- 総合人材サービス ランスタッドTOP
- 法人向けHRブログ workforce Biz
- 2026年・準備と対応が必要な労働法制(上)障害者雇用の法定雇用率2.7%へ。カスハラから従業員を守るための対応を企業に義務化
2026年・準備と対応が必要な労働法制(上)障害者雇用の法定雇用率2.7%へ。カスハラから従業員を守るための対応を企業に義務化
2026年は企業にとって準備と対応が必要な労働法制の施行が目白押しです。法律違反を回避するだけでなく、法令順守で企業イメージの発信につながる項目があるのも特徴です。どのような法律が施行され、検討されているのか、今号から(上)(中)(下)の3部構成で注目の労働法制のポイントをお伝えします。最初のテーマは、企業などに義務づけられている障害者雇用の法定雇用率の引き上げと、顧客が理不尽な要求や迷惑行為をするカスタマーハラスメント(カスハラ)に対する企業対応についてです。
7月施行・障害者雇用の法定雇用率引き上げ
事実上の罰則規定もある障害者雇用の法定雇用率が、7月から現行の2.5%から2.7%に引き上げられます。障害者の雇用数は年々増え続けているものの、就労環境が広がっているかどうかとなると、課題山積というのが実情です。
今回の法定雇用率の改定は障害者雇用促進法の見直し規定に基づくもので、23年3月時点で2.3%だった法定雇用率は、約3年間で0.4%引き上げられることになります。これに伴い、毎年6月1日時点での障害者雇用状況をハローワークに報告する義務がある企業規模は、40.0人以上から37.5人以上に広がります。
民間のシンクタンクによる「企業の障害者採用に関する調査」によると、施行される法定雇用率2.7%の達成について、過半数が「困難」「やや困難」と答えています。「困難」な企業は19.2%、「やや困難」な企業は33.4%で計52.6%。企業が求める障害者の人材は「安定・定着志向の人材」が45.7%で最も多く、次いで「バランス志向の人材」が36.0%となり、「成長・活躍志向の人材」は18.3%にとどまっています。
厚生労働省では「雇用の質」を軸にした障害者雇用のあり方が検討されており、転換点を迎えるなかで企業対応の重要度が増しています。
![]()
10月施行・就活中の学生に対するセクハラも防止
顧客が理不尽な要求や迷惑行為をするカスハラから従業員を守るため、10月からすべての企業や自治体に対策を義務付けます。併せて、就職活動中の学生に対するセクシュアルハラスメント(セクハラ)も防止義務を課します。
カスハラについて厚労省が示した事例として(1)土下座を強要(2)交流サイト(SNS)への悪評投稿をほのめかして脅す(3)無断撮影(4)必要のない質問を執拗に繰り返す(5)長時間の居座りや電話での拘束(6)契約金額の著しい減額の要求――などを提示。事例以外にも、働く人の就業環境が害される場合には相談に応じて処置するなど、企業に適切な対応を促しています。対応方法として、可能な限り従業員を一人で対応させず、労働者は管理監督者に直ちに報告し指示を仰ぐことなどを示しました。
一方、採用面接を受ける学生やインターン参加者などへのセクハラ防止については、インターンシップで性的な冗談やからかいを意図的・継続的に行うことや、執拗に私的な食事に誘うことを典型的な「就活セクハラ」と定義。企業は防止策を講じる必要があるとしており、施行に向けて速やかな準備が必要です。