、オフィスごとにハイブリッド形式で実施し、その様子を録画して当日参加できなかった人も後で見られるようにしました。
ミーティング後はフォローアップセッションとして、軽食や飲み物を用意し交流の席を設けています。なかなか顔を合わせる機会がないので、新たに入社したメンバーを紹介する機会にもなっています。
拠点ごとのユニークな交流――国籍を超えてチームワークを深める工夫
オフィスごとにミーティングの趣向が違うのも面白いところです。例えば、熊本のオフィス長は釣りが好きで、キスをたくさん釣ってきてオフィスで揚げ、できたての天ぷらを従業員に振るまったと聞いています。実は、熊本オフィスは外国籍のスタッフ比率がかなり高いのです(※)。国籍の違いを超えるには、こうした手作り感やチームワークを深める工夫が大事になってくると考えています。
※ ASMLジャパンでは海外から来日しているエンジニアも多く、全従業員の約3割、拠点によっては半数以上を外国籍のスタッフが占めている。
社員が主役の活動
社員が主体となって企画するコミュニティ活動「GPTW(Great Place to Work)」も実施しています。仕事以外の時間で、例えばアウトドア活動などを計画し、部門を超えた横のつながりを生み出そうとしています。
今後の展望:オフィスから地域コミュニティへ、広がる「Care」の輪
ー 今後の勤労感謝ウィークや、従業員エンゲージメントに関する取り組みについて考えていることはありますか。
少しずつ始めているところではありますが、今後はオフィスごとに、組織として「地域コミュニティとのつながり」を作っていきたいと考えています。
例えば広島オフィスは、酒蔵の町として有名な西条に位置し、オフィスから徒歩5分ほどのエリアに有名な酒蔵が何軒か連なっています。毎年周辺のコミュニティ主催で酒蔵でボランティアをする企画があり、弊社広島オフィスも参加しています。広島オフィスも外国籍スタッフが多いので、日本酒を通じて日本文化に触れる機会にもなり、このボランティアも楽しめるのではないかと思います。
勤労感謝ウィークは「自社の取り組みを再発見する機会」
今の時代、従業員に対してエンゲージメント向上の取り組みをする企業はかなり多いはずですよね。勤労感謝ウィークは、そういった取り組みを振り返り整理するいい機会にもなるのではないでしょうか。こういった機会がないと、今後に向けて考えていくことも忘れがちになりますし、気付きを得られる機会としてもありがたく感じています。
全国に感謝を伝え合う職場を。「勤労感謝ウィーク2025」参画企業を募集します
ランスタッドは、2025年11月10日(月)から23日(日・祝)まで「勤労感謝ウィーク」を開催するにあたり、本プロジェクトにご参画いただける企業を募集しています。人材不足が課題となるなか、従業員エンゲージメント向上のためには「十分な評価と感謝」が重要です。
ご参画いただいた企業様には、社内でご活用いただけるオリジナルデザインのバナーなど、感謝のメッセージツールをご提供します。さらに、各社の取り組みを特設ページでご紹介するほか、プロジェクト終了後には、情報交換の場として毎年ご好評をいただいている交流会にもご招待いたします。この機会に、感謝の気持ちを伝え合う文化を一緒に育てていきませんか。
勤労感謝ウィーク2025 開催概要 【期間】2025年11月10日(月)~23日(日・祝)
【参画企業】株式会社アドワールド、株式会社エイブルコーポレートサービス 他、ASMLジャパン株式会社、オリックス銀行株式会社、株式会社キングジム、株式会社サーラコーポレーション、株式会社SAKURUG、シロタ・ウェルス・アンド・ウェルビーイング・アドバイザーズ、大東ガス株式会社、株式会社ティアフォー、ランスタッド株式会社、株式会社ロッテ (50音順、2025年10月15日現在) 【後援】 オランダ王国大使館、在日オランダ商工会議所 【応募締切】 2025年11月1日(土) 【参画費】 無料 |