働き手アンケート調査:週休3日制、選択したい?導入にあたって制度に期待することは?

世界で普及しつつある「週休3日制」とは?そのメリット・デメリット

週休3日制とは1週間のうち3日間を休日とする働き方のことで、週4日勤務制ともいわれます。パートタイムやアルバイトなどそもそも勤務日数に幅のある働き方に対してではなく、いわゆるフルタイム勤務や、それに相当するシフト勤務などに対して使われるのが一般的です。

2015年から2019年にかけ、アイスランドで試験導入されたのを皮切りに、ヨーロッパを中心として世界で普及しつつあります。日本でも2021年、政府の基本方針に「選択的週休3日制」の導入促進・普及が掲げられました。

「選択的」とつけられているのは、労働者全員ではなく、希望者を対象に取り入れられる週休3日制のこと。つまり、週休2日の方がよいと考える場合は、無理に3日間の休日を取る必要はないのです。

このように世界各地で取り入れられつつある週休3日制ですが、そのメリット・デメリットとしては次のようなことが挙げられます。

・企業側のメリット:

ワークライフバランス改善による人材確保やエンゲージメント向上、時間管理意識の高まりによる生産性アップ、育児や介護を理由とした離職の防止など

・労働者側のメリット:

体や心をしっかり休めることができる、家族や友人との時間が取りやすくなる、プライベートの時間が増える、仕事に対するモチベーションが保ちやすい、平日に休みが取れる、子育てや介護がしやすくなる、勉強や副業などがしやすくなるなど

・企業側のデメリット(各企業の制度内容により異なるため、可能性も含む) 

取引先とのすれ違いによるビジネス機会の損失が起きる、社内での連絡不足による業務停滞が起こる、休日分の増員などで人件費がかさむ、または勤務日の1人あたりの残業時間が増えるなど

・労働者側のデメリット(各企業の制度内容により異なるため、可能性も含む) 

勤務時間が減ることで給与が減る、勤務時間が減ることで今まで通り業務をこなせない、残業などにより1日の労働時間が増える、働くリズムが崩れる、仕事に対するモチベーションが下がるなど

 

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日本における「週休3日制」の状況、政府は・企業は・働き手は

働き方改革の推進や、政府による「選択的週休3日制」の導入促進・普及の方針を受けて、日本でも大手企業を中心に、続々と週休3日制の試験導入が見られるようになってきました。

週休3日制について政府によって示された厳格なルールなどはなく、各企業によって制度もさまざまですが、大きく分けて3つのパターンが見られます。

・休日が増えて総労働時間が減る分、給与を減額する

・休日の分の労働時間を勤務日に上乗せし、総労働時間を維持する

・総労働時間は減るが給与は維持し、実質賃上げとなる

このうち3つ目の「実質賃上げ」を実現するには、賃上げ分を補う大幅な業務効率化や利益アップが必要になりますから、日本では今のところ「給与を減額する」か「総労働時間を維持する」の2パターンを採る企業が多いようです。

 

こうした実態に対して、働き手はどのように感じているのでしょうか。男女20歳以上の会社員・経営者・役員・公務員を対象にアンケートを実施し、「週休3日制が導入されたら選択したいですか?」と質問してみました。

「選択したい」、「すでに選択している」という人の合計は約7割。概ねポジティブに受け取られているようにも見えます。

しかしその裏で、週休3日制のデメリットを案じる人も多いようです。同アンケートの「週休3日制にはどのようなデメリットがあると考えられますか?」という質問に対する結果を見てみましょう。

実は、半数以上の人が「勤務時間が減ることで給与が減る可能性がある」と考えているのです。次点の「勤務時間が減ることで今まで通り業務をこなせない可能性がある」と考える人も、やはり「総労働時間は減る」と想定していることになります。実質賃上げが難しいと見られる状況を踏まえると、働き手の多くは週休3日制が採られる場合「給与を減額する」パターンになっている、またはなると想定しているわけです。

 

 ここでさらに、同アンケートによる「理想とする休日の取り方」の結果を見てみましょう。

なんと「理想の休日は週休2日制」と答えた人は合計で半数を超え、週休3日制を上回っています。ここから「週休3日制は悪くないけれど、給与が減るくらいなら週休2日制のままで構わない」とでも言いたげな、働き手の本音が見えてきます。

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「週休3日制」導入における検討事項は?

こうした、週休3日制を望みつつも懐疑的な働き手に訴えかけ、導入をポジティブに捉えてもらうには、どのようなことを検討するべきなのでしょうか。もちろん、業務効率化などを推し進めて「実質賃上げ」パターンを取り入れられればよいのですが、難しい場合は「総労働時間を維持する」パターンも視野に入れる必要があります。

「給与を減額する」パターンが既定路線である場合は、それでもなお働き手が週休3日制にメリットを感じられるような制度を設計したいところです。給与に代えがたい週休3日制の価値を提供し、従業員のワークライフバランスの向上を図るのです。具体的には、副業を許可する、育児や介護と仕事の両立を支援する、業務外でのスキルアップを支援するといった、従業員の状況や希望に沿った休暇制度を整えることが重要になってきます。

「エンプロイヤーブランド」という、「勤務先としての企業の魅力度」を表す指標があります。ランスタッドでは世界30カ国で20年以上にわたりエンプロイヤーブランドリサーチを行ってきました。エンプロイヤーブランドが高まることは、働き手にとってその企業がより魅力的になっていくことです。

このリサーチにおいて、働き手が企業に求めることの中でも常に上位を占めるのが「ワークライフバランス」です。つまり、従業員のワークライフバランスを向上させることによって、働き手にとってより魅力的な企業になるうえ、企業としては優秀な人材の獲得・確保が期待できるのです。

エンプロイヤーブランドの考え方、「ランスタッド・エンプロイヤーブランドリサーチ(REBR)」の国内レポートなど、詳細はぜひこちらよりご覧ください。

 アンケートではほかにも「週休3日制を選択しない理由」や「どのような条件なら選択したいか」など、週休3日制に関する働き手の意識を調査しています。

 

アンケート結果の詳細はこちら

週休3日制に関する労働者アンケート 「週休3日制、働き手が考えるメリット・デメリット、選択する上での条件とは」 

 アンケート資料DL

[お仕事に関するアンケート]より

・調査期間:2022年4月28日~5月5日
・調査方法:インターネット調査
・対象:男女20歳以上の会社員・経営者・役員・公務員
・有効回答数:420
 
 

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