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年内に報告書、労基法巡る有識者研究会 年明けから労政審分科会で議論開始
副業・兼業の割増賃金ルールの見直しなど焦点
多様化する働き方に対応した労働基準法などの見直しを検討する厚生労働省の「労働基準関係法制研究会」(荒木尚志座長)は12月10日、第15回会合を開き、報告書策定に向けた詰めの議論を展開。年内に開催する会合で報告書を取りまとめる見通しです。
年明けの労働政策審議会労働条件分科会に報告書が示され、公労使が労働基準法など関連法制の改正に向けて議論を開始します。ITの進化による現代の働き方や現場実態に照らした労基法の見直しとあって、労働分野の研究者や企業人事が注目しています。
同研究会は、経済学者らによる「新しい時代の働き方に関する研究会」(今野浩一郎座長)の報告書を引き継ぐ形で今年1月に発足。公労使で構成する労働政策審議会の議論にのせる"前段"となるテーブルで、法律の専門家らで構成しました。主に「労働時間法制」「労基法上の事業・労働者」「労使コミュニケーション」などに焦点をあて、約1年間にわたり多面的な視点から考察を重ねてきました。
この日示された報告書案のうち、「副業・兼業の割増賃金」については「労働者の健康確保のための労働時間の通算は維持しつつ、割増賃金の支払いについては通算を要しないよう制度改正に取り組むことが考えられる」と、見直しの方向性を明記。この視点は、労政審において支持と反対で議論が白熱することが予想されます。
11月企業倒産、高水準 年間1万件も視野
東京商工リサーチが12月9日発表した11月の全国企業倒産件数(負債額1000万円以上)は841件(前年同月比4.2%増)。負債総額約1602億円(同68.8%増)となり、件数は3カ月連続で前年同月を上回りました 。人件費の高騰に加え、物価上昇による原材料などのコスト増を価格転嫁できない「物価高」倒産が増えています。
負債額は4カ月ぶりに前年同月を上回りました。急増の原因は、上場企業で今年初の倒産となった素材メーカーの日本電解など、負債100億円以上の大型倒産が2件発生したこと。同50億円~100億円未満も3件発生しています。
これで年間累計件数は9164件(前年同期比16.3%増)となりました。すでに昨年1年間の8690件を上回って おり、このペースで増えると11年ぶりの年間1万件超えが視野に入ります。
同社は「書き入れ時の年末も、コロナ禍からの業績回復の遅れた企業には正念場。倒産は緩やかな増勢をたどる可能性が高い」と予測しています。
「130万円の壁」見直しがトップ、「年収の壁」企業調査
東京商工リサーチが12月12日発表した「年収の壁」に関する企業調査によると、所得税の非課税上限の「103万円の壁」の解消については91.3%と圧倒的多数が賛成。企業にとって年収の壁が労働力確保の壁になっており、103万円の壁の引き上げはパート労働者の働き控えを緩和して人手不足の解消が期待されています。
一方、各種年収の壁の中で最も撤廃・緩和を望む壁は、社会保険の扶養対象基準となる「130万円の壁」が57.5%で最多です。