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あなたの会社は求職者からどう見られている?企業の評判・口コミが適切に伝わる方法を解説
求職者が働く企業の環境に求めるものとは?
ランスタッドは 、勤務先としての企業の魅力を「エンプロイヤーブランド」として示し、世界32の国と地域の20万名以上の回答者を対象とした独自調査「ランスタッド・エンプロイヤーブランドリサーチ(REBR)」を毎年実施しています。
2021年に発表した「ランスタッド・エンプロイヤーブランドリサーチ2021」によると、日本の求職者が勤務先選びについて重要視する基準のトップ5は以下の結果となりました。
1 .給与水準の高さ、福利厚生の充実度
2 .快適な職場環境
3 .ワークライフバランス
4 .雇用の安定
5 .仕事への関心
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2019年、2020年の調査結果とほぼ変わらない傾向ではあるものの、両年とも5位だけは「就業場所」です。また、 2019年度は1位の「給与水準の高さ、福利厚生の充実度」を重視する人が約64%にも及んでいましたが、2021年度は約54%と10ポイントも低下。下げ幅の小さかった「快適な職場環境」や、微増している「ワークライフバランス」との差が縮まりつつあります。これは、コロナ禍によるテレワークの急速な普及を経て給与や福利厚生、就業場所のプライオリティが下がり、代わって2021年は「仕事への関心」が高まってきたとも考えられます。
求職者はSNSで、企業の評判や口コミをリサーチする?
LinkedInの「Employer Brand Statistics」によると、求職者の52%は応募前にSNSやWebサイトで企業の情報をリサーチしています。
また、株式会社キャリタスが2022年卒の学生を対象に行った2020年10月1日時点の「就職意識調査」によると、日常生活でSNSを利用する学生は約99%、就職活動でSNSを利用する学生も媒体によっては50%近くに及びます。
媒体別に見ると、就職活動でLINEを利用する学生は約48%にもなり、前年度と比べても13%以上増加しています。次いで、Twitterを利用する学生は約37%、YouTubeを利用する学生は約32%、と、いずれも前年度より増加。3人に1人以上がこれらのSNS媒体のいずれか、またはすべてを就職活動に活用しているのです。
一方、実名利用が前提のFacebookを利用する学生は約5%にとどまり、前年度からも減少しています。
新卒採用であっても、中途採用であっても、求職者にとって応募の際に一番の障壁となるのは「実際にその職場で働く時の雰囲気をつかむのが難しい、わからない」ことだと言われます。
もちろん求職者はコーポレートサイトなども参考にしているでしょうが、企業発信の情報ということもあり、「ズラリと並べられた上辺だけのイメージや美辞麗句を見て、『建前なのでは』と疑ってかかる」、「そもそも情報量が少なく、職場の雰囲気どころか求人情報の詳細などもはっきり示されていないので不安になる」といった状況は容易に想像できます。
その点、SNSは匿名で参加できるプラットフォームが多く、ユーザーの本音が飛び交う場面も珍しくありません。求職者もこの特性を利用して情報を集め、少しでもその職場本来の雰囲気をつかもうとしているのかもしれません。
求職者が欲しい情報を正しく届け、企業の評判や口コミへの悪影響を防ぐには?
では、求職者が勤務先選びについて重要視する要素や、職場で働く時の雰囲気などといった情報を適切に伝え、情報不足からくる低評価を防いでいくには、企業はどのようなコンテンツを発信すればよいのでしょうか。一つずつ見ていきましょう。
1.給与水準、福利厚生の充実度
募集要項に、ある程度具体的に記載しましょう。例えば給与については「当社規定による」などとし、具体的な金額を一切記載しないケースがよく見られます。明確な給与額などを示すのは難しいかもしれませんが、その場合も規定に照らしたモデル年収の例などを示し、求職者が自分の状況と引き比べてイメージしやすくします。各種手当や休日・休暇、福利厚生制度なども明記して、求職者の不安を軽減しましょう。
2.快適な職場環境(就業場所)& 3.ワークライフバランス
経営者のメッセージはもちろん重要ですが、それと同じくらい、社員の生の声を届けることに重きを置きましょう。経営者が社員向けに発信している情報を掲載するだけでは、社員が同じように目標を共有し、実践できているかを示すことはできません。入社を検討している人に向けた情報ですから、同じ目線となる社員の生の声があることも重要です。
おすすめは、できるだけ多様性に富んだ職種・境遇のメンバーへそれぞれインタビューを行い、掲載する方法。それぞれの仕事について紹介するのはもちろん、産休・育休を取得した社員、社内起業制度を利用した社員などといったメンバーを加えることで、さまざまな年代・働き方のモデルをイメージできます。インタビューで質問する内容の例も次に挙げてみます。
・自社を選んだ理由
・今取り組んでいる業務内容
・業務で最も苦労している点
・先輩(同僚)や上司によるサポート体制、同期との交流など
・将来に向けて描いているキャリアコース
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インタビューとあわせて掲載する写真は、可能であれば取材中のスナップだけでなく、取材対象者のデスク周辺の様子や手掛けた仕事に関連する写真、チームメンバーと過ごす様子の写真などもあるとよいでしょう。
インタビュー以外に、ある社員の1日のスケジュールを参考として示したり、社員同士の座談会記事を掲載したり、求職者が聞きたいであろう内容をまとめたFAQコンテンツを設けたりするのもおすすめです。
4.雇用の安定 & 5.仕事への関心
自社の置かれた現状、中期的な目標、長期的な展望などを、求職者にわかりやすい形で示しましょう。求職者にとって採用へ応募するのは、自分の人生という資本をその企業へ投資するようなものです。いたずらに会社を大きく見せようとしたり、途方もない目標をただ示して見せたりするのでは、求職者もこの会社で自分の人生に利益を出せるかどうかイメージできません。求職者が納得できる冷静な現状分析と、実現までの道のりがしっかり見通せるロードマップ、地に足の着いた将来展望を意識しましょう。
キャッチーにしたい場合は、内容そのものよりも見せ方を工夫しましょう。インフォグラフィックなどを活用し、直感的に自社の目指す方向を伝えます。
新卒や第二新卒など、比較的若い年代の求職者をターゲットにする場合は、キャリアパスのモデルが一覧できるコンテンツや、人事評価制度について詳しく紹介するコンテンツなども有効です。
まとめ
SNSや口コミメディアなどの普及で、今や過去とは比べものにならないほど個人の情報拡散力が高まっています。採用を有利にするためにハッタリを効かせたり、都合の悪い情報を隠しておこうとしたりすると「実態はブラック企業なのではないか」とあらぬ疑いをかけられかねません。だからといって、逆に無難な情報提供のみに甘んじていても、やはり求職者の心をつかむことはできません。見栄を張ろうとしたり、手間やリスクを厭うたりせず、求職者が本当に欲している情報を誠実に発信し続けることが、企業の評判・口コミが偽りなく適切に伝わっていくことにつながります。
このように、 求職者に「働きたい」と思ってもらえる企業であり続けるには、エンプロイヤーブランドのような客観的な評価基準が重要だと考えています。エンプロイヤーブランドの考え方や、「ランスタッド・エンプロイヤーブランドリサーチ(REBR)」の国内レポートなど、詳細はぜひこちらからご覧ください。
[出典]