職場におけるEquity Diversity & Inclusionについて

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111日(水)に渋谷スクランブルビル44Fにあるエヌエヌ生命保険株式会社オフィスにて、第3回目となるオランダ企業ラウンドテーブルが開催された。

当イベントは、ランスタッド株式会社、エヌエヌ生命保険会社、駐日オランダ王国大使館が企画をし、日本社会におけるオランダ企業の貢献や存在価値を高め、またED&Iにおいて先進国であるオランダのカルチャーを日本社会でも広め、働きやすい社会を作っていくことを目的として今年4月よりスタート。

3回目となる今回は、オランダ企業のリーダーと、ダイバーシティ・マネジメントを支援するNPO法人 J-Winに所属する日本企業の女性リーダー達を含め、合計36名の過去最大数の参加者を迎え、2つのテーマに沿ってパネルディスカッションを行った。

 

 パネルディスカッション1テーマ:職場におけるED&Iのベストプラクティスと課題

ED&Iに関して各企業ではどのような取り組みをし、どのような成功例があるのか

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▲第一回パネルディスカッションの様子

 

1回目のパネルディスカッションでは、駐日オランダ王国大使館より 臨時代理大使であるTheo Peters(テオ・ぺータス)氏をモデレーターとして招き、株式会社ゆうちょ銀行 執行役 岸 悦子氏、株式会社デイリー・インフォメーション関西 常務取締役 北谷 優季氏、エヌエヌ生命保険株式会社 人事部長  打木 彩子氏、当社ランスタッド株式会社 代表取締役社長兼COO 猿谷 哲の4名がパネリストとして参加、「職場におけるED&Iのベストプラクティスと課題」についてディスカッションを実施した。

デイリー・インフォメーション関西では、個々のキャリアの創成に力を入れ、社内冊子の配信や社内セミナーを通して、一人ひとりの社員がどのようなキャリアや個性を持っているのかを積極的に共有しているそうだ。

個々がそれぞれの経験・スキルを活かしてキャリアを構築していることを知ることで、自身のキャリアを考え、構築するカルチャー・風土の醸成をしているとのこと。

 文化の醸成の重要性は大事だと話す当社ランスタッドCOOの猿谷。

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▲文化の醸成の重要性は大事だと話す当社ランスタッドCOOの猿谷

 

ランスタッドではトップダウンで女性管理職比率の向上や障がい者雇用についての取り組みを行っているが、それだけでなくボトムアップの取り組みとして、現在は社員よる複数の自発的な活動グループ(Employee Resources Group)があり、社員同士が積極的に対話をし、多様性の啓蒙をおこなうことができる仕組みを作っている。

また同様に、ボトムアップの取り組みを推進していると話してくれたエヌエヌ生命保険 打木氏。

EDIに関して有志のクラブを社内で作り、そこからアンコンシャルバイアスのトレーナーを育成し、社内向けにトレーニングを実施しているとのこと。 

なお、ゆうちょ銀行では、女性管理者育成の推進、男性育休取得、育児介護世代のサポート、障がい者雇用、LGBTQの理解促進、の5つが現在の重要なテーマとなっているとのこと。

なかでも、男性の育休取得に関しては、2021年からは100%の取得率であり、男性が育休をとることが、育児・家事役割分担意識の払拭、女性の活躍推進にもつながると話した。

それぞれの企業が、個々を活かして働ける職場にしていくために様々な取り組みをし、実際に結果に結びついているということがよくわかるディスカッションであった。

 

パネルディスカッション2テーマ:職場における女性のエンパワメント

「女性の活躍」ができる職場環境とは?

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▲第二回目パネルディスカッションの様子

 

2回目のパネルディスカッションでは、株式会社SMBC信託銀行執行役員 津村 あや氏をモデレーター、エルゼビア・ジャパン株式会社 代表取締役  石川 大地氏、バガブージャパン株式会社 カントリーマネージャー 三股 桂子氏、NECプラットフォームズ株式会社 執行役員 正力 裕子氏をパネリストとして迎え、職場における女性のエンパワメントというテーマにおいてディスカッションを行った。

エルゼビア・ジャパンでは、女性従業員数は56.8%で、すでにグローバルの数値である52.2%を超えていると話した石川氏。採用の段階から女性の候補者が多いため、女性が働きやすい職場環境を整えることを意識しているとのこと。

また医療雑誌の編集や出版を行っているエルゼビア・ジャパンでは、サービス領域においても男女平等を取り入れている。解剖学書、医療用の解剖模型は、男性で設計がされることが一般的だが、3Dでの解剖模型を提供しているエルゼビア社は、女性の解剖模型も作製していると話した。

 またベビー用品を扱うバガブーでもサービス領域において、グローバルなDiversityへの取り組みが多くおこなわれているとのこと。

オランダを本社に構えるバガブー社は、オランダのカルチャーを強く踏襲している。オランダでは、カスタマー用のサイトにて、同性のカップルを登用した広告をだしていることも。

そういった多様性を意識したマーケティング&コミュニケーションを行うのもオランダ企業の特徴の1つとも言える。また当然のことながら、日本で働くバガブースタッフにも同様のマインドセットが求められる。

 なお、従業員 7,000名をかかえるNECプラットフォームズでは、多くの女性製造ライン従事者のほか、開発やスタッフのデスクワーク、営業等、勤務形態が多岐に亘っており、女性のロールモデルがいないという課題を抱えていたとのこと。その課題の認識から、女性がキャリアやスキル不足への不安を解消するために、女性管理職プログラムの導入を行っているとのこと。

当プログラムの導入により、社内で女性同士のネットワークを作ることで、女性が感じる職場での課題を話せる場を作ること、またどう活躍していけるのかというロールモデルを作っていくことを実施しているとのことだった。

 

全員がインクルージョンされるためのコミュニケーションとは?

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「インクルーシブはもちろん大事、ただ全員をインクルージョンすることはできない」と話したのは、エルゼビア・ジャパンの石川氏。

意見の対立や違いが起こるのは当たり前。だからこそそれをどれだけ受容し、コミュニケーションをとれるのかが大事だ、と話した。

また、「簡潔にわかりやすいコミュニケーションをとることが重要」と話したのはNECプラットフォームズの正力氏。複数の会社を何度か統合し、グローバルに拠点を構えており、所属社員は同じ日本語でも出身会社の違いで言い回しが異なる、また、母国語が異なり、日本語または英語を第二言語として話している方も少なくない。各言語や背景によって表現の違いも多いからこそ、よりロジカルに、簡潔でわかりやすいコミュニケーションをとることを心がけているとのこと。

日本人は空気を読む、言葉にせずとも伝わる、ということに慣れてしまっている。しかし急速にグローバル化が進む日本社会では、日本で生まれ育った人だけでなく様々なバックグラウンドを持った人が企業に所属している。

だからこそ答えは1つではないし、多様な意見を受容しシンプルに伝えていくことが大切である。

ED&Iを考え常にアクションをおこしていくこと

日本やオランダを代表する企業のリーダー達が、ざっくばらんに意見を交換しすることで、新たなアイディアやネットワークが生まれる時間になった。

 

イベント全体を通して、大きな3つのトピックスにまとめられる。

  • 社内でED&Iを促進するためにはトップダウンの取り組みに加えて、ボトムアップで行動をしていくことが大切。またそれができる職場環境を作っていくことでDE&Iのカルチャー醸成をしていくことができる。
  • 社内の取り組みだけでなく、事業やサービスにおいてもED&Iを意識したアクションをとっていくことで、社会全体への発信につなげることができる。
  • 簡潔に、ロジカルに、シンプルなコミュニケーションを意識することでダイバーシティのある職場環境においても、全員がインクルージョンされるためのコミュニケーションをとることができる。

 

リクルート

 

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