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コロナによる逆境でも、チームの気持ちを未来に向ける技術
コロナ禍で、ビジネスを取り巻く環境が厳しい時勢で、需要の低下ばかり気になっていませんか?需要は”低下”したのでは無く”シフト”したと考えてチームの心を牽引しなければ未来は開けません。
需要が低下した原因追求をしても、コロナだからに行き着き、なぜなぜを繰り返しても、答えの見えない状態に陥ります。機械が故障した時、原因追求はとても有効です。しかし、過去ばかり掘り下げても答えが見えない今、組織の舵取りをどうしたら良いのでしょうか?
答えは『解決志向』という逆境でもチームの気持ちを未来に向けさせる事が出来る心理学的介入が有効です。
これこそが「なぜなぜ思考」から「解決志向」に移行し、需要のシフト(変化)にチームの心を向ける技法となります。
組織心理学をベースに、ランスタッドEAP総研が、4つのSTEPでこの技法を解説いたします。
STEP1. 逆境でも気持ちを前に向ける心理学を知る
解決志向とは、ベトナム戦争の後遺症が有る兵士とその家族ケアで使われ、家族機能を取り戻すのに役立った心理的技法です。
組織の環境改善や団結力を作る際に、欧米企業で使われています。
ベルリンの壁崩壊で、1980年代後半に経済が混乱した旧ソ連の影響を受けた北欧に広がり、その後ヨーロッパ全土で解決志向を企業が取り組み、経済のV字回復を果たしました。
STEP2. 解決志向での会話のフローを理解する
フロー1. 困難なことを話し合い、チームの共通のテーマを探す。
例)健康不安、目標が形だけになっている、行き先具見えない漠然とした不安など今抱えているどんな小さな困りごとでも吐き出す。
そして、チーム共通のテーマとして、チームメンバーが議論する価値があると考え抜いたテーマを選ぶ。
フロー2. 他者の話に共感しながらフロー1のテーマに対し現状と感情を話し合う。
フロー3. 現状ではどのようなリスクが、組織と個人に出るか共有する。
フロー4. どんな未来を創造したら、自分や周囲が幸福になるかを考え、理想である目標を決める。
フロー5. 目標にたどり着くまでのはじめの一歩を決め、役割分担し、実行する。
STEP3. ファシリテーターがSTEP2を実施する
ファシリテーターが直属の上司であると、上司の手前、今抱えている困りごとを語れない場合が多く、外部のセミナー講師など、ファシリテーションを専門に行っている人に託すのが最善の方法です。
STEP4. 解決志向で困りごとを仲間と共有する
解決志向で、困りごとを仲間と共有することで、効果的にストレスを発散できます。連帯意識が高まり、新たな一歩が見えたら、所属長が実行の旗振りをします。
一度、解決志向の会話のメリットがわかれば、次からは外部のファシリテーターは必要なく、チームメンバーが自律的に会話を通して、心を未来に向けることができます。
ファシリテーションは、webinarでも対応可能です。STEP3のファシリテーションは、webでも有効に働きます。
以前ほど頻繁に人と接していない環境下では、自宅でリラックスしながらwebinarを行えば、画面に人が映るだけでも安心感が高まり、穏やかな雰囲気の中で解決志向のグループワークが出来ます。
<注意事項>
●フロー1の困りごとを話し合うのみで、会話を終えてしまったら、ただ愚痴を言い合うだけの会となり、需要のシフト(移行)に、チームの心を向け、新たな需要に対応する一歩を踏み出すことは出来ません。必ずフロー5まで実施してください。
●解決志向を文字にしてフロー化するのは、簡単なワークに思えるかもしれませんが、困りごとが多すぎる場合、バラバラとした意見から共通点をチームで導くことは一苦労です。さらには、なぜなぜ思考が身についている場合、共通の問題点があぶり出されても、お互いの思いを語る事なく、原因分析にすぐに入ってしまいます。
まず大切なことは、共通の問題点をどのように受け止めているか、感情と現状を語り、今のストレスを吐き出し、心を前に向ける準備をすることです。
ここが、解決志向のワークを成功させられるか、失敗してしまうかのカギとなります。
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ランスタッドEAP総研 所長 川西由美子からのメッセージ
ヨットは、逆風でもセール(帆)を、45度ずつ向きを変えて前に進めることができます。コロナ禍の逆風でも解決志向で、従業員の心のセール(帆)の向きを変え、前に進めることが出来るのです。
解決志向の考え方を持った従業員が増えれば、会社という船は、大海に漕ぎ出せます。
このような心理学的な技術を伴う組織開発のお手伝いを、ランスタッドでは、EAP総研が担当しています。
会社の従業員の心理的側面のタクティシャン戦術家として、EAP総研にお声がかかる事を心待ちにしております。
【著者プロフィール】
川西由美子プロフィール