選考面接を最適化:優秀な人材を見つけるために正しいステップを踏めていますか?

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採用プロセス(※1)にはさまざまな重要要素があります。募集ポジションについて正確に説明するとともに優秀な人材の関心を引くためのよく練られた職務明細書(ジョブ・ディスクリプション)を用意すること(※2)や、人材紹介においては確かなリファレンスチェック(※3)もその一つです。

直接雇用の場合、スキル評価の観点から言えば、一連の採用プロセスにおける山場の一つが面接です。履歴書やLinkedInのプロフィールではわからない領域に踏み込み始めます。面接は応募者の経験や能力を詳しく知ることはもちろん、本人の人となりや個性を深く探る機会であり、その人が将来の仲間や上司、会社全体にうまくなじめるかを見極めるうえで極めて重要です。企業、求職者共にその企業で働きたいのかそうでないのか、その求職者を仲間にしたいのかそうでないのかが最終的な合否ポイントです。

この点を踏まえ、人材の採用プロセスから最大の価値を引き出し、優秀な人材を見つけ出すために面接方針の練り直しを検討することには十分価値があります。

このブログでは、次の3段階についてご説明します。

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計画・準備

人事業務その他ビジネス全般の多くの側面と同様、面接プロセスも綿密な計画によって効率性や生産性を高めることができます。それぞれの応募者についてできるだけ詳しく知りたいと思っても、限られた短い時間しかありませんので、毎回の面接の場を有効活用するには準備が鍵を握ります。

 

現実的な計画を立てる

まずは、スケジュールに無理のない現実的な面接計画を立てているか改めて確認しましょう。つまり、会議室の予約の確認、そして漏れのない面接を行うための十分な時間の確保です。そして面接前の予定に余裕をもたせておくことも大切です。オンタイムで面接を開始できます。面接終了直後にも第一印象やその時の考えをすぐに記録しておくための時間が必要です。

忘れてならないのは、面接プロセス(※4)は企業が求職者を評価するためだけのものではないということです。求職者が企業をもっとよく知り、そこで働きたいと思うか、そうでないか見当を付ける機会でもあります。

面接開始時間の遅れや会議室予約の手違いなどのトラブルは企業としての印象を悪くし、需要の高い人材が自分の才能はどこか別の場所で活かそうと考えるリスクが高まります。

 

応募者について調べる

面接の計画・準備段階におけるもう一つ重要なポイントは応募者のリサーチです。

スキル、経験、資格、その他の履歴書に書かれた情報に始まり、LinkedInプロフィールから収集できるさまざまな情報に至るまで、本人に関する情報をすべてチェックするための時間を確保してください。また、人物像を詳しく捉える手段としてLinkedIn以外のソーシャルメディアプラットフォーム(※5)での活動をどの程度チェックするかを考えておく必要があります。

応募者をよく知るにつれ、準備段階の次のステップ、「面接時の質問を考える」の精度が高まります。

 

質問を考える

面接時の質問の一部は全員に尋ねる共通質問です。例えばオフィス系ポジションの適性を見極める場合は、次のような質問が考えられます。

  •       前職での主な担当職務を教えてください。
  •       前職で経験した問題とそれをどのように解決したかを教えてください。
  •       前職のどのような部分にストレスを感じましたか?
  •       どのように対処しましたか?

公平性と一貫性のために全員に尋ねる基本質問を用意することが大切ですが、同時に相手の事情や受け答えに応じて質問を変える必要がある場合もあります。例えば職歴に間があるので確認したい、過去の役割に関する説明をもっと詳しく聞きたいといったケースです。

既成概念にとらわれない考えや臨機応変な自然な対話を促すために、意外な質問や自由回答式の質問(※6)をするのも良い方法です。型通りの答えやリハーサル済みの答えを離れることによって、本人の姿を深く捉えることができます。

 

質問に備える

面接は企業が応募者のスキルを評価する場であるだけでなく、応募者にとっても企業を知る機会であることを改めて思い出してください。応募者に会社を売り込む一つの効果的な手段でもあるのです。

従い、面接時に応募者に自分たちのことを詳しく説明し、質問に答える準備を整えておく必要があります。

面接の準備段階において次のポイントを見直すと、相手から聞かれそうな質問を予想できます。

  • 企業や企業ブランドの背景にどのようなストーリー(※7)があるか?
  • 企業としてのアピールポイントは何か?
  • 現在どのような課題を抱えているか?
  • そのポジションをなぜ募集しているのか?
  • どのような報酬制度、評価制度が設けられているか?
  • 今後数年の全社目標は何か?
 
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面接を実施する

実際に面接を行う段階に入ったら、会話の流れと知りたいポイントを常に明確にしておく必要があります。多くの企業の共通ポイントとして、次の3つの側面にフォーカスしながら応募者を見極めることが大切です。

      •       職務との適合性
      •       上司との適合性
      •       会社との適合性

これによって本人の能力やポテンシャルの全体像を捉えると同時に、企業文化(※8)や一緒に働く仲間とのなじみの良さをつかむことができます。

 

会話を始める

面接の冒頭では特に、緊張する応募者もいます。ですからまずはその緊張を解く方法(※9)を考えるとよいでしょう。例えば、面接官であるあなたが常に落ち着いてふるまう、会社までの道のりをざっくばらんに尋ねる、相手がリラックスして自由に話せるよう明るいトーンで話すなど。緊張が言動に影響すると、組織とのなじみの良さを正確に判断できなくなりますので大事なポイントです。

面接冒頭ではもう一つ重要なステップがあります。自分の役職や経歴を含む簡単な自己紹介と会社の概要説明、そのポジションの募集理由の説明です。

また、本題に入る前に、面接の進め方、所要時間、その後について忘れずに説明してください。

自分、会社、面接に関する説明が一通り済んだら、募集ポジションと組織に照らして本人の適性をチェックするための質問に移ってください。

 

職務との適合性

面接の一番の目的は、高い水準で職務をこなせるだけの能力がその応募者に備わっているかどうかの見極めです。その職務に必要なスキルと経験があり、良い仕事をする嘘偽りのない意欲があり、会社とともに学び、成長する(※10)心構えのある人材を見つけなければなりません。

職務との適合性を判断するために、例えば次のような質問が考えられます。

  • 直近の業績評価において、あなたの評価者はあなたの一番の強みは何だと言っていましたか?
  • 自分の改善点を教えてください。
  • この仕事のどのようなところに興味を持ちましたか?楽しめそうだと思いましたか?
  • この仕事のどのようなところが難しそうだと思いますか?

 

質問の大部分は事前に用意されたものになると思いますが、相手の答えによってはその場で質問を追加することになりますので、その心づもりも必要です。特定のポイントを広げたり、もっと詳しい答えを得るために質問を言い換えたり、微調整することもあるかもしれません。

面接中は応募者の答えの組み立て方に注意を払い、気付いたことを記録するメモの準備が必要です。例えば、過去のミスの経験や弱点を聞く場合は、自分の不十分な点を認識しつつ、スキルセットを磨き、広げる意欲があることを示す手がかりに注目してください。誠実に学ぶ意欲のある人は、技能はあるけれどもやる気に欠ける人よりもおそらく雇用の価値があります。

 

上司との適合性

上司と部下の関係性は組織の全体的健全性、効率性、生産性に大きく影響します。ですから応募者と将来のボスとのなじみの良さは必ずチェックしてください。

質問の仕方を工夫し、応募者がこれから一緒に働く上司の価値観、仕事の理解、全体的な物の見方を共有できるか判断材料になるような答えを導き出してください。

例えば次のような質問が考えられます。

  • あなたにとってのこれまでで一番の上司を教えてください。なぜそう思いますか?
  • 一緒に働きにくいなと思った上司について教えてください。
  • 上司のやり方に不満を持った時のことを具体的に教えてください。その状況にどのように対処しましたか?

 

答えを聞いたら、組織の中でよく用いられているマネジメントスタイルに照らして、その答えを分析します。応募者が一緒に働く人(あなた自身であれ、別の誰かであれ)のマネジメントスタイルや、部下とのコミュニケーション方法、士気を高める方法が独特である場合は特に重要です。

 

会社との適合性

その応募者が会社にうまく溶け込めるかをしっかり見定めることによって、採用ミスのコストを回避できます。求人募集をやり直すための費用も、欠員が補充されるまでの生産性の低下もコストです。応募者と職場環境、周囲の仲間、会社の価値観との適合性は常に面接の重要テーマであり、大事な着目点です。

こうした特性を捉えるには、次のような質問が考えられます。

  • これまでの勤務先の中で一番楽しく働いていたと思う会社を教えてください。それはなぜですか?
  • チームがうまく機能していた時のことを教えてください。
  • チームの成功の鍵は何だったと思いますか?
  • 当社について知っていることを教えてください。

 

答えの中に見つけるべき手がかりは、例えば「私」ではなく「私たち」が多用されていること。その人が生来のチームプレイヤーであることの証と解釈できます。また、職場での争いや意見の対立を避けては通れず、むしろ注目すべきは起きた状況に対処する能力だということを常に頭に置いてください。

会社との適合性の見極めは採用プロセスにおける要点の一つであり、テクノロジーの活用が有効です。特に現在はリモートでの採用活動やオンボーディング(※11)が広がっています。

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面接後のフォローアップ

評価と質問が完了し、応募者からの質問にも答えたら、来社に感謝の言葉を述べ、今後のステップを説明して面接を終了します。特に、いつ、どのように結果がわかるかを必ず伝えてください。

面接が終了したら、間をあけずに第一印象や感じたことを記録しておきます。次のポイントに沿って考えるとまとめやすくなります。

  • 応募者の最も明らかな強みと弱みは何か?
  • 見受けられた能力不足、経験不足は研修や能力開発によって補うことができるか?
  • チームや組織にうまくなじめそうか?

 

応募者について意見をまとめたら、今後のステップを決める前に、面接の結果や面接からわかった情報を関係者に伝えます。

応募者は面接を受けるために時間を費やしています。ですからできるだけ早く結果を知らせることが大切です。その先のステップを見送ることにした場合は、面接のフィードバックとその判断に至った理由を伝えましょう。

 

※2 https://workforceinsights.randstad.com/download-guide-to-writing-successful-job-descriptions
※3 https://insights.randstadsourceright.com/randstad-sourceright-insights/reference-checks-an-untapped-source-of-qualified-passive-candidates
※4 https://www.shrm.org/resourcesandtools/tools-and-samples/toolkits/pages/interviewingcandidatesforemployment.aspx
※5 https://www.businessnewsdaily.com/2377-social-media-hiring.html
※6 https://www.monster.com/career-advice/article/15-totally-open-ended-interview-questions
※7 https://blog.hubspot.com/marketing/storytelling
※8 https://www.randstadrisesmart.com/blog/how-company-culture-shaping-employer-branding
※9 https://www.shrm.org/resourcesandtools/hr-topics/talent-acquisition/pages/interview-ice-breakers-7-questions-to-segue-into-meaningful-candidate-conversations.aspx
※10 https://blog.shrm.org/blog/employee-training-development-methods-types-ideas-shrm19
※11 https://www.randstad.com/workforce-insights/talent-management/remote-onboarding-here-to-stay-heres-how-to-get-it-right/

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