コロナ禍において昇給が難しい場合に従業員に報いる方法とは?

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新型コロナウイルスの影響によって多くの企業は予算の削減を余儀なくされ、昇給が棚上げされています。昇給が難しい場合に、従業員の努力に報いる代わりの方法をご紹介します。

昇給予算を確保できない場合の福利厚生・従業員特典

新型コロナウイルスは多くの企業に打撃を与え、さまざまな業界が大幅な減収に陥っています。多くの雇用主がコロナ終息後の予算削減を予想していますが、コロナ禍においてもたゆみなくがんばってくれた従業員に報いる資金に乏しい場合は、創造力を駆使し、重要人材に感謝を表す方法を新たに考え出す必要があります。
信頼できる経験豊富な従業員を今失うのは、企業にとって大きな痛手です。それはつまり予想の斜め上を行く方法で従業員に配慮し、日頃の努力に報いる何か別の方法を見つける必要があることを意味します。ランスタッドがカナダ国内の従業員を対象に行った調査によると、昇給はやはり最も魅力的な選択肢です。しかしながら、昇給や賞与をまったく考えられない状況なのであれば、仕事ぶりに対する対価を提供する別の方法があります。

 

従業員特典や福利厚生の性質の変化

コロナ禍でのリモートワークやソーシャルディスタンスの確保などによって、多くのこれまでの職場特典が過去のものになりました。交流イベントやオフィス内での軽食の提供、社内託児所、心地良いソファと娯楽設備が備わったおしゃれな従業員用ラウンジなどの話です。こうした特典がなくなってしまった今、他社との差別化はますます難しくなっています。そこで、独自の魅力をアピールするための代わりの方法をいくつかご紹介します。

フレックスタイム制度

1つだけ提案する場合には、これがお勧めです。たとえリモートワークでもフレックスタイム制度は喜ばれます。子供の世話、何かの用事、家事、個人の時間の管理はやはり必要です。出勤を続けているスタッフにとってはなおのこと重要。シフトや就業開始時間が柔軟になることによって、混雑を避けて通勤したり、配偶者とスケジュールを調整したり、保育の手配ができる就業時間帯を選ぶことができます。

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休暇を増やす

コロナ禍で多くの従業員はこれまでよりも重労働を強いられています。特に、医療やその他のエッセンシャルワーカーは、長時間の過酷な労働を続けています。リモート勤務者であっても仕事とプライベートの線引きが曖昧になりました。こうした要因が重なって、極度の疲労やストレスを訴える従業員が増えています。有給休暇の取得促進、あるいはその他何らかの休暇・休憩の付与は大いに喜ばれるでしょう。たとえ自宅のソファーでゆっくりするだけだとしてでも、休暇・休息の取得を積極的に促してください。「何もしない」ことは休暇を取る正当な理由にはならないという考えが往々にしてありますが、コロナ禍のストレスは誰にでも重くのしかかり、息抜きは心の休息のためにも必要なのです。

昼食休憩の延長、アーリーフライデー

業務上の理由によってまる1日の休暇を与えられない場合は、週に1度1時間だけでも早帰りするなどの短時間の休暇特典を提供する方法があります。多くの企業のビジネスが緩やかになる曜日、そして従業員にとっても週末が早く始まるのはうれしいことですから金曜日がよく選ばれます。これ以外にも1週間に1度の遅い出社(ゆっくり寝ていられます)、昼食休憩の延長、1日30分の追加休憩(運動、読書、クラスの受講などコロナ禍のストレスを解消するための個人の時間に使えます)などもあります。

通信費用の会社負担

在宅勤務の場合、顧客や社内関係者との連絡のために個人の電話や自宅のインターネット回線を使用することになります。通信費用の一部または全部を会社負担にするとリモート勤務者にとって大きなメリットになります。在宅勤務コストの一部が埋め合わされることになり、インターネット回線の質の悪さに困っている従業員にとっては、質の高いサービスにアップグレードして生産性を高められます。

オフィス用品、テクノロジーデバイス類の支給

仕事をするには所定の機器類が必要です。多くの企業は会社支給PCやスマートフォンなど基本アイテムを提供していますが、マルチモニター、エルゴノミクスチェア、キーボード、ヘッドフォンなどさらに上を行く支給物があるとうれしい特典になるだけでなく、生産性も上がります。すでにオフィス用品業者と契約を結んでいる場合は、リモート勤務者にパッケージとして送付する仕組みに工夫するとよいでしょう。必要備品を購入するためのオフィス用品手当を支給する方法もあります。この場合、従業員それぞれが自分の好みに合わせて自由に選ぶことができます。

ランチ・軽食ボックスの無料提供

食事や軽食の無料提供は従来からある標準的なオフィス特典です。幸いなことに、このサービスは続けられます。軽食ボックスの宅配は在宅勤務時代の新しい人気特典として次第に広まっています。さまざまな種類の軽食ボックスの提供を試みる企業が増えてきていますが、昼食やコーヒー、その他人気のオフィス向けおやつのギフトカードを送付する選択肢もあります。

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バーチャルジム会員権

法人契約をしているジムの利用やジム会員権の割引なども従業員の健康維持のために人気がありました。しかし、緊急事態宣言の要請によって、ジムは一時閉鎖と営業再開を繰り返しています。このような状況下では、この特典は今は人気がないかもしれません。その代わりにバーチャルジム会員権を提供できます。オンラインのヨガやトレーニング、エクササイズプログラムの利用代金を補助できます。

デジタルサブスクリプション

デジタルサブスクリプションの利用は、ここ最近の魅力的な特典の一つです。音楽、映画、テレビ番組、オーディオブック、ポッドキャスト、瞑想、マインドフルネスなどの各種プログラムを利用できます。コロナ禍でカナダ人の社会生活と娯楽はオンラインに移行しました。ですからこれらのサービスは本当に使うもので報いる気の利いた手段になります。追加特典として、これらのプログラムの多くが併せてキャリアアップを応援しています。例えば、あるマーケティング会社が提供するプログラムでは、従業員が人気のマーケティングポッドキャストやオーディオブックなどのリソースを閲覧できます。

健康・メンタルヘルスプログラム

従業員の健康は何よりも大切です。多くの従業員が在宅勤務という新しい環境に移行し、先が見通せないストレスを抱える今は特にそうです。ウェルネス(健康維持)プログラムの提供によって従業員が必要とするサポートを行うことができます。
在宅勤務によって働き方が変わりました。従業員にとって有益な給付や特典もまた変化しています。新しい人材を惹きつけ、在宅勤務中もスタッフの満足度を保つために提供特典を見直すことが得策です。

 

これらは、あくまでも一時的な対応ではありますが、このような不安定な時局において、就業している従業員の努力に報いる姿勢を示す事は非常に大切です。従業員へは将来的に予算が確保出来た暁には、昇給が可能であることも踏まえながら、コミュニケーションには配慮し、アナウンスをして頂くことを推奨します。

 

<出典>
本コラムは、ランスタッドのオリジナルコラム(英語版/English Ver.)「alternatives to increasing employees' salaries.」に加筆・修正した内容となります。

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