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製造業の未来を担うZ世代を惹きつけるには?イメージの壁を越える採用戦略
Z世代の若者たちが次々と学業を終えて社会に出始めています。製造業の企業にとって、彼らが持つ革新性、スキル、そして新しいマインドセットは大きな利益をもたらすはずです。しかし、Z世代が持つ価値観は、X世代やミレニアル世代の従業員とは大きく異なります。優秀な人材を惹きつけ続け、彼らのポテンシャルを最大限に引き出すためには、製造業側が歩み寄り、変化していく必要があります。
この記事では、製造業がZ世代を採用する際に直面する現状を整理し、この世代を取り巻く「誤解」や「偏見」を解消していきます。
Z世代を惹きつけるヒントがここに。
Z世代は製造業をどう見ているのか?
その答えは、誰の意見を聞くかによって変わります。Z世代の最も年長な層は1990年代後半に生まれ、大半は2000年代前半から2010年代にかけて誕生しました。そのため、彼らのキャリア志向について、今すぐ決定的な結論を下すのは時期尚早かもしれません。
一部の調査*1では、Z世代は製造業の仕事を「低賃金で肉体的にハードなもの」と決めつけ、拒絶していると指摘されています。その一方で、別の調査では、Z世代が専門技能を活かせる製造業中心のキャリアに対してオープンな姿勢を持っていることも示されています。
信頼する情報源がどれであれ、製造業界の雇用主たちの実体験(エピソード)によれば*2、Z世代の人材を惹きつけ、定着させることは、いまだ克服できていない大きな課題であるようです。

しかし、データ*3を詳しく見ていくと、楽観視できる理由も見えてきます。確かに採用は難しいかもしれませんが、Gallup社の調査・研究専門家*4によれば、Z世代は製造業のキャリアで求められる「技術的な主題」に高い関心を示しています。問題は、学校教育やメディアにおいて、こうした分野に触れる機会が不足していることにあるのです。製造業が将来の労働力として彼らから選ばれる存在になりたいのであれば、今すぐZ世代とのエンゲージメント(接点)を持ち始める必要があります。
Z世代が職場に求めているものとは?
「Z世代は『静かな退職(Quiet Quitting)』を決め込む世代だ」*5「働く意欲がない」*6といった声をよく耳にします。しかし実際には、こうした偏見は事実に裏打ちされたものではありません。Z世代自身は、自分たちを「野心的」であると考えており、成功への意欲も持っています。*7

世間の誤解は、おそらく「Z世代が大切にする価値観」と「企業が提供するもの」のミスマッチから生じているのでしょう。一般的に、Z世代が仕事を選ぶ際に重視する要素は以下の通りです。
意味のある仕事: マッキンゼーの調査*8によると、仕事に意義を感じられるかどうかは、Z世代が就職を検討する際の最優先事項の一つです。
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バランスの取れたライフスタイル: 柔軟なスケジュールやリモートワークの可否は、他の世代に比べて、Z世代にとっては譲れない条件(ディールブレーカー)になりやすい傾向があります。*9
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共感してくれる雇用主: Z世代は、職場での自分たちのニーズを理解しようと努力してくれる雇用主を選ぶ傾向があります。*9
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実生活との関連性: Z世代は、自分のプライベートな生活に影響を与えるような業界や企業で働くことを好みます。*10
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成長の機会: 長期的な昇進の見通しや、プロとして学び、成長できるチャンスは、Z世代にとって強力な引き付け要素となります。*9
これらの価値観を企業姿勢に反映させることに成功したメーカーは、競合他社よりも優位に立ち、Z世代のトップパフォーマーを採用・定着させることができるでしょう。
Z世代を惹きつけるヒントがここに。
Z世代を惹きつけるために、製造業界ができること
製造業がZ世代の人材を確保する上での最大の障壁は、その「イメージ」にあります。丁寧なコミュニケーションと採用ブランディングに取り組むことで、自社がいかにダイナミックで先見性のある職場であるかを示すことができます。
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仕事の意義と関連性を示す: どんなに特殊な製品であっても、現実の世界で価値ある役割を果たしています。自社の製品がその先でどこに行き着き、ターゲットとするZ世代の応募者たちの生活にどのような影響を与えているかを伝えてください。
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成長への道を切り開く: 製造業は階層構造がしっかりしている傾向がありますが、これはキャリアアップを重視するZ世代にとって、むしろ魅力となり得ます。組織の多様性を受け入れ、新入社員が自分の部署以外の部門でも学び、経験を積めるようにしましょう。これにより、彼らが切望する「自律性」が生まれ、自分自身の成長をコントロールしているという実感が持てるようになります。
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柔軟性を取り入れる: これは製造業が最も苦労する分野です。生産現場の役割の多くはリモートワークが不可能であり、それが柔軟性を重視するZ世代を遠ざける要因になっています。しかし、適応の方法はあります。現場勤務であっても、柔軟なシフト制や始業時間の調整は可能でしょうか? 従業員のワークライフバランスを支援する福利厚生を導入できるでしょうか? あるいは、考え方を変えてみてください。「リモートのような柔軟性はないかもしれないが、規則的なシフトによる予測可能性は、良好なワークライフバランスを築く助けになる」とポジティブに伝えることも一つの手です。
常に「Z世代」を意識
Z世代を惹きつけるには、マインドセットの転換が必要です。彼らが優先する事項を常に意識するために、ぜひ「Z世代の5つのキャリア動機」をまとめたインフォグラフィックをダウンロードしてください。オフィスに掲示したり、自社ブランドに合わせて加工してプレゼンテーションに活用したりして、貴社のコミュニケーションと採用活動が、ターゲットとする層に確実に響くようにしましょう。
Z世代を惹きつけるヒントがここに。
[出典・参考資料]
本記事は以下の情報を参考に作成しました。
[1] Fast Company:Z世代が製造業を避ける理由についての調査
[2] Aerospace Manufacturing and Design:Z世代に届き始めた製造業のメッセージ
[3] McKinsey:製造業におけるZ世代の採用と定着の秘訣
[4] Gallup:Z世代におけるSTEM分野のジェンダーギャップ調査
[5] Randstad:『静かな退職』が予想以上に深刻な問題である理由
[6] CNBC:『静かな退職』の次に来る『不満を抱えたままの勤務(Resenteeism)』問題
[7] Randstad:従業員エンゲージメントに関するワークフォース・インサイト
[8] McKinsey:Z世代をインスパイアし、製造現場に定着させる方法
[9] Randstad:最新の労働市場動向『ワークモニター』
[10] Deloitte:職場におけるZ世代の理解を深めるために