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雇用のダイバーシティ(多様性)を強化するメリット
人材の多様性は今や激論を呼ぶ問題です。例えば英国ではジェンダーによる賃金格差の報告が義務化され、英国以外でも職場での嫌がらせにますます大きな関心が寄せられています。
これはつまり、現在の市場環境に後れを取らないためには、企業が採用プロセス段階からダイバーシティに取り組む必要があることを意味します。
人材のダイバーシティ(多様性)によるメリット
人材のダイバーシティ(多様性)はその企業で働く事を誇りに思うエンプロイヤーブランドにプラスに働く可能性が高く、人材確保に役立ちます。従業員の多様性が高まるにつれ、自分が受け入れられることを知った多様なバックグラウンドを持つ人材からより多くの応募が集まる、といった好循環が生まれます。
インクルージョン(企業内すべての従業員が仕事に参画する機会を持ち、それぞれの経験や能力、考え方が認められ活かされている状態)を意識した採用も、2025年には世界の労働人口の75%を占めると言われるミレニアル世代に好印象を与えます。
従業員の多様性が進んだ企業は生産性が高い傾向があり、マッキンゼーの調査によると、人種・民族的多様性が上位25%の企業は財務実績が国内業界平均を上回る可能性が35%高い(※1)という結果が示されています。
この他、女性比率の高い企業は金融資産市場におけるリスク対応(※2)に優れているという調査結果もあります。つまりこれは、人員構成の多様化により業績アップが期待できることを意味します。
多様なバックグラウンドを持つ人材から応募を集めるには
採用活動におけるダイバーシティに積極的に乗り出すのであれば、最初が肝心です。職務明細や求人広告の内容を考える時には必ずインクルージョンを意識してください。
Journal of Personality and Social Psychology(※3)で発表された研究では、「求人広告に男性をイメージさせる言葉を用いると女性における期待された帰属意識や仕事への関心が低下する」という結果が示され、研究者は「男性優位の分野においてジェンダー不平等が永続している可能性」を指摘しています。職務明細では言葉遣いに細心の注意を払い、偏見のある言葉を取り除くためのチェックの仕組みを検討してください。
Pymetricsをはじめとする採用活動支援ツールを活用するのもお勧めです。こうしたプラットフォームを使うことによって採用マネージャーが行動科学の知見に基づき、求職者の適性を見極めることができます。この行動科学の知見は成績優秀者に認知、感情、人格特性の抽出を目的に考えられたゲームをしてもらうことによって収集し、このデータから理想的候補者の予測モデルを組み立て、アルゴリズムによって募集ポジションと最も適した応募者とをマッチングします。
この類いのシステムの場合、必然的にブラインド選考が行われることになり、無意識のバイアスが影響するリスクを抑える利点もあります。ブラインド採用は雇用の多様性を大幅に高め、非常に有益な取り組みになるはずです。
ダイバーシティのためにやってはいけないこと
人材の多様性を高めようとするならば、変化は欠かせません。おそらく求職者のターゲティング方法を変え、選考方法も変えることになるでしょう。
従い、従来の採用方法に頼りすぎないことが肝要です。例えば、採用マネージャーがこれまで、大学の後輩やインターンシップ経験者など、自分と似たバックグラウンドの候補者を探していたのであれば、多様な経験を持つ人材に目を向ける大切さを確実に納得してもらう必要があります。
企業文化も、採用における多様性の阻害要因になってはならない要素です。同じ物の見方をする人を加えるのではなく、現在の従業員の意識を広げる意図を持って採用活動を行う必要があります。言うなれば、企業文化は当初の偏った採用の結果、似たような経歴の人が大勢採用された結果です。
採用活動にダイバーシティの視点を組み込む努力は必ずしも困難ではありません。私たちが行った世界的調査、ランスタッド・ワークモニター2016年第3四半期版において回答者の87%がジェンダー多様性のある組織で働きたいと答えているところを見ると、もはや頭を悩ませる必要もなさそうです。
ダイバーシティがエンプロイヤーブランドにとって有益であることはもちろん、従業員の仕事の満足度を高めることもわかっています。正しい採用法を導入することによって、ダイバーシティの恩恵を期待できます。