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有休取得率などの目標着実、厚労省 2022年度「評価シート」、労政審で報告
年次有給休暇の取得率は2022年度で62.1%
労働政策審議会の労働条件分科会(荒木尚志分科会長)が3月18日開かれ、事務局の厚生労働省が2022年度の「評価シート」について報告。安心して働くことのできる環境整備の一環として、同分科会は年次有給休暇の取得率と長時間労働の是正の2つで2025年度までに達成する数値目標を設定していますが、「いずれも着実に目標に向かっている」として、今後も企業に自主的な取り組みを促していく方針です。「評価シート」によると、年次有給休暇の取得率は22年度で62.1%となっています。
また、週労働時間60時間以上の労働者比率が8.9%で、25年度の目標である有休取得率70%と労働者比率5%に乖離がありますが、有休取得率は8年連続で増加し、企業規模別の取得率でもすべての区分で前年比増となりました。
長時間労働の是正では、「週労働時間40時間以上の雇用者のうち、週労働時間60時間以上の雇用者の割合」は、前年に比べて0.1ポイント増で微増の横ばいとなりましたが、3年連続で10%未満を維持しています。
そのうえで、4月から時間外労働の上限規制について建設や自動車運転業務などにも「働き方改革関連法」の適用が開始されるため、「国土交通省と連携して働き方改革の重要性や業界が抱える課題について周知と広報を展開し、適正な工期の設定や荷待ち時間、再配達の削減への協力を求めていく」と理解を求めました。
このほか、2月に公表した「家事使用人の雇用ガイドライン」について報告。いわゆる「家事使用人」は、労働契約法の適用は受けますが、労働基準法の適用を受けず、業務内容や就業時間などの基本的な内容が不明確であるために契約をめぐるトラブルが散見されるとして、策定の目的や対象者、留意事項などを説明しました。
親による「保育所落選」防止へ規則改正
労働政策審議会の雇用保険部会(守島基博部会長)は3月14日、育児休業給付と教育訓練給付に関して厚生労働省が提示した雇用保険法施行規則の一部改正案を了承しました。
育休給付は、子どもが1歳を過ぎて親が育休を延長取得する場合、わざと自宅から遠い保育所や競争率の高い保育所に入所希望を出して「落選」するケースなどが増えていることに対応するものです。現行の自治体が発行する「入所保留通知書」の確認に加え、ハローワークでも申告内容に基づいて可否を判断するようにします。ただ、自治体によってケースバイケースが多いことから、周知のため施行は来年4月からです。
教育訓練は、労働者がリスキリング(学び直し)で教育訓練給付金を受ける場合、キャリアコンサルタントによるコンサルティングを踏まえた職務経歴書をハローワークに提出することが条件になっていますが、
コンサルタントによる利益誘導を防ぐため「一定の要件」を課しています。これが教育訓練を広げる阻害要因になっているとして廃止するもので、4月施行で調整しています。