23年入社、大学・院卒の就活解禁 内定後も就活続行の動き続く

記事をシェアする
Facebook Twitter LINE

企業の採用意欲はコロナ前に近い水準に戻る

2023年卒業予定の大学生の就職活動が3月から解禁となりました。多くの企業がコロナ下のビジネスに慣れてきたこともあって、採用意欲は昨年より旺盛。コロナ前の水準に近づきつつあります。ただ、企業を取り巻く雇用環境は大きく変化しつつあり、就活生は職業に対する長期的な展望を持つ必要がありそうです。
学生就職情報会社が2月に実施した企業の採用予定調査によると、前年より「増減なし」が60.0%で最も多く、「増やす」が26.6%、「減らす」が6.0%でした。「増やす」は11ポイント増え、「減らす」は6.9ポイント減りました。

21、22年はコロナ感染の長期化で先行き不透明なこともあり、「増やす」は15%程度とそれまでの30%弱から半減していましたが、今年はようやくコロナ前に近い水準に戻りつつあります。企業規模でみても、採用数の多い大企業で「増やす」が34.9%と平均を大きく上回っています。業種別で「増やす」が多いのは「製造業」の29.9%、「流通・商社」の27.3%、「サービス業」の26.4%で、「金融業」は12.1%程度に留まっています。


就活支援企業の担当者によると、コロナ禍が3年目に入り、感染拡大期にはテレワークを実施するなどのノウハウができたこと、海外需要の回復などで業績回復にこぎつけた企業も多く、コロナ前までの人手不足が再び現出していることなどから、採用増に踏み切る企業が増えたとみられます。


こうした情勢を反映して、企業、学生ともに就活の足並みは早まっており、2月1日時点で内定率はすでに20.
2%(同6.7ポイント増)と昨年を上回るペースです。

 

ただ、企業の内定出しが早まっても、内定先への就職を決めて就活を切り上げる学生は少数です。22年の場合、予定数通りに採用できた「充足」企業は52%で、「未充足」企業も半数近い46%あり、その理由として「内定辞退が多かった」「選考応募者が予定より少なかった」を挙げる企業が目立ちます。
内定のピークは6月ごろになりますが、その前後は複数企業の内定を得た学生と企業との間に内定辞退や「オワハラ」などが続出し、最終的に両者のマッチングが“落ち着く”のは夏休み明けぐらいになるのが例年のパターン。内定の早出し傾向は、企業、就活生の両方にとってあまり意味はないようです。


企業側が学生に何を求め、学生側が企業に何をアピールしたいと思っているかについての調査によると、企業側が重視するのは「人柄」「自社への熱意」「今後(入社後)の可能性」の三つがダントツに多く、学生側のアピール点としては「アルバイト経験」「人柄」「所属クラブ・サークル」が多くなっています。双方の意識には多少のズレがありますが、共通していることは「大学で身に着けた専門性」や「大学の成績」などは重視されず、とりわけ企業側にそれが強く表れています。

1月給与、実質でも5カ月ぶりプラス

厚生労働省が発表した毎月勤労統計の1月速報値(従業員5人以上)によると、労働者1人あたりの現金給与総額は27万4172円(前年同月比0.9%増)で2カ月ぶりのプラスでした。昨年3月以来9カ月連続のプラスが続いていましたが、12月に同0.4%減のマイナスに落ち込みました。実質賃金指数も84.7(同0.4%増)と昨年8月以来、5カ月ぶりのプラスとなっています。
就労形態別では、正社員が中心の一般労働者が35万6357円(同1.2%増)、パートタイム労働者も9万594
5円(同1.0%増)。残業代などの所定外給与は一般労働者が2万5777円(同5.0%増)と増えましたが、パー
ト労働者は2598円(同0.5%減)と減少しました。

産業別の伸び率では、「飲食サービス」の同6.8%増が最も高く、「不動産・物品賃貸」の同5.8%増などが続いており、16産業中12産業がプラスとなりました。

関連コラム

    人材サービスをご希望の企業様へ

    人材に関する課題がございましたらランスタッドへお任せください

    人材サービスのご依頼ご相談

    人材ソリューションのご相談や、ランスタッドの人材サービスに関するご相談などお伺いいたします

    企業の方専用ご連絡先
    0120-028-037
    平日9:30-17:00 ※12:00-13:00除く