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2026年春闘、中東情勢が不透明要因。中小企業の賃上げ、大企業下回る
中小で「6%以上」と答えた企業、わずか7.2%
2026年春闘は連合が掲げた「3年連続の5%以上賃上げ」という大目標は実現しそうな勢いです。しかし、格差是正に向けた「中小は6%以上」目標は実現困難な見通しとなり、結果として物価上昇を上回る賃上げが実現するかどうかは不透明な状況になっています。
連合が発表した4回目の集計によると、全体では1万6879円、賃上げ率5.08%と5%の大台を維持。しかし、組合員300人以上の大・中堅企業が1万7209円、5.10%なのに対して、300人未満の中小企業は1万3394円、4.84%となり、金額、率ともに開きが出てきました。
連合は今年、大企業と中小企業との格差是正に向けて「中小組合は6%以上」と目標を分け、中小が大企業を上回る賃上げを目指してきました。しかし、結果は目標から大きくかけ離れ、格差は拡大しそうな情勢になっています。むしろ、24年の4.45%、25年の4.65%を上回るかどうかが現実的な目標になっています。
多くの中小企業にとって、大幅賃上げは最大の経営課題になっていますが、体力的に"賃上げ疲れ"が出てきていることも事実です。東京商工リサーチが2月初めに実施した調査では、賃上げ予定企業の賃上げ率で最も多かったのは「3%以上~4%未満」で、大企業は39.5%、中小企業は32.5%を占めました。連合が掲げる「5%以上」の企業は全体では35.5%あった一方、中小で「6%以上」と答えた企業はわずか7.2%でした。
大手からの受託業務の多い中小企業は、物価上昇に伴うコスト増を十分に価格転嫁できない企業が多く、同社の調査でも25年度中に取引先との価格協議で「一部転嫁できた」企業は49.3%、「十分転嫁できた」企業は7.9%に過ぎず、両者を合わせても6割程度。春闘結果もそれを裏付ける水準になっており、価格転嫁分を賃上げの原資にするには"力不足"の感が否めません。しかし、人材の引き留め策として賃上げせざるを得ない中小の実態は、昨年以上に厳しいものがあり、対応できない企業の淘汰が進みそうです。
実質賃金のプラス定着に、中東情勢の"試練"
一方、全体の実質賃金を「1%上昇軌道」に乗せるという目標は視界良好になっています。厚生労働省の毎月勤労統計によると、2月速報値(従業員5人以上)では物価上昇分を差し引いた実質賃金指数(20年=100、持ち家の帰属家賃を除く)が82.0(前年同月比1.9%増)となり、1月の同0.7%増に続いて2カ月連続のプラスとなったからです。
従業員規模も、30人以上の事業所では1月が1.1%、2月が2.5%と平均を上回っており、2年連続で5%超の賃上げを実現した結果、実質賃金のプラス転換に結び付いたとみられます。今年も5%以上が実現する見通しであることから、プラスの勢いが定着する可能性はありそうです。
しかし、ここに来て中東情勢の不安定化が不透明要因として大きな懸念材料になりつつあります。中東の原油輸入がストップする事態が長期化する懸念から、原油の先物価格は急騰し、すでにナフサなど石油由来製品の価格上昇が本格化しているためです。今年になってようやくプラス転換した流れを持続できるかどうか、中東情勢から目が離せない状況が続きます。
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