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メンタルヘルス調査、1カ月以上休業、退職者のいた企業は13.3%
厚生労働省が発表した2022年「労働安全衛生調査」によると、昨年10月時点で過去1年間にメンタルヘルス不調により1カ月以上休業、または退職した人がいた事業所は13.3%(前年比3.2ポイント増)に上りました。1カ月以上休んだ人のいた企業は10.6%(同1.8ポイント増)、退職者がいた企業は5.9%(同1.8ポイント増)といずれも前年を上回っています。労働者数の比率では各0.6%と0.2%にあたります。
該当する労働者のいた業種は情報通信業が36.3%で最も高く、電気・ガス・熱供給・水道業が28.2%、金融・保険業が24.8%と続きます。 個人調査では、仕事で強い不安、悩み、ストレスを感じた人の割合は82.2%の多数に上り、具体的には「仕事の失敗、責任の発生」「会社の将来性」「顧客、取引先からのクレーム」などが多くみられます。
現在の自分の仕事や職業生活でのストレスについて、相談できる人がいる労働者の割合は91.4%。相談できる相手(複数回答)をみると「家族・友人」が68.4%、「同僚」が68.4%。男女別では「家族・友人」が男性65.4%、女性72・6%、「同僚」は男性68.0%、女性67.8%となっています。
また、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は、労働者数50人以上の事業所が91.1%、30~49人が73.1%、10~29人は55.7%で、規模が小さくなるほど対策が手薄になっています。
同調査は、事業所の安全衛生管理や労働災害防止活動、そこで働く労働者の仕事や職業生活における不安やストレスなどの実態について国が把握することを目的に実施。常用労働者10人以上のいる企業1万4260事業所と雇用者1万8496人を対象に調査し、各8144事業所、7959人から有効回答を得ています。
テレワークにおける安全衛生の企業対応
コロナ禍においてテレワークが広がりましたが、この場合でも企業はメンタルヘルスを含む労働者の安全と健康確保に向けた措置を講じる必要があります。具体的には、適切な作業環境の確保や健康診断、ストレスチェック等のメンタルヘルス対策、長時間労働者に対する医師の面接指導です。
テレワークでは「労働者が上司とコミュニケーションを取りにくい」「上司が労働者の心身の変調に気づきにくい」というケースが散見されます。2021年に改定されたテレワークガイドラインでは、健康相談体制の整備やコミュニケーションの活性化のための措置として、労使が協力して改善策を協議したり、サテライトオフィスの活用を検討したりすることを推奨しています。