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オフィスへの新たなる期待 ABWで変わるこれからの働き方
ランスタッドはより快適な職場づくりのため、赤坂オフィスの改装を予定しています。新オフィスではオランダ発祥のABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)モデルを継続しながら、サステナブルな素材を活用した家具を配置し、緑を多く取り入れるなど、機能的であることと同時にワーカーにとっての居心地の良さも追及します。
▼ランスタッド ニュースリリース 本社オフィスを拡張し、新デザインに改装 オフィスへの期待が変化するなか社員同士の連携強化と自分らしく働ける快適な職場環境を目指して |
コロナ禍を経て、テレワークとオフィス勤務を組み合わせた「ハイブリッドワーク」がオフィスワーカーに定着した昨今、ワーカーの意識も変化しつつあり、オフィスに求められるものが変化してきています。また世界においても、RTO(Return To Office、オフィス回帰)論争は継続している様子です。これからのオフィスはどのようにあるべきなのでしょうか?
「アクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)」とは?
働く場所を自由に選択する働き方
ABWとは「Activity Based Working (アクティビティ・ベースド・ワーキング)」の略で、「アクティビティ(活動)」にもとづいた働き方という意味です。オランダのコンサルタント会社によって提唱された新しい働き方のことで、欧米の企業を中心に広まりつつあり日本においてもスタートアップだけでなく大手企業にも事例が出始めています。
席を選ぶだけではなく、目的に合った場へ移動しながら働く
ABWは、業務における活動(アクティビティ)に合わせて、ワーカー自身が働く場所や時間を選択できる働き方で、ワーカーの都合や業務内容などに柔軟に対応できるという特徴があります。
席を選ぶだけのフリーアドレスと大きく異なるのは、働く場所の選択肢は社内だけでなく在宅勤務などのテレワークも含まれてるという点です。
また時間もワーカーが自主的に管理することも含まれているため、前提としてはスーパーフレックスを導入していることが望ましく、つまりABWはワーカーの自己管理と雇用主側の信頼のもとに成立するものとなります。オフィスにおいては、アクティビティ別に選択できる場所を用意し、ワーカーは自主的にそれを選ぶことができます。
ABWを取り入れたオフィスの特徴は「多種多様なスペース」
ABWを取り入れたオフィスには、従来のオフィスに多い「部署ごとのデスク島」や「固定席」といったレイアウトはあまり見られません。
その代わりに、オフィスで一緒に働くメンバー達の雰囲気や会話を周辺で感じながら仕事をするオープンなデスク、2~3人で情報共有や目線合わせをするコーナー、集中してひとり仕事するための静かなブース、機密性の高い話をするための防音ブース、またカジュアルなミーティングや他部門社員と交流をするカフェテリアなど、行動特性に合わせたさまざまな場所が用意されます。
ハイブリッドな働き方ができるようになったことで、出社をする目的が、仲間との交流や帰属意識を高めるものに変化してきた昨今において、オフィスの在り方は社員同士のつながりをさらに促す場所として、大切な役割を果たします。
ABWを重視するのは「オフィスに求められる期待を意識」した結果
働き手が求めるものは引き続き「働き方の柔軟性」
ランスタッドが実施した最新のグローバルリサーチ「ランスタッド・ワークモニター2025」によると、「雇用主が規定した出勤日数」で最も多くを占めるのは「週5日出勤」。一方、従業員の希望する出勤日数で最も多くを占めるのは「週3日出勤」です。両者には2日間もの差があり、コロナ禍を経て雇用主がオフィス回帰を推奨する一方で、働き手は柔軟な働き方を求め続けていることがわかります。ここで雇用主が働き方の柔軟性を意識的に維持することは、企業と人材の双方にとってメリットがあると言っていいでしょう。
「社員同士のつながり」も両立させる必要がある
同調査では、「会社のコミュニティの一員であることを感じられなければ仕事を辞めると思う」と回答した人が、2024年の同調査より18ポイントも増え、合計55%と半数を超えました。また、「職場の同僚と交流する」と回答した人は83%、「同僚の何人かを友人だと思っている」と回答した人は76%、「仕事以外でも同僚と交流する」と回答した人は69%にのぼっています。
世界的にも、RTO(オフィス復帰)論争は社員同士が適度に交流できるハイブリッドワークが優勢で落ち着く動きを見せており、働き方の柔軟性と社員同士のつながりの両方を求める傾向が表れています。こうしたオフィスに求められる期待について企業が答えを明確にし、従業員同士の協力関係を促進することで、生産性を向上させ、人材採用・定着も改善していくなどのメリットが見込めるのです。
「求められる期待に応えた」オフィスの1つが、ランスタッドが12月に改装した名古屋市・伏見オフィスです。
「改装前の伏見オフィスは白川公園のすぐ横にあり緑の多い環境にもかかわらず、その立地の良さを生かせずブラインドを下げたままの閉じたオフィスでした。しかし改装後はブラインドを開けておくことをルールにし、公園を借景とすることで、木々や広い青空を室内に取り込むことができました。窓際のカフェテリアではワーカーが季節の風景を楽しみながらリラックスして仕事をすることができます。オフィスにグリーンを増やして居心地のよさを作ることは、リブランディングのコンセプトのひとつでもあり、それを日本庭園で使われる借景という概念で実現することができたのはユニークな試みだったと思います」と担当したファシリティマネジャーはコメントしています。
デザイナー視点で見るこれからのオフィスのあり方
最後に、ランスタッドの新オフィスを手がけたデザイナー MINE代表の三浦圭太氏に「これからのオフィスのあり方」についてインタビューしました。
これからのオフィスに期待されていることは「自分たちらしい交流の場」三浦氏:「今回デザインしたオフィスはランスタッド社の新しいリブランディングコンセプトである”ブルーワールド”というブルーのグラデーションとナチュラルウッドのコンビネーションをベースにイメージ展開しています。また大小さまざまな植物を効果的に配置しフォーカルポイントを作っています。 私は以前からランスタッドのオフィスリニューアルに関わってきましたが、コロナ禍を経てワーカーの働き方や意識が少しずつ変化しているように感じます。今回は、よりコミュニケーションを円滑にするためのさまざまな交流スペースや自分らしく働けるスペースなど、社員の皆さんが柔軟に働くことができるデザインを心がけました。」
立派に見えるオフィスよりも、「ユニークでいくつものストーリーがある」オフィスへ三浦氏:「赤坂の新オフィスでは、リサイクル素材である海洋プラスチックのテーブル、PETフェルトのアテンションウォール、茶室の絶妙な距離感を体現できるミーティングコーナーなど、新しくてユニークな試みを計画しています」
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赤坂の新オフィスにも、伏見オフィスとはまた違った形で、誇らしいストーリーを持ったユニークな「居場所」、「仲間と交流する場」が創られようとしているようです。
ハイブリッドワークであっても「オフィスでの新しい働き方」は常に追求したい
従業員を従来通りのオフィスへただ呼び戻すだけでは、人心は離れるばかり。リモートワークやハイブリッドワークの可能性を探るのはもちろん、オフィス勤務においてもこれからの働き方を追求することは欠かせません。
ランスタッドでは、人事に関する最新トレンドをタイムリーにお届けするメールマガジンを発行しています。オフィス運営関連を含めた、人事分野の情報収集に関心の高い方のご登録をお待ちしています。