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ケーススタディ:ソニーのエンプロイヤーブランディング
世界で最も規模が大きく、最も歴史あるエレクトロニクス・エンターテイメントグループの一つ、ソニーは世界の競合企業とクリエイティブ人材の獲得競争を繰り広げているだけでなく、数多くの動きが速いスタートアップの育成支援に力を注いでいます。
同社人事担当業務執行役員、シニア・バイス・プレジデント、安部和志氏は、採用した優秀な人材には両者いいとこ取りを提供していると言います。一つは大企業ならではの幅広い機会とリソース。もう一つは想像力の限界を探究する挑戦が奨励される環境です。これが時折の失敗を意味するとしても、前向きな学びになるのであれば、会社としてバックアップします。
ウォークマン®からプレイステーション®まで、複数の世代がソニーを代表する製品とともに育ってきました。ですが、ソニーは今後も生き残り、さらに成長するためにはイノベーションの火を絶やしてはならないことを知っています。
コダックやブロックバスターが辿った運命は、止まることのない変化の世界についていかなければマーケットリーダーといえどもいかにもろく崩れ去るかを改めて強く認識させます。
従い、新規性と独創性の飽くなき追求を続けるソニーの姿勢は、創業後およそ70年の時を経てもなお、私たちの生活を大きく変える力が衰えていないことの真の証です。研究開発チームがバイオテクノロジーから仮想現実に至るまで幅広い領域の限界を押し広げ続けています。
「私たちの使命は、お客様と従業員の好奇心を刺激し、満たすことです。新しい発想を模索し、夢を叶える原動力となる好奇心を持った人材を集めたいと考えています。想像力の限界を外せば可能性は無限です」(安部氏)
自由な創造
安部氏は優秀でクリエイティブな人材の獲得競争が熾烈を極めていることを認識しています。そしてもはや競争相手は従来の競合他社だけではありません。大企業では難しいこともある一体感が生まれやすく、自由な創造活動が可能な小規模企業が多数参戦しています。
「課題を自ら受け入れる人材を求めています。そのためには、困難でもやりがいのあるキャリアを用意しなければなりません。違うビジネスで経験を積む機会を含め、ソニーが提供する幅広い能力開発の機会やメンタリングは世界でも知られています。この水準に肩を並べられる企業がもしあったとしてもごくわずかでしょう。従業員には自信を持ってほしいと考えています。彼らなら戦略的目標を達成できると確信していますし、彼らも信頼されていることを心地良く思っていると思います」
「決定的な違いとして、当社は新しいアイディアを編み出し、試す手段を小規模なスタートアップよりも多く、幅広く従業員に提供できます。イノベーションを生み出すために必要なインフラを提供でき、失敗も気にしません。むしろ、創造プロセスにつきもののある程度の失敗は喜んで受け入れます。
偉業がしばしば失敗から生まれていることをテクノロジーの歴史が物語っています。最初から完全なる正解を出せないとしても、探索と改良を続けることによってブレークスルーにたどり着きます。一方、規模の小さな企業は一般にアイディアを速やかに収益に結び付ける必要があります。でなければ事業の存続に関わるからです。ですから、自由度や手段に制約が生じやすくなります」
安部氏はインスピレーションを促すソニーのカルチャーと職場環境の重要性も強調し、その姿勢はいわゆるキュリオシティラボの立ち上げにも見て取ることができます。ソニーの最新鋭のアイディアの数多くがここから生まれています。「従業員には大いに自主性を与え、ダイナミックでわくわくする環境作りへの挑戦を後押ししています」
勝利の戦略
これは間違いなく勝利の戦略です。ソニーは20万人を対象にした2014年ランスタッドアワードにおいて最も働きたい企業の世界第2位です。第3位のサムスンを退け、第1位のBMWとは僅差でした。クリエイティブ人材にとって大きな魅力となる「仕事内容がおもしろそう」については第1位を獲得しています。大卒者と若い世代(18~24歳)での人気の高さが特に目立ちました。
安部氏は今日の優秀な若手人材を獲得するソニーの力を大きな競争力と捉える一方で、この世代はこれまでの世代よりも転職に抵抗感がないことから、キャリアに対する考え方の変化を認識しています。「長く働くことはソニーにとっても従業員にとってもメリットになり得ますが、これだけが目的であってはなりません。
当社は新しい経験を得たいという本人の願いを聞き入れますし、その後も連絡を取りたいと思っていますので、多くの人材は再びソニーに戻ってきます」
One Sony
14万人の従業員を擁するソニーグループは幅広いセクターと地域で事業活動を展開しています。そうした環境で従業員の結束力をどのように維持しているのでしょうか?
「本社機能、主要研究開発機能、財務機能は日本にありますが、映画部門はロサンゼルス、音楽部門はニューヨーク、製造・サービス拠点は全世界に広がっています。ですが当社はポートフォリオビジネスではありません。核となる価値観と方向性があり、それが『One Sony』に体現されています。
One Sonyは単なるスローガンではなく、グループ内を異動する人の数にもグループ共通のデジタルプラットフォーム開発にも見て取ることができます。研究開発では従来の枠組みを超えた機会を模索し、違う部署同士で常にアイディア交換が行われています」
夢見ることをやめない
では他の大企業はソニーから何を学べるでしょうか。何よりもまず、好奇心が若さを保つ秘訣だということ。ソニーは従業員に夢見ることを促し、その夢を形にするための力を与えるからこそ、世界でも有数の働きたい企業に選ばれています。
ソニーグループのエンプロイヤーブランディング
2014年のグローバルランスタッドアワードにおいて、回答者に世界的大手企業50社を提示したところ、ソニーは最も働きたい企業の第2位にランクインし、全体では回答者の60%弱、大卒者と若年層(18~24歳)では60%強が働きたいと答えました。「おもしろそうな仕事内容」では第1位を獲得。世界全体で見た場合、就職先選びで最も重要な基準として、魅力的な賃金・福利厚生、長期的な雇用の安定、快適な職場環境の3つが挙がっています。
ランスタッドはエンプロイヤーブランディングを通じて、企業の採用活動や組織力向上、そして働く人と企業の双方が真の力を発揮できる労働市場の創造に貢献したいと考えております。