ポストコロナ時代にとるべき人材戦略 イノベーションを加速させる派遣人材の獲得

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働き方改革とコロナ禍により、多くの日本企業が人材戦略の見直しを迫られています。先の見えない今、注目を集めるのはスキル重視のジョブ型雇用や副業・複業といった多様な働き方。

人材獲得と採用の違いを理解し、企業として困難な課題を乗り越え、チャンスを捉えていくことが重要です。ポストコロナを見据え、人事部は果たしてどんな人材を獲得すべきなのでしょうか。

2021年3月23日(火)~25日(木)に、ランスタッドが全国の人事・総務・労務担当者を対象にオンラインで実施した『今後の採用・人材獲得に関するアンケート』(n=880)。その結果から日本企業の現状をレポートし、これからの人材戦略を考えます。

 

今後の成長を視野にアクセルを踏み込むタイミング

過去6カ月間の人材施策を見ると、派遣社員を減らした企業は24.3%、日雇い・アルバイトの人数を減らした企業は21.9%。非正規雇用人材の人数を減らした企業が多いという実態が明らかになりました。長引くコロナ禍の影響により、人材コストを抑えたいという企業が多かったと考えられます。

一方、今後6カ月間の人材採用については、過去6カ月間と比較すると、すべての雇用形態で「増やす予定」が増加。特に正社員(中途社員)を増やそうと計画している企業は26.9%にのぼり、過去6カ月間の採用実績(12.5%)と比較すると14.4%の増加となっています。

市場動向や労働環境が大きく変化し続ける今。時代の転換期ともいえる危機的状況でアクセルを踏めるかどうか、人材投資ができるかどうかが、ポストコロナ時代を迎えたときの成長の差となることでしょう。
とはいえ、先の見えない状況がこれからも続いていくのは明らか。このタイミングで思い切った施策を打ったり、正社員を採用したりするのには躊躇する企業が多いのもまた事実でしょう。

 

成長分野を支える人材の獲得競争が激化

ランスタッドの調査によると、今後6カ月間で「欠員補充」を目的に人材を採用する予定の企業は38%でした。一方で「新たな成長分野においての新規人材獲得」を目的とする企業は26%、「体制変更による人員増員」が27%、2つを合わせると過半数を超える結果となりました。

欠員補充は既存ビジネスを継続させるため、新規人材獲得や人員増員は成長分野へのトランスフォーメーションと捉えることができます。ポストコロナに向けた新規事業立ち上げや、環境が大きく変化する市場でのビジネスチャンスを勝ち取るために、今こそ人材に投資しようという企業が動きはじめています。

成長分野を牽引していくエキスパートや、新しいアイデアを生み出すイノベーション人材の獲得競争がすでにはじまっており、今後は優秀な人材の獲得戦略がより一層重要となってくるでしょう。

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人材ポートフォリオに応じたニーズ

人事の担当者であれば「人材ポートフォリオ」という言葉を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。それは、企業の成長戦略のために必要なスキル・役割を持つ人材を適切に配置するための考え方や分析のこと。ポストコロナ時代に飛躍するためには、これまで以上に人材ポートフォリオの重要性が増していきます。

調査の結果を見ると、企業が新たな成長分野の採用職種として最上位にあげているのは20.3%の「営業職」。次いで「技術系(機械・電気・電子・化学)」が17.0%、「エンジニア」が13.7%という結果となりました。
「営業職」においては法人営業、「エンジニア」においてはWebやシステム設計・開発が多く挙げられており、この分野に力を入れていこうという企業の方針が伺えます。ポストコロナに成長を目指す企業が、これまで以上にBtoBサービスやデジタル化の分野に力を入れていくと予想されます。

欠員補充の職種としては、「事務・アシスタント職」「営業職」が16%と最も多く、次いで「製造系」が14.1%。こちらは主に既存事業のオペレーション人材としての役割が求められていると考えられます。

グラフ2_0416

 

派遣人材に求められる役割の変化と成長分野での柔軟な採用

これまでオフィス系では「事務・アシスタント職」での採用が主流であった派遣人材。しかし今回の調査では、派遣社員にも法人営業や技術系の職種、エンジニア人材を求めていることが明らかになりました。さらに成長分野での採用職種として、マーケティング戦略立案や営業企画などを担う「企画・マーケティング職」を派遣社員に求める動きも見受けられました。働き方が多様となった今では、これまで正社員として採用していた職種でも、スキルのある派遣社員を活用しようとしている様子が見てとれます。

ただでさえ先行きの不透明なVUCA*の時代。リスクが伴う人材投資を避けたい企業は、「スキルを持つ派遣社員を状況に応じて柔軟に採用する」という人材戦略が有益であると判断しているのです。ポストコロナを見据え、必要なタイミングで専門スキルを持つ派遣社員を即戦力として採用するのは、理に叶った活用法と言えるでしょう。
今後も法人営業やエンジニアなどの成長分野やイノベーション人材における、有期での派遣社員の活用は加速していくことが予想されます。

 

これからの人材戦略まとめ

これまで派遣社員と言えば、ノンコアの定型業務を任せるというイメージが一般的だったかもしれません。しかし変化の激しい今の時代、スキルのある派遣社員をスピーディーに採用し、適材適所に配置して成長を生み出すための人材戦略をとる企業が増えてきました。既存の考え方や手法に固執することなく、イノベーションを加速させるために成長分野への派遣人材の獲得を検討してみるのもよいでしょう。

 

*Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の意

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