採用に苦労している中小企業は「コストをかけずに行えるアレ」を見落としている

好調な中小企業の中でも、優秀な人材を獲得できる会社と、そうでない会社があるのはなぜなのでしょうか。中小企業の課題を解決するセミナーイベント「日本を変える中小企業リーダーズサミット2024」へ登壇予定のランスタッドジャパンCMO、中山悟朗が解説します。

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「好調な中小企業なのに人が来ない」のはなぜか?

今や空前の人手不足。それだけに、業績好調、いわゆるブラック企業というわけでもないのに「いい人がいない」ことで採用に行き詰まってしまう中小企業があります。 

求職者が応募先にまず求める条件は「給与・待遇」。これは規模を問わずどの企業でも把握されていることですが、この点において中小企業は、余裕のある大手企業にどうしてもかなわない面があります。では「給与・待遇にコストをかけられないからいい人が来てくれない」のかというと……実際のところ、同程度の条件でも優秀な人材を確保できている企業もあります。

 ここで問題なのは、採用に苦労している中小企業の多くが「いい人が来てくれない」という受け身の姿勢で待ち続けていること。つまり「いい人に来てもらう」ための「求職者目線の採用」ができていないのです。

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求職者目線に立った採用のポイントとは?

ランスタッドが実施する、働きたいと思われる企業の魅力・価値を検証する調査「ランスタッド・エンプロイヤー・ブランド・リサーチ(REBR) 」のデータを見ると、実は求職者から給与・待遇と同じくらい重視されている条件があります。それは「快適な職場環境」です。 

職場環境と聞くと、植物が多いおしゃれなオフィスや、居心地のいいカフェテリアがあるといった「ハード面」を連想しがちですが、職場の風通しがよい、上司と話をしやすい、新入社員へのサポートが手厚いなどの「ソフト面」の快適さも大変重要です。しかし、こうした環境は求人票だけではなかなか伝わらない部分でもあります。

例えばリファーラル採用が効率的と言われるのは、紹介してくれる社員から求職者へ職場環境を直接伝えることができるからといった側面があります。新卒採用におけるインターンシップも盛んになっていますが、これも直接職場環境を見られることが大きいのではないかと思います。

 では、リファーラル採用やインターンシップを利用しない求職者は、求人票に載っていない「職場環境」をどこで調べようとするのでしょうか。

おそらく、その企業の公式WebサイトやSNS投稿、転職情報サイトなどのレビュー・口コミを見るはずです。しかしアクセスした先でSDGsへの取り組みなどのIR情報を訴えかけられても、求職者としては正直なところ「……で、みんな残業せずに退社できているんですか?上司と部下の風通しはいいんですか?」と不安を抱きかねません。レビュー・口コミが低評価だった場合ももちろん不安を感じるでしょう。

逆に考えると、「公式WebサイトやSNSで自社のハード・ソフト両面の職場環境をうまく伝えられれば、求職者 の目に留まる『勝ち目』がある」ということです。

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コストをかけずに行える「採用マーケティング」

「給与・待遇」、「任せたい役割・業務内容」といった求職者に直接関わる情報はもちろん重要ですが、「どのような職場環境があるか」といった情報をコンテンツとしてきちんと公開できていると、「ここで働きたい」といった具体的なイメージにつながりやすくなります。

とはいえ情報を盛り過ぎてしまい実際の職場環境からかけ離れてしまうと、今度は早期離職につながります。つまり前提として「職場環境自体に求職者にとっての魅力があること」も求められます。

例えばランスタッドジャパンでは、Googleの各種評価(レビューの星の数など)で常に高水準をキープするよう、情報発信でも、環境作りでもさまざまな施策を行っています。そして実際に、この評価を見て人材登録する求職者は少なくありません。

この記事のタイトルにある「コストをかけずに行えるアレ」とは、こうした「採用マーケティング」のことなのです。求職者が求める快適な職場環境を打ち出すには相応のコストがかかるイメージですが、実はWebSNSでの情報発信のように、コストをかけずに実践できる方法もあります。これをやらない手はないと考えています。

 

中小企業の課題を解決するセミナーイベント「日本を変える中小企業リーダーズサミット2024」(2024年2月7日(水)~9日(金)開催)では、「コストをかけずに行える採用マーケティング」と題し、私がこうした採用マーケティングの具体的な施策についてご紹介します。オンラインで視聴することもできますので、ぜひご参加ください。

 

GORO3中山悟朗
ランスタッド株式会社 CMO
 
米国の大学を卒業後、シリコンバレーに拠点を置くネットビジネス関連のベンチャー企業でのマーケティング業務を担当し、日本でもITベンチャーの立ち上げと経営を行う。その後、American Expressや外資金融のFidelity internationalでマーケティングやデジタルの部門長を歴任し、2017年にランスタッドに入社。現在、デジタル、ブランド、DX、NPS、コミュニケーションを含めマーケティング全般を管轄。

 

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