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採用担当者以外も知っておきたい「年齢バイアス」人材の多様性を重視する
アンコンシャスバイアスを知っていますか?「アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み)」とは、自分自身は気づいていない「ものの見方やとらえ方のゆがみや偏り」をいい、自分自身では意識しづらく、ゆがみや偏りがあるとは認識していないため、「無意識の偏見」と呼ばれます(※1)。
募集・採用においては雇用対策法により一部の例外をのぞいて年齢制限が禁止(※2)されていますが、ルールを知っていても採用担当者のバイアスが直接的または間接的に募集・採用に影響していることはないでしょうか。例えば採用担当者が候補者の経歴を見て、ある特定の年齢層の候補者を無意識に優先したり、特定の年齢層の候補者に対して面接で過度に厳しい質問を投げかけたり、逆に甘い目で見てしまったりするようなケースです。
採用担当者が年齢バイアスに気づくことは、組織の持続的な成功に不可欠です。募集・採用において年齢が影響を及ぼすことは、労働人口が減少していく中で採用機会が狭まるだけでなく、組織の多様性が制限され、新しいアイデアや視点が欠如する可能性があります。
Index
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採用選考時の基本的な考え方・公正な採用選考の基本
厚生労働省は採用選考の基本的な考え方と公正な採用選考の基本として以下を示しています。
採用選考は、
の2点を基本的な考え方として実施することが大切です。 |
「公正な採用選考」を行う基本は、
にあります。 |
上記を実現するために必要な「採用選考時に配慮すべき事項」は多くの人事採用担当者が把握していますが、人事部門以外の社員が面接などの採用選考に関わる場合や入社後の受入れ部署の社員も知っていた方がよい情報です。
採用における年齢バイアス
「若い方が業務の飲み込みが早い」「中高年はITリテラシーが低い」「上司や先輩社員が●●歳代だから新たに採用する人員はその年代以下の方がチーム運営が円滑だ」このような考えをしばしば聞くことがあります。しかし、これらは全てのケースに当てはまるのでしょうか。過去に前述のような経験があったとしても個別の経験であり、これから採用する人に必ずしも当てはまるものではありません。これらの考えは年齢バイアスのひとつと言えるでしょう。
個々の能力や適性を客観的に評価し、年齢による先入観に左右されないようにすることが重要です。
年齢バイアスの克服
ではバイアスなく採用を成功するためにはどうしたらよいのでしょうか。「自社に合った優秀な人を採用したい」「長く定着してほしい」そのためにまずは採用ポジションに関する情報をできるだけ詳しく採用情報(求人情報)に記載します。会社情報、事業内容、主なサービス・商品、業務内容、必要なスキル・経験、休日出勤や残業、給与・福利厚生、責任の範囲などの諸条件以外にもキャリアパスや社内の文化などにも触れるとよいでしょう。これらが詳しければ該当する求職者が「自分に当てはまっている」と応募する可能性が高くなり、逆に当てはまらない求職者の応募を減らせる可能性があります。
また、採用プロセスをはじめとした社内体制を見直します。
▼見直しの例
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これらのアプローチを組み合わせることで、採用の幅が広がるたけでなく、公平性と多様性が取り入れられるでしょう。
人材派遣の場合
人材派遣契約の場合、労働者派遣法の「特定目的行為の禁止」により、派遣先企業は派遣スタッフを書類や面接で選考することはできません。派遣先企業は派遣会社に業務に必要な経験やスキル、職場環境を詳しく伝えることで派遣会社はそのポジションに合った人材を派遣スタッフとして決定することができます。
まとめ
多様な経験やスキルを持つ人材を採用することで、イノベーションと成長が促進され、組織全体の力が強化されます。
バイアスは、多くの人が様々な形で持っているものです。「気づいていないだけで、自分もバイアスを持っているかもしれない」と意識することが重要です。
ランスタッドは世界で最も公平で専門性を備えた人材サービス会社を目指しています。ED&I(エクィティ、ダイバーシティ、インクルージョン)の重要性を強く認識し、多様な人材が本来の力を存分に発揮して活躍できる環境を作るため、様々な取り組みをおこなっています。資料やセミナーでの情報発信をしていますので是非ご活用ください。
[著者プロフィール]
オフィス系派遣のコンサルタントとして企業、求職者・就業者の方々の支援に携わる。
現在はインサイドセールスとしてランスタッドの全サービスをワンストップでご提案することを担当。国家資格キャリアコンサルタント。