【創業期のエンプロイヤーブランディング】 一番サポートできる人が一番輝ける組織を目指して

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急成長を続けるCoupaで投資対効果のアドバイスを顧客に提供するバリューエンジニアリングとして活躍する鶴岡氏。社内のタスクフォースでは、エンプロイヤーブランドを高めるために欠かせない組織開発を担当。その取り組みと効果を伺いました。

 
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鶴岡 信介氏
Coupa株式会社(https://coupa.co.jp/
Business Strategy/Value Engineering Director
 
トーマツコンサルティング(現デロイト トーマツ コンサルティング)にてIT化戦略企画立案、BPO事業企画等に従事。SAPジャパンでの新規チームの立ち上げやビジネスオペレーション、メディデータ・ソリューションズでの経営戦略立案等を経て2020年より現職。 
 

急成長を続けるCoupa株式会社において、バリューエンジニアリングとして活躍する鶴岡氏。それと同時に社内でタスクフォースを立ち上げ、強い組織を作るための組織開発の役割を率先して担っています。

会社の規模が大きく拡大していくフェーズにおいて、エンプロイヤーブランドを高めるために欠かせない組織開発。同じゴールに向かいスピード感を持って突き進むメンバーの一体感は、どのように醸成されているのでしょうか。その取り組みと効果についてお話を伺いました。

 

スピード感とプロフェッショナリズムを持つ外資ベンチャー

――Coupaはどんな会社ですか

私の視点では特徴が3つあります。1つは外資のテクノロジーの会社であり、明らかにスピート感があるところ。

2つ目は、規模が小さく小回りが効くベンチャーの側面もあるところ。これはジャパン・クラウド・コンサルティングにサポートしていただいている影響も大きいと思います。

最後は、プロフェッショナルであるところ。個々人が「自分の腕で食べていく」というプロフェッショナリズムを非常に感じますし、特に営業はプロだと感じています。

「バリューエンジニアリング」というのは日本ではあまりない職種ですが、私はITの外資のその領域で垂直にキャリアを積んでいます。これまで勤めてきたどの会社でも、ITの経営的な価値を経営者にお伝えするというミッションを大事にして、ライフワークとしてやってきました。

それを一番実践できているのが、Coupaだと思います。Coupaは​​“Value”という言葉を大切にしていて、会社のビジョンやミッション(=Value as a Service)​​を理解したときに「これは僕がいるべきだ」と感じました。



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――Coupaではどんな働き方をしていますか

私に関して言えば、ルーティーンをつくるのが1つのポイントだと思っています。コロナ禍でほとんど在宅ワークですが、毎朝決まったことをやることで保たれている。例えば朝は6時に起きて1時間半くらい歩き、その後は会社が費用を出してくれている英会話を1時間。いろんな国の人とおしゃべりをして、その後、小一時間位はピアノ弾いたりして。そんな朝を過ごしたら頭がキンキンに冴えてくるんで、仕事に取り掛かろうと。そんなルーティーンが日次です。

生活はかなり充実していて、僕は今が一番ワークライフバランスが取れています。仕事のHowToは特に決まっておらず、結果を出せばOK。グローバルサイドとは週2回レポートミーティングがありますが、金曜日の夕方にはコーヒーを飲みながら「週末何やるの」と。釣りに行くと言うと、月曜日には「何が釣れたの」といった何気ない会話を英国の上司としています。今はコロナなのでオンラインで、それを意識的にやってくれていると思います。仕事の細かなタスク確認ではなく、コミュニケーションを通じて個々人のコンディションを察する。各人がプロフェッショナルとして信用され、顧客の成功と結果にフォーカスしている環境の現れなんだと思います。

 

サポーティブな逆ピラミッド型組織

――Coupaのカルチャーを教えてください

自分が言ったことがそのまま施策になるというところがあります。「こうすべきだと思います」と言ったら、代表の小関さんがもうサポートに走り出しているという状況。まだ規模が小さくて属人的なこともあるんですけれど、お互いが支援して動ける、動きあっている、察して動いているっていう、風通しのいい組織なんじゃないかなって思います。

Coupaの組織は逆ピラミッド体制なんです。リーダーはサポーターであると。それって結局、サポートできる部下、サポートラインを作らなければ、さらに下にいけないという構図になってるんですね。だからトップダウンだけを考えている人は困っちゃう。そこを重視している限りは、優れたリーダーが出てくるし、現場が育っていく。その現場がもっと優れた仲間を連れてくるという循環になっていくと思います。一番サポートできる人が、一番評価される組織にしていきたいですね。

――皆さんが同じ方向を向いている印象です

今は「グロース」っていう言葉は僕らの日本オフィスの存在意義でもあるので、その一言でみんなつながって一緒に同じ方向を向いている気はします。ERP、CRM/MA、HCM/HRMに続く4つ目のソリューションとしてBSM(Business Spend Management)が注目を集めている中で、日本でBSM市場を拡大していこう、成長させていくことに興味があるメンバーが集まっているように感じます。

 

ジョインした理由は、新時代に生き残る飛躍的成長を遂げる企業​​の創業期から携わりたいから。実際、その成功事例に携わってた人たちがバックでサポートしてくれてる訳ですよ。その成功を体験した人たちのサポートを受けて、Coupaというソリューションで同じようにグロースを目指すというのは貴重な体験だと思っています。

 

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スタートアップだからこその面白さと課題

――創業期ならではの勢いを感じますね

だからこそ、獲得する案件1件1件にすごく重みがあります。

例えば、最近すごく長い時間をかけてみんながハードに取り組んでいた案件がクローズしたんです。お客様から後から聞いたのは、要件が非常に厳しいご担当者様にプリセールス担当の山田が懇切丁寧に対応や提案をしていたそうです。そんな風に丁寧に話を聞いてくれたのは数ある提案企業の中でCoupaだけだったと、経営会議で一番押して頂いたようですね。

そういったお客様からのフィードバックは士気が上がりますし、そういうエピソードの1個1個が、恐らくあとで振り返ると伝説的になると思っています。

――創業期特有の課題感はありますか

一言で言うと、まだ規模が小さいところです。我々の製品がカバーする領域が広いので、スペシャリストはいるんですけど駒が全部そろってない中で勉強しながらやっていくというところは課題。

また、2020年にサプライチェーンのデザイン・計画ソフトウェアのLLamasoft(ラマソフト社)を買収しました。2つの会社が1つになったんですが、ちょうどコロナの影響を受け直接会えずにいました。お互いコミュニケーションを図るため、自然に自己開示ができるような社内ワークショップをやろうと提案し、オンサイトで開催しました。

 

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社員間の信頼やコラボレーションを活性化させる取り組み

――どんなワークショップを行ったのでしょう

「レゴ®シリアスプレイ®」と言って、レゴ®を使って「これで自分の〇〇な状態を表現をしてください」「話さなくていいので手を動かして表現だけに集中してください」という手法を使いました。例えば、自分が仕事で一番嫌な局面・避けたい局面を表現してください、1分で作ってくださいというような感じです。

限られた時間でつくった作品で表現したいことを「人から裏切られて、お客様に頭を下げている状況です」のようにある程度こじつけで説明してもらいます。すると「自分にとって重要なのは信頼なんだ」と気が付いたりします。手を先に動かしてできた作品のメッセージを後付けで説明してもらうと、言いたいことがポロポロ出てきやすいわけです。

 

 

――ワークショップの効果はありましたか?

ええ。エグゼクティブからは「士気が全然変わった」とか、ある方からは「ようやく入社した感じになった」と喜ばれましたし、発信力・発言力がかなり変わりすごくプロアクティブになりました。「みなさん、こんな資料作っちゃいました。使ってください」みたいなのが、毎週上がってきたりして。社員間の信頼感やコラボレーションが活発化して、「能ある鷹」がたくさん出てきてくれました。

有難いことに僕は過去にそういうファシリテーションが上手い人に教えていただいたり、前職でも新規事業開発に取り組んだり、デザインシンキングのトレーニングを受けたりしています。だからオープンイノベーションをやるとなった時の方法はある程度知っていました。自分的にこうしたノリが好きなのもあり、どちらかと言うと本業の仕事というより「自分がやらねば誰がやる」の姿勢でやっていますね。

 

エンプロイヤーブランドを支える取り組み

――これからも組織開発のための企画を予定していますか

社内でこういう企画を年1回くらいでやってもいいですね。それに、新しいビジネスラインを立ち上げる時に、それを組む相手とやると一番効果が出るんですよ。

A社・B社・C社で集まって「共通のビジネスゴールをレゴ®で表現してみましょう」というアプローチをする。共通のゴールってこれだよね、これが儲かるね、あれは儲かるけどそういう話じゃないよね、と。「ここに行きたいんだよ」「ここに旗立てたいんだよね」というのを具現化できる。表現して叶えるツールなので、そういう風に社外とのビジネスディベロップメントにも使っていきたいですね。

 (肩書きは取材時のものです)

2021年エンプロイヤーブランドリサーチ国内レポートダウンロードはこちら

 

 

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