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24年の入職超過率は0.6ポイント 4年ぶり低下、厚労省雇用動向調査
「宿泊・飲食サービス業」が入職率28.4%、離職率25.1%
厚生労働省が8月26日発表した2024年雇用動向調査によると、年間の入職者数は747万3700人、離職者は719万5300人となり、入職者が離職者を約28万人上回りました。年初の常用労働者数に対する割合は入職率が14.8%(前年比1.6ポイント減)、離職率が14.2%(同1.2ポイント減)といずれも低下。この結果、入職超過率は0.6ポイント(同0.4ポイント減)となり、前年の1.0ポイントから下がりました。入職超過率は21年から超過していますが、24年は縮小傾向に転じた格好です。
就業形態別では、正社員が中心の一般労働者は入職率11.8%(同0.3ポイント減)、離職率11.5%(同0.6ポイント減)で0.3ポイントの入職超過。パートタイム労働者は入職率22.7%(同4.8ポイント減)、離職率21.4%(同2.4ポイント減)で1.3ポイントの入職超過。パートの入職率が大きく低下しました。産業別では、「宿泊・飲食サービス業」が入職率28.4%、離職率25.1%で最も高く、「生活関連サービス・娯楽業」が入職率20.6%、離職率19.0%と続きます。
転職入職者の賃金については、前職より「上がった」が40.5%(同3.3ポイント増)、「下がった」が29.4%(同3.0ポイント減)で、両者の開きは11.1ポイントと大きく拡大。3年連続の拡大となったが、春闘の賃上げや最低賃金の引き上げなどの効果によるものとみられます。
調査は年2回、5人以上の常用労働者のいる1万4867事業所を対象に実施し、上半期(1~6月)は9024事業所、下半期(7~12月)は8683事業所から有効回答を得ました。
中小企業の賃上げ1万1999円 4.35%アップ
経団連が8月28日発表した今春闘の中小企業業種別妥結結果(最終)によると、加盟366社の加重平均で1万1999円(前年比4.35%増)となり、前年の1万712円、同4.01%増を賃上げ額、賃上げ率とも上回りました。ただ、大手139社の1万9195円(同5.39%増)に比べると金額、率ともかなり下回り、大手との格差がさらに拡大しています。
製造業215社では1万2718円(同4.57%増)、非製造業151社では1万1006円(同4.05%増)となり、製造業の金額、率とも非製造業を上回りました。ただ、従業員規模別では300~500人未満の80社では1万3065円(同4.67%増)だったものの、同100~300人未満の162社では1万1313円(同4.13%増)、同100人未満の124社では9892円(同3.78%増)となり、中小企業内でも「規模の格差」が生じていることがうかがえます。
業種別で最も高い賃上げ額は「電気機器」10社の1万6492円(同5.71%増)、「鉄鋼・非鉄金属」15社の1万6349円(同5.60%増)など。低いのは「繊維」15社の7899円(同3.30%増)、「運輸・通信」35社の8504円(同3.36%増)など。
調査は従業員500人未満の17業種754社を対象に実施。うち平均額などが判明した366社分を集計しています。