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【2025年最新】派遣先管理台帳とは?記載項目・保存期間・電子化のルールを完全解説
※本記事は2024年11月6日公開の内容に、2025年12月時点の最新情報を加えてアップデートしたものです。
派遣社員を受け入れる際、派遣先企業は必ず「派遣先管理台帳」を作成する必要があります。
「具体的に何を記載すればいいの?」「いつまで保管が必要?」「ExcelやPDFでの電子保存は可能?」といった疑問をお持ちの担当者様も多いのではないでしょうか。
本記事では、派遣先管理台帳の作成・通知・保管の基本ルールから、最新の記載項目、電子化のポイントまでをわかりやすく解説します。
1. 派遣先管理台帳とは?作成・通知・保管の3大義務
派遣先管理台帳とは、派遣先企業での就業状況(業務内容や労働時間など)を記録し、適切な労務管理を行うために法律(労働者派遣法)で作成が義務付けられている書類です。
その目的は、派遣先企業が派遣社員の就業実態を的確に把握し、派遣元(派遣会社)による適正な雇用管理をサポートすることにあります。労働局による調査が入った際、この台帳は雇用環境を確認するための重要資料として扱われます。
違反すると罰則も。3つの義務
派遣先企業には、以下の3つの義務が課せられています。
- 作成: 派遣労働者ごとに作成し、必須記載事項の各項の内容が確定する都度、記載する
- 通知: 記載事項(就業状況など)を月に1回以上、派遣元へ通知する
- 保管: 派遣期間終了後、3年間保管する
これらが適正になされなかった場合、30万円以下の罰金などのペナルティーが課される可能性がありますので、漏れのない運用が必要です。
2. 【最新版】派遣先管理台帳の記載項目チェックリスト
派遣先管理台帳には、法律で定められた項目を網羅する必要があります。たとえ1日だけの短期派遣であっても、派遣労働者ごとに作成しなければなりません。
以下は、最新の法改正に対応した記載項目の一覧です(2024年11月時点)。
また、派遣先管理台帳には決まったフォーマットはありません。項目を満たしていれば自社で作成しても、労働局の様式例を使用しても問題ありません。
記載項目一覧(★は派遣元への通知が必要)
| No | 記載項目とポイント | 派遣元への通知の要否 |
| 1 | 派遣労働者の氏名(60歳以上か未満かも記入) | ★ |
| 2 | 派遣元事業主の名称(または氏名) | ★ |
| 3 | 派遣元事業主の事業所名(正式名称) | ★ |
| 4 | 派遣元事業主の事業所所在地 | ★ |
| 5 | 協定対象派遣労働者か否かの別(派遣元から通知を受けて記載) | ★ |
| 6 | 無期・有期雇用派遣労働者の別(派遣元から通知を受けて記載) | ー |
| 7 | 派遣就業した日(実際に就業した日) | ★ |
| 8 | 就業状況(始業・終業時刻、休憩時間の実績 ※タイムカード等で代用可) | ★ |
| 9 | 業務の種類・内容(詳細に記載。政令業務の場合は号番号も) | ★ |
| 10 | 業務に伴う責任の程度(役職の有無、権限の範囲など) | ★ |
| 11 | 就業場所・組織単位(部署名、所在地) | ★ |
| 12 | 苦情の処理に関する事項(日付、内容、対応状況) | ー |
| 13 | 紹介予定派遣に関する事項(該当する場合のみ、選考結果など) | ー |
| 14 | 教育訓練の日時・内容(派遣先が実施した場合) | ー |
| 15 | 派遣元責任者(役職、氏名、連絡先) | ー |
| 16 | 派遣先責任者(役職、氏名、連絡先) | ー |
| 17 | 期間制限を受けない業務に関する事項(該当する場合、その理由) | ー |
| 18 | 社会保険等の被保険者資格取得届提出の有無(「無」の場合は理由も) | ー |
※表中の「★」がついた項目は、月に1回以上、派遣元へ通知する必要があります。
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3. 派遣先管理台帳の「保管期間」と「電子化」
作成した台帳は、必要なときにすぐ閲覧できるよう適切に保管する必要があります。
保管期間は「3年間」
保管期間は、当該派遣労働者の派遣期間終了から3年間です。
もし派遣契約が更新された場合は、最終の派遣期間の終了日から3年間となります。
電子データ(PDF・Excel等)での保管もOK
派遣先管理台帳は、紙だけでなくデータ(PDF・Excel等)での保管も認められています。ただし、必要に応じて直ちに書面(紙)として出力できる状態で保管する必要があります。労働局などから提示を求められた際に、速やかに印刷できるよう環境を整えておきましょう。
- メリット:物理スペースの削減、検索性の向上
- 注意点:個人情報が含まれるため、紛失・漏洩リスクに備えて厳重に管理してください。データ損失に備えた定期的なバックアップも重要です。
また、台帳だけでなく、タイムカードや勤怠システムといった勤務実態に関わる書類・データも同様に保管が必要です。
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4. 派遣元への「通知」ルールとタイミング
派遣先管理台帳の内容は、人材派遣会社(派遣元)の雇用管理にも利用されます。そのため、以下の項目を定期的に通知する義務があります。
通知すべき6つの項目
以下の項目を派遣元へ通知します。就業状況については、タイムカード等の記録で代用可能です。
- 派遣労働者の氏名
- 派遣就業した日
- 就業状況(始業・終業時刻、休憩時間)
- 業務の種類・内容
- 業務に伴う責任の程度
- 派遣就業した事業所の名称、所在地、部署など
通知のタイミングと方法
- 頻度: 1カ月に1回以上(あらかじめ決めた一定の期日)
- 方法: 書面、FAX、電子メール(双方で取り決めた方法)
- その他: 苦情が発生した場合はその都度通知するほか、派遣元から請求があった場合も遅滞なく通知します。
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5. フォーマットの入手方法
「自社で一から作るのは大変」という場合は、公的なテンプレートを活用しましょう。
厚生労働省や各都道府県労働局のWEBサイトから、最新の記載例や様式(Excel形式など)をダウンロードできます。
法改正によって項目が変更されていないか、年に1度は公式サイトをチェックしておくと安心です。
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6. よくある質問(FAQ)
派遣先管理台帳の運用に関して、よく寄せられる疑問をまとめました。
Q1. 1日だけの短期派遣でも作成は必要ですか?
A. はい、必要です。派遣期間の長さにかかわらず、受け入れた派遣労働者ごとに作成しなければなりません 。たとえ1日のみのスポット派遣であっても、作成・保管の義務が生じます。
Q2. 作成しなかった場合の罰則はありますか?
A. 30万円以下の罰金などのペナルティーが課される可能性があります。「作成」だけでなく、「通知」や「保管」が適正になされなかった場合も同様です 。労働局の調査対象にもなるため、漏れのない管理が必要です。
Q3. 社員数が少ない会社でも作成義務はありますか?
A. 事業所の規模によっては免除されるケースがあります。「事業所の社員」と「派遣労働者」の合計人数が5人以下の事業所の場合、作成義務は免除されます 。ただし、派遣元との情報共有や適切な労務管理のためには、人数にかかわらず作成しておくことが推奨されます 。
Q4. 決まったフォーマット(様式)はありますか?
A. 指定のフォーマットはありません。法律で定められた記載項目さえ満たしていれば、自社で作成した様式でも問題ありません 。また、厚生労働省や各都道府県労働局のWebサイトで公開されている様式例(Excel等)をダウンロードしてそのまま使用することも可能です 。
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まとめ:効率的な管理のために
派遣先管理台帳は、「作成」「通知」「保管」のルールを守り、常に最新の情報を記録する必要があります。
もし、「書類作成の手間を減らしたい」「法改正への対応が不安」とお考えであれば、人材派遣会社への作成代行依頼も一つの手段です。
ランスタッドでは、最新の法令に準拠した形で派遣先管理台帳のフォーマットをご用意し、お客様の管理をサポートしています。法改正時の対応漏れなどのリスクも防げますので、安心してお任せください。
