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1都3県に緊急事態宣言を再発令 「雇用を守るのが政治の責務」菅首相
協力要請に応じる大企業の雇調金助成率アップ
政府は1月8日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、特別措置法に基づく「緊急事態宣言」を再発令しました。東京、神奈川、埼玉、千葉の首都圏1都3県が対象で、期間は8日から2月7日までの1カ月間。感染リスクが高いと指摘される飲食店などを中心に、営業時間の短縮を要請。記者会見で菅義偉首相は「雇用を守ることが政治の責務。事業を守ることにも優先的に取り組む」と強調しました。感染拡大が止まらなければ、11日以降には大阪府など関西1府2県をはじめ、全国を視野に入れた緊急事態宣言の発令に踏み切る可能性もあります。
菅首相は、首都圏を中心とした感染者数の増加について「これ以上の感染拡大を食い止め、感染を減少に転じさせるために決断した」と述べました。政府は、新型コロナ対策の基本的対処方針を改定し、宣言の具体的な内容を示しました。飲食店に加え、一定の面積や規模以上の運動場や遊興施設などを対象に午後8時までの時短を要請。酒類の提供は午前11時から午後7時までに限るよう働きかけ、要請に応じない場合は店名を公表する構えです。
また、午後8時以降の不要不急の外出自粛を求めています。企業に対しては、通勤を含む接触機会を減らすため、出勤者数の7割削減を呼び掛け、テレワークを推進。午後8時以降の勤務を抑制するよう事業者に要請しています。宣言解除の目安として、感染者数が東京都で「1日当たり500人」に減少することを挙げています。
このほか、中国や韓国など11カ国・地域のビジネス関係者らの短期滞在と長期滞在(ビジネス往来)は当面継続しますが、感染力が強い新型コロナの変異株が発生すればただちに停止する考えです。
宣言を受けて厚生労働省は8日、営業時間の短縮に協力する飲食店などに対する雇用調整助成金の特例措置の拡大適用を発表しました。大企業を対象に、休業の場合の助成率を従来の3分の2から5分の4に、解雇などをしない場合は同4分の3から10分の10(全額)に引き上げます。中小企業は既に同様の特例を受けています。1人1日あたりの上限額は1万5000円で、期限は2月末までです。
中小企業は業種によって異なりますが、飲食店を含む小売業の場合は資本金5000万円以下か従業員50人以下。大企業はそれ以外と区分しています。
66歳以上就労可能企業は33.4%
厚生労働省が1月8日に発表した2020年「高年齢者の雇用状況」によると、65歳定年企業は18.4%(前年比1.2ポイント増)とやや増え、66歳以上でも働ける企業は33.4%(同2.6ポイント増)、70歳以上でも働ける企業も31.5%(同2.6ポイント増)に増えたことがわかりました。
高年齢者雇用促進法の改正に伴い、65歳までの雇用確保措置のある企業は99.9%に達していますが、その内容は「継続雇用」が76.4%と依然として多数を占め、「定年の引き上げ」は20.9%、「定年制の廃止」は2.7%にとどまっています。
さらに、66歳以上でも働ける制度のある33.4%の企業のうち、大企業になると28.2%(同2.9ポイント増)で少し増えた程度。内容も、「基準該当者の継続雇用」が10.9%で最も多く、「希望者全員」は7.5%、「定年制の廃止」は2.7%、「66歳以上定年」は2.4%どまりでした。法改正によって働く高齢者は年々増えているものの、その大半は「60歳定年」で、退職後は契約社員、嘱託社員などの身分になり、業務内容は同じでも給与が減るケースが多く、中には訴訟になっているケースもあります。また、定年後は"余生"扱いで有効活用に消極的な企業も少なくないことから、高齢者雇用制度の根本的な見直しを迫られています。
取材・文責
(株)アドバンスニュース