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派遣賃上げ「年間を通じて6%以上」 日本BPO協会の25年新春講演会
派遣社員を組織化するUAゼンセンの「6%基準」を念頭
製造請負・派遣事業の業界団体である日本BPO協会は1月24日、都内で2025年新春講演会・賀詞交歓会を開催しました。ランスタッドの執行役員で同協会の青木秀登理事長は、派遣社員を組織化しているUAゼンセンが25年春闘で掲げる「6%基準」を念頭に、「年間を通じて6%以上の賃上げに向けた料金交渉を」と呼び掛けました。派遣料金は春先だけでなく、契約更新時などのタイミングで派遣先企業と交渉する機会があるため、年間を通じて過去最大の賃上げを目指します。
25年春闘で連合本部は要求水準を「5%以上」とし、中小労組は格差是正に向けて「6%以上」を掲げています。使 用者 側の経団連は「賃上げの定着には約7割の働き手を雇用する中小企業と、4割近くを占める非正規労働者などの賃上げが不可欠」と表明。政府も「賃金上昇が物価上昇を安定的に上回る経済を実現する」と、"三者共闘"の動きが加速しています。
新春講演会では、厚生労働省職業安定局需給調整事業課の中嶋章浩課長が「労働力需給調整事業の現状と課題」と題して講演。この1年の人材 サービス事業に関する法整備やトピックスなどを紹介したうえで、足元の就業者の特徴や傾向などについて図表を交えて説明しました。派遣制度においては、法律で義務付けられている雇用安定措置の実施状況を解説し、派遣 元によるキャリアアップ支援の重要性を説いて、労働市場の活性化に向けた更なる貢献を求めました。
労基法改正を視野に労使が本格議論へ
多様化する働き方に対応した労働基準法の見直しを検討してきた有識者研究会の報告書について、厚生労働省は1月21日、労働政策審議会の労働条件分科会に説明しました。早期に着手すべき課題と中長期的に検討を進める事項に分けた報告書で、早期の見直し課題のなかには副業・兼業の労働時間通算における割増賃金規定の撤廃などが盛り込まれています。次回以降、進行方法や審議日程について厚労省が提示し、本格議論がスタートします。
厚労省の説明を受けて、使用者側委員は「働く場所や時間などにとらわれない自律的な働き方を実現する仕組みづくりと、自発的なキャリア形成を支援する仕組みが重要であり、それをサポートする政策が求められている」と強調。「例えば、自発的なキャリア形成に資する副業・兼業は割増賃金規制があるために普及、促進が大いに阻害されている。健康確保のための時間通算規制は残すことを前提に見直しを図ることが必要」と報告書の方向性を評価しています。