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「待遇情報の提供のあり方」は現状維持 厚労省が見直し案提示、労政審部会
「同一労働同一賃金ガイドライン」を見直しへ
パートタイム・有期雇用労働法と労働者派遣法の見直し議論を展開している労働政策審議会「同一労働同一賃金部会」(小畑史子部会長)が11月21日開かれ、事務局の厚生労働省が「パート・有期法」と「派遣法」の省令見直しの具体案と、「同一労働同一賃金ガイドライン」の見直し案を示しました。公労使から挙がった意見や主張を踏まえて一部修正し、12月上旬の同部会に再提示します。今年2月から展開してきた見直し議論は、報告書の取りまとめに向けて最終段階に入ります。
カスハラについて厚労省が示した事例として(1)土下座を強要(2)交流サイト(SNS)への悪評投稿をほのめかして脅す(3)無断撮影(4)必要のない質問を執拗に繰り返す(5)長時間の居座りや電話での拘束(6)契約金額の著しい減額の要求――などを挙げました。事例以外にも、働く人の就業環境が害される場合には相談に応じて処置するなど、企業に適切な対応を促します。対応方法として、可能な限り労働者を一人で対応させず、労働者は管理監督者に直ちに報告し指示を仰ぐことなどを示しました。暴行や脅迫など犯罪に該当し得る言動があれば警察に通報することも促しています。
一方、採用面接を受ける学生やインターン参加者などへのセクハラ防止については、インターンシップで性的な冗談やからかいを意図的・継続的に行うことや、執ように私的な食事に誘うことを典型的な「就活セクハラ」と定義。企業は防止策を講じる必要があるとしました。同分科会では、使用者側の中小企業の代表が「指針案のなかに『現場対応が困難な場合、法的な手続きが必要な時には法務部門と連携して弁護士に相談すること』とあるが、社労士に相談するのは良いか」と確認。厚労省は「社労士に相談して対応することも方法のひとつ」との見解を示しました。
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副業・兼業の労働時間通算による「割増賃金」、労使平行線
労働政策審議会の労働条件分科会(山川隆一分科会長)が11月18日開かれ、「多様な働き方に対応した労働基準法の見直し議論」を続行。労基法における労働時間法制の具体的課題として、テレワークなどの柔軟な働き方や副業・兼業、管理監督者、労働時間の情報開示について議論しました。このうち、副業・兼業の労働時間通算による「割増賃金規定」では、使用者側が「業務命令で発生するのが割増賃金。副業・兼業は労働者の自発的な選択と判断であり、本来の割増賃金の趣旨と前提が異なる」と撤廃を主張。一方、労働者側は「更なる長時間労働を誘発することになりかねない」として現行規定の維持を訴えました。このテーマを巡っては労使が平行線を続けています。
このほか、「テレワークの柔軟な働き方」では「始業・終業時刻を労働者が決定する日と使用者が決定する日の混在を認める場合、どの程度混在することを認めるべきか」といった観点から。また、「管理監督者」では「管理監督者の要件や健康確保についてどう考えるか」との論点で議論。いわゆる「管理職」と呼ばれる層も労働者として健康確保措置を敷くことの是非を検討しました。