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春闘、大手の「満額回答」相次ぐ 企業側が物価高、人手不足に対応
昨年は5.10%と33年ぶりの高い賃上げ率を実現
今年の春闘は3月12日、金属労協系の大企業を中心にした集中回答日を迎えました。物価高騰や人手不足を背景に、昨年に続く高水準の回答が相次ぎ、賃上げ機運を盛り上げました。
自動車では、トヨタ自動車が労組の「最高水準」の賃上げ要求に5年連続の満額で応じていますが、平均賃金の引き上げ額は公表していません。ダイハツ工業も月2万1200円(定期昇給とベースアップの合計)の要求に満額回答。一方、日産自動車は1万8000円の要求に対して、1万6500円で回答しました。
電機では、各労組がベア相当分として1万7000円を求めていましたが、日立製作所、NEC、富士通は満額回答、三菱電機は1万5000円。重工では、三菱重工業、川崎重工業、IHIともベア1万5000円の満額回答でした。
一方、12日以前に回答した企業もあり、自動車部品大手のデンソーは過去最高の月2万3500円、牛丼チェーン「すき家」を展開する外食大手のゼンショーホールディングスは、要求を上回るベア平均7.68%で回答しています。
連合によると、昨年は5.10%と33年ぶりの高い賃上げ率を実現。しかし、その流れが中小・零細企業にまでは及ばず、賃金より物価上昇が先行しています。厚生労働省の毎月勤労統計では昨年11、12月に実質賃金がようやくプラス転換したものの、今年1月には再びマイナスに沈むなど、賃上げの勢いは力強さを欠いています。
このため、連合は今春闘で平均5%以上、中小企業は6%以上の賃上げ目標を設定。大企業がこの日、相次ぎ打ち出した「満額回答」が今後の賃上げ相場にどの程度影響を与えるか、これからが正念場です。
春闘回答、昨年上回る5.46%増 非正規は6%超え
春闘が本格化した連合は3月14日、第1回回答集計(同日時点、760組合)を発表。それによると、定期昇給とベースアップを合わせた賃上げの加重平均は1万7828円、5.46%で、前年同期より1359円、0.18ポイント上回りました。従業員300人未満の中小企業(351組合)も1万4320円、5.09%でやはり前年同期より2408円、0.67ポイント上回りました。
非正規の有期・短時間・契約等労働者(98組合の加重平均)は時給75.39円で4.29円増、引き上げ率も6.50%と同0.03ポイント上回り、一般組合員を上回る引き上げ率になっています。
大学生の内定率、過去最高の92.6% 2月時点
厚生労働、文部科学両省が3月14日発表した今春卒業予定の大学生の就職内定率は2月1日時点で92.6%(前年同期比1.0ポイント増)となり、調査開始以来の最高を記録しました。
これまでの最高は2020年卒の92.3%で、コロナ禍で21年は89.5%に下がったものの、それ以降は人手不足を背景に4年連続で上昇が続いています。
国公立が93.0%(同0.9ポイント減)、私立が92.5%(同1.7ポイント増)。男子が91.6%(同1.0ポイント増)、女子が93.8%(同1.0ポイント増)。文理別では文系が92.7%(同0.9ポイント増)、理系が92.4%(同1.7ポイント増)です。