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「賃上げに向けた適正な原資確保で協力」 日本BPO協会と連合が「共同宣言」締結
「賃上げを中心とする人への投資推進」で認識共有
製造請負・派遣の業界団体・日本BPO協会(清水竜一会長)と連合(芳野友子会長)は3月12日、多様な働き方を実現する就業環境の整備に向けて「共同宣言」を締結しました。
日本BPO協会の清水会長は「育成を含めた人材確保に努め、働く人たちのスキルアップやキャリアチェンジを後押しして幸福感を味わってもらえるよう力を尽くす」と強調。連合の清水秀行事務局長は「派遣労働者や有期雇用労働者が安心して働くことのできる環境づくりに努力していきたい」と、社会環境の整備に向けた連携を確認しました。
日本BPO協会と連合の共同宣言は、2020年から5年連続で通算7回目。
また、「働き方改革関連法」が施行された19年には、長時間労働の是正に向けた宣言も結んでいるほか、これまでに連合最大の産業別労働組合・UAゼンセンと「労使メッセージ」を調印するなど、意見交換と相互協力を継続しています。今年は「賃金も物価も安定的に上昇する経済社会へとステージ転換をはかる正念場を迎えた今、賃上げを中心とする人への投資を一層積極的に進めることが重要」との認識で一致し、春闘の集中回答日を目前に控えたこの日、2024年版の共同宣言にこぎ着けました。
共同宣言には、いわゆる「同一労働同一賃金」をはじめとする労働法制の動きを記したうえで、「『労務費の価格転嫁』が確実に行われ、賃上げに向けた適正な原資が確保されるよう共に協力していかなければならない」と明記。
日本BPO協会はBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)と派遣の使用者団体として、連合は労働組合のナショナルセンターとして、それぞれの組織または共同で諸課題の解決や達成に取り組むことを確認しました。
連合会館で行われた共同宣言には、日本BPO協会の青木秀登理事長(ランスタッド)ら8人、連合は幹部6人が顔をそろえた。意見交換では、日本BPO側が会員企業の協力を得て独自に定点観測している「製造請負・派遣事業動向調査」の最新動向や、協会で策定した「将来ビジョン2030」の第1期中期事業計画(21~24年度)の取り組み状況などを説明。
連合側は、「雇用安定・処遇改善等に向けた取り組み」や「フェアワーク推進局のフリーランス、外国人、若者の取り組み」などを解説したあと、雇用労働を巡る諸課題について活発に意見を交わしました。
今年の春闘は、製造・非製造、分野や業種を問わず物価上昇を上回る賃上げの気運が中小企業にも波及しており、人材育成と柔軟な労働移動を含めて新しいフェーズに入っています。